「美味しい大麦」として大麦の本場へ進出 スーパー大麦「バーリーマックス」を欧州で販売開始
帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂)は、このたび、スペインの食品商社であるEmilio Pena S.A(本社:スペイン バレンシア、社長:Pena Ivars Emilio Jose、以下「EPSA社」)とスーパー大麦「バーリーマックス」についての販売代理店契約を締結し、欧州市場に向けて本格的に進出しました。今後、EPSA社が販路を持つスペインおよびポルトガルにおいて、主にパンやシリアル用途向け市場をターゲットに「バーリーマックス」の採用を拡大し、機能性食品素材市場でのプレゼンス向上を図ります。
- 背景・経緯
(1)EPSA社はスペインを拠点に食品の製造・輸入・販売を行う食品専門の商社です。スペインならびにポルトガルにおいて事業展開しており、パンやシリアルのメーカーとの取引に強みを持っています。
(2)欧州においては大麦がパンやシリアルの材料として一般的に使用されており、市民の食文化に浸透した素材として親しまれています。そのため、大麦の需要量は日本と比較しても大きく、シリアル用途として約15倍、パン用途として約30倍以上の市場(*1)があると推定しています。
(3)さらに近年では健康志向の高まりによって、「食物繊維含有」を訴求した健康系のパンやシリアルの販売量が増加しており、食物繊維を多く含む高機能で、かつ、大麦特有の苦みやえぐ味がなく、旨味や甘味をもった大麦が求められています。
(4)当社はこうした市況を踏まえ、豊富な食物繊維と優れた栄養バランス、一般的な大麦よりも甘味を有する「バーリーマックス」を欧州市場に投入する準備を進めてきました。そしてこのたび、欧州でも食物繊維への意識が比較的高いと推定されるスペイン市場を欧州進出の第一歩として、EPSA社との契約を締結しました。
(*1)業界レポートなどをもとに帝人調べ
- 「バーリーマックス」について
(1)「バーリーマックス」はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が開発した大麦です。一般的な大麦(押麦)には白米の約15倍の食物繊維が含まれるのに対し、「バーリーマックス」は白米の約40倍の食物繊維を含んでいます。
(2)「バーリーマックス」にはフルクタンやβ-グルカン、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)など、種類の異なる食物繊維が含まれており、それぞれ腸内での消化速度が異なります。そのため、腸の奥まで届き、善玉菌のエサとなることで腸内環境全体の改善に貢献します。
(3)さらに、食物繊維以外にも鉄分や亜鉛、ナイアシン、ビタミンB6など、日々の食事で不足しがちな栄養成分を豊富に含んでおり、他の穀物と比べて糖質が少ないため、理想的な栄養バランスを有することがわかっています(*2)。
(4)また、苦味やえぐ味などの不快な味や、独特のにおいがほとんどなく、一般的な大麦よりも旨味や甘味を有しています。
(5)このような特長から、近年、日本国内において米飯類、シリアル、菓子、パンなどの領域で「腸活」食材として数多くの商品に採用されています。また、世界的な健康への関心の高まりを受け、原産国のオーストラリアをはじめとして、米国や、日本を含むアジア圏への順調な広がりを見せています。
(*2)食品表示基準に定める「栄養成分の補給ができる旨の表示の基準値」に基づく。
- 今後の展開
(1)今回の契約をもとに、EPSA社を通じて、スペインおよびポルトガルの食品メーカーへの販売を強化し、既存の大麦から「バーリーマックス」への置き換えを図っていきます。
(2)さらに今後は、イタリア、フランス、ドイツ、オランダなど欧州各国への拡大に向けて、各国への販売ルートを構築していきます。
(3)帝人のヘルスケア事業は、一人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまでの人生を支えることを目指しており、今後も機能性食品素材事業で世界中の人々の「Quality of Life」の向上に貢献していきます。