タンス遺産が世界を救う!
ユネスコ世界寺子屋運動 「書きそんじハガキ・キャンペーン」開始
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、12月より「ユネスコ世界寺子屋運動 書きそんじハガキ・キャンペーン2020」を実施中です。当連盟は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みの一つとして、戦争や貧困など、さまざまな理由で教育の機会に恵まれない子どもや大人のために「学びの場=寺子屋」を世界に広げていくユネスコ世界寺子屋運動を展開しています。本活動を支える一環として行っている「書きそんじハガキ・キャンペーン」は、ご家庭に眠っている“タンス遺産”を募金に換える活動で、年賀状シーズンとなる12月からは特に書きそんじハガキの回収を強化するため、全国の皆様に協力を呼びかけています。
◆キャンペーン期間は、2019年12月~2020年5月末まで。
誰一人取り残さないための教育支援活動
貧困や戦争、あるいは女性であるという理由だけで、教育を受ける機会に恵まれない人たちが世界には多く取り残されています。今世界には、約1億2400万人の学校に通えない子どもたち(6歳~14歳)がいます。さらに15歳以上の約6人に1人にあたる約7億5000万人が、子どもの時に学校に通えなかったために今なお読み書きができません。SDGsの教育目標の中で「2030年までにすべての人が読み書きできる世界を目指すこと」がうたわれていますが、実現にはまだ長い道のりです。ユネスコ世界寺子屋運動では、この課題に立ち向かうため、発展途上国に学びの場(寺子屋)をつくり、教育支援活動を行っています。
書きそんじハガキはじめご家庭のタンス遺産で支援できます
誰一人取り残さないための教育支援に、ご家庭で眠っている“タンス遺産”が貢献します。うっかり書きそんじてしまったハガキをはじめ、タンスの中に眠った商品券、未使用の切手・プリペイドカード(テレホンカード・図書カード等)を、"タンス遺産"と称し、それぞれのキャラクターに扮したタンス遺産3兄弟を起用して、支援を呼び掛けています。ぜひ、"タンス遺産"でユネスコ世界寺子屋運動にご協力をお願いいたします。
書きそんじハガキ・キャンペーン動画はこちら
書きそんじハガキ・キャンペーンとは
書き間違えや、古くて使用しないなどの理由で投函されていない未使用ハガキを回収するキャンペーン。キャンペーンを通じて集まったハガキを募金に変え、ユネスコ世界寺子屋運動の展開に使用しています。
◆11枚の書きそんじハガキで、カンボジアではひとりひと月学ぶことができます。
◆未使用の切手・プリペイドカード(QUOカード、図書カード等)、商品券等でも同等の支援ができます。
※書きそんじハガキ・キャンペーン2020
(強化期間:2019年12月1日~2020年5月31日)
※強化期間以外にも、ハガキや金券などの回収は一年中受け付けています。
ご支援で実現したい2020年度の活動
【活動目標】
1)アフガニスタン、カンボジア、ネパール、ミャンマーを含む4か国で、学校を退学しても学び続けたい子どもと、文字の読み書きを覚えたい非識字の成人、合わせて6,500人以上に学びの機会を提供。
2)カンボジアに1軒の寺子屋を建設。
3) 教員や寺子屋を運営する人たちの人材育成を継続。
【書きそんじハガキキャンペーンの目標】
2020年5月末までに書きそんじハガキ95万枚を回収!
皆さまのご協力がもたらした2019年度の成果
1. 全国から、89万枚分の書きそんじハガキ(タンス遺産)集まり、約4200万円の募金に!
2.2軒の新しい寺子屋(ネパール2軒)が完成。アフガニスタン、カンボジアでも建設準備中。
3. アフガニスタン、カンボジア、ネパール、ミャンマーで、教育を受ける機会がなかった6千人以上の人が寺子屋で学べました!
多くの企業・団体・個人の皆さまからのご協力に支えられ、2019年もアフガニスタン、カンボジア、ネパール、ミャンマーで支援を行うことができました。4カ国で識字クラス、小学校クラス、幼稚園クラスの他技術訓練などを実施し、6,162人が参加しました。2019年で30周年を迎えた世界寺子屋運動は、これまでに累計131万6,162人に学びの機会を届けることができました。
現地からの「ありがとう」の声
「家計のため、小学校をやめて2年間キャッサバ畑で働いていた私には、また勉強ができる日が来るなんて想像もできませんでした。 寺子屋には、私のような子どもたちのためのクラスがあると知り、 生徒として選んでもらったときにはとても幸運だと思いました。クメール語(国語)の授業が気に入っています。ご支援くださる方々に心から感謝しています。」
「学校へは5年生まで通いましたが、家が経済的に苦しかったので、中途退学しました。父、母、3人の妹と暮らしています。いまは、米・豆の大規模農家に働きに行ったり、日雇いで草刈りの仕事などをしています。学校をやめて働くように親からいわれたとき、とても悲しい思いをしましたが、寺子屋のおかげで再び勉強することができて嬉しいです。」
「私はとても保守的な家庭で育ちました。『女の子は学校に通う必要はないので、家で家事の手伝いをしていなさい』と言われ、学校に行くことができませんでした。昔は、字の読み書きができるようになるなんて不可能だと思っていました。でも身に付けたいまではそれほど難しくなかったと感じています。学ぶことは楽しいです。」
書きそんじハガキ・キャンペーン2019の回収枚数上位3県
全国の皆様からのご協力に支えられている書きそんじハガキ・キャンペーンですが、2019年にとりわけ多くの枚数を回収してくださった上位3県をご報告いたします。
第一位: 鹿児島県
第二位: 富山県
第三位: 大分県
※2018年12月~2019年10月の期間、地域ユネスコ協会から送られてきた枚数をもとにランキング。
*書きそんじハガキキャンペンーンに参加していないユネスコ協会、地域ユネスコ協会がないエリアもあります。
*書きそんじハガキ等を日本ユネスコ協会連盟に直接送付していただいた方の実績は含まれておりません。
ユネスコ世界寺子屋運動とは
戦争や貧困など、さまざまな理由で教育の機会に恵まれない子どもや大人のために、「学びの場=寺子屋」を世界に広げていく運動。1989年に開始。寄付や募金、書きそんじハガキ・キャンペーンなどを通じて集まった支援により、現在はアフガニスタン、カンボジア、ネパール、ミャンマーで活動を展開しています。
世界寺子屋運動は、学びの場を増やすだけでなく、支援からの自立のために人材育成にも重きを置いた活動です。寺子屋の建設や教員給与の補助など日本からの一方的な支援では、支援終了と共に現地の人たちの興味関心がなくなり、建物自体も使われなくなることがあります。そこで、世界寺子屋運動では、現地行政や支援先の地域の人たちと協力し、寺子屋を立てる前の段階から地域の問題を話し合い、共に考え、計画、行動するという方針を大切にしています。時間はかかりますが、地域の人たちにとって自らの活動であるという意識を高めることで、永続的に自立性のある寺子屋の運営を続け、村を活性化できる体制を整えています。
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟について
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、UNESCO憲章の理念にもとづき、国際平和と人類共通の福祉の実現を目指し、ボランティアで活動する全国278のユネスコ協会とともに、国内外での教育の普及や、国内外の自然や文化を保護保全する世界遺産活動等、さまざまな活動を推進しています。
【本件に関するお問い合わせ先/書きそんじハガキ等宛先】
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル12 階
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟 書きそんじハガキ係 担当:鴨志田、宍戸
TEL:03-5424-1121/FAX:03-5424-1126/E-mail:nfuaj_web@unesco.or.jp
URL:https://www.unesco.or.jp
※書きそんじハガキは上記宛先、もしくは日本各地のユネスコ協会へ送ることができます。