2022年の派遣業界 総括レポート

2022年、全職種で過去最高時給を記録。2023年も時給上昇は続く見込み。 『エン派遣』調査レポート

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エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する日本最大級の派遣のお仕事探しサイト『エン派遣』(https://haken.en-japan.com/)では、サイトに掲載されたすべての職種(※)の求人情報をエリア別(※)に集計し、募集時の平均時給分析を行なっています。2022年1月度~11月度の集計結果がまとまりましたので、お知らせします。
※『エン派遣』上で分類されている職種、エリア

2022年トピックス

2022年トピックス

2022年総括/2023年見通し 『エン派遣』サービス責任者 中島 純

『エン派遣』サービス責任者 中島純

2022年、『エン派遣』三大都市圏の平均時給は、全職種が過去最高時給を更新しました。2月度に全職種で前年同月比を上回り、以降、直近11月度を含め10ヵ月連続で全職種が前年同月比を上回る結果に。年間を通して、昨年より高い時給水準が続いています。要因は大きく3つ挙げられます。

1.高時給案件の台頭
特にITエンジニア職が牽引しました。コロナ禍におけるDX化の推進やセキュリティー対策・強化の動きが活発化しています。

2.求人案件数の回復
特にサービス系業種が回復基調です。新型コロナウィルスの感染状況は依然収束とは言えない状況であるものの、10月の水際対策の緩和、全国旅行支援の開始など、政府主導による経済活動の活性策に合わせて、現場の人手不足の状況が顕著になってきています。

3.働き方の多様化
コロナ禍を通じて、在宅勤務など働き方の多様化につながっています。働く側の選択肢も増えていることで、人気求人の条件にも変化が見受けられてきました。そのため時給も含め、勤務条件の改善にも広がりが出ています。

2023年も、求人数の増加は続くと見ています。例年4月入職に向けた求人は年間で最多となるため、1月~3月にかけては求人数の増加が続きます。この時期は未経験向けの求人が多く、一時は時給平均が横ばい以下になる可能性もあります。

来年の年間のトレンドで言えば、経済活動の伸長に合わせて人手不足は継続の見込みです。今年と同様に、特にIT系・サービス系・介護系は慢性的な人材不足を理由に、人材確保に向けた時給の上昇が続くと考えています。  

三大都市圏 募集時平均時給調査

平均時給推移(三大都市圏 ※関東・東海・関西) ※2022年1月からの推移

2022年派遣時給推移(全体)

職種別平均時給推移(三大都市圏 ※関東・東海・関西) ※2022年1月からの推移

2022年派遣時給推移

 
職種大分類別 平均時給推移(三大都市圏) ※2022年1月からの推移
▼オフィスワーク系

2022年派遣時給推移(オフィスワーク系)

アシスタント求人が活況に。
派遣求人において、最も求人割合の高いオフィスワーク系。7月度に1,599円で過去最高時給を更新し、年間を通して前年同月比を上回る結果に。2022年は特にアシスタント系の求人が数を伸ばしました。職種を超えて採用難が続いているため、企業は「既存社員の生産性を高める」という動きにシフト。営業アシスタントや採用アシスタントなど、既存社員のノンコア業務を請け負うポジションの求人が増加しました。
 
▼営業・販売・サービス系

2022年派遣時給推移(営業・販売・サービス系)

時勢を反映し、コールセンターが活況に。
営業・販売・サービス系では、11月度に1,566円で過去最高時給を更新。年間を通して前年同月比を上回る結果になりました。2022年は特にコールセンタースタッフ求人の需要が継続。全国旅行支援や新型コロナウイルス感染症の助成金など、臨時で設置される問い合わせ窓口に派遣スタッフを配置する動きがありました。またコロナ禍になりEC化が加速し、オンラインでの購買活動における問い合わせ窓口も増加しました。
 
▼クリエイティブ系

2022年派遣時給推移(クリエイティブ系)

コロナ前と比較し、時給の上り幅はトップに。
クリエイティブ系では、11月度に2,073円で過去最高時給を更新。9月以降、毎月最高時給を更新しているほか、年間を通して前年同月比を上回っており、高い時給水準となりました。コロナ禍の巣ごもり需要でゲーム業界が活況に。コンシューマーゲームだけでなくスマホアプリでも需要が続き、WebデザイナーやWebディレクターを中心に、都心部でゲームに携わる求人が増加。時給上昇に繋がりました。
 
▼IT系

2022年派遣時給推移(IT系)

高いスキルを求め、正社員から派遣社員へ募集を広げる動きに。
時給が5,000円を超える求人が登場するなど、『エン派遣』において最も高時給のIT系。10月度に2,437円で過去最高時給を更新し、年間を通して前年同月比を上回る結果になりました。コロナ禍で進んだDXやEC化、セキュリティ対策強化の影響を受け、様々な業界で需要が活況に。採用難度が上昇したことで、従来は正社員が担うことが多かった開発上流工程の求人でも派遣スタッフの活用が進みました。
 
▼技術系

2022年派遣時給推移(技術系)

大阪万博や駅開発など、関西エリアでの需要が高まる。
技術系では、3月度に1,977円で過去最高時給を更新。年間を通して前年同月比を上回る結果になりました。特に求人の増加が見られるのは関西エリアです。2025年に大阪万博を控え、駅開発も進行中。CADオペレーターや設計などの技術職の需要増が続きました。
 
▼医療・介護系

2022年派遣時給推移(医療・介護系)

新型コロナウイルス重症化率の減少が、介護サービス利用者数の回復へ。
医療・介護系では11月度に1,415円で過去最高時給を更新。年間を通して前年同月比を上回る結果に。まん延防止等重点措置の解除などを受け、コロナ禍で介護施設の利用を控えていた方が利用を再開。施設入居需要が高まった結果、既存施設の人員補充に加え、新施設のオープニングスタッフの求人も増加しました。また介護業界へ新規参入する派遣会社も増加し、求人倍率が上昇。各社で時給を引き上げる動きが取られました。  

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