アーモンドを“モーニングスナック”として食べると、 朝食を食べない大学新入生に有益なことが新たに判明
アーモンドをモーニングスナックとして摂取することで、食後の血糖コントロールや、HDL(善玉)コレステロールのレベル維持に効果的
※このプレスリリースは2018年8月13日に米国カリフォルニア州で発表された資料の抄訳版です。
18歳の子どもを初めて大学に送る親にとって、1人暮らしを始める子どもがどのような食生活を送るのかは大きな心配事です。大学生活を始めたばかりの若者は、新しい不健康な食事パターンに陥いってしまうのが通常です(1)。事実、調査によれば、大学新入生の20~43%が朝食をとらずに登校することが判明しており、さらに大学生活を始めたばかりの若者にとって、朝食は突出して抜いてしまうことが多い食事となっています(2)(3)(4)(5)。これは残念な統計値です。なぜなら、アメリカ心臓協会(American Heart Association,AHA)による科学的な発表によれば、毎日朝食をとることで、血糖値やインスリンの代謝を含む心血管代謝のリスク要因を減らせる可能性があることが分かっているからです(6)。
世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約6,800のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)の資金提供により、カリフォルニア大学マーセド校の研究者が行い、Nutrients誌に発表した新たな研究では、朝食を抜く大学生が、持ち運びしやすいアーモンドを「モーニングスナック(朝のおやつ)」にするのは賢明な選択であることを示唆しています(7)。
ほぼ毎日朝食を抜く大学新入生が、アーモンドまたはグラハムクラッカーをモーニングスナックとして食べると、総コレステロール値が下がり、空腹時血糖値が改善したことが分かりました。また、グラハムクラッカーと比較して、アーモンドを食べる方がより有益であることも分かりました。8週間の調査で、アーモンドを食べた大学生の方が、HDL(善玉)コレステロールの値をより維持できたほか、血糖のコントロール機能を示す測定値も改善しました。
調査では、73名の健康な大学1年生(女性41名、男性32名)を、下記の2つのグループに無作為に割り当てました。
アーモンドを摂取するグループ:素焼きアーモンドを1日あたり56グラム(約2オンス)、合計320キロカロリー摂取
グラハムクラッカーを摂取するグループ:グラハムクラッカーを1日あたり77.5グラム(5枚)、合計338キロカロリー摂取
8週間にわたり、両グループを対象に、割り当てられたスナックの摂取を研究者が監視しました。ただし、週末および春休み中は、携帯電話のショートメッセージを通じて規定どおりに摂取しているかを監視しました。調査の参加者は、有効性が検証されている24時間食物摂取頻度調査票を使い、カロリーと栄養素の摂取を記録しました。
その結果、以下に示すとおり、アーモンドを摂取したグループの方が、血糖コントロールおよび心血管代謝にかかわるいくつかの健康指標の値が優れていることがわかりました。
・2時間の血糖上昇曲線下面積(AUC)が13%小さい インスリン抵抗性指標(IRI)が34%低い
・インスリン感受性の総推定値を示す、経口ブドウ糖負荷試験中のMatsuda指標が82%高い。この指標はアーモンドグループではほぼ2倍であった
・HDL(善玉)コレステロールのレベルがよりよく維持できた。どちらのグループもHDLコレステロールの値は下がったが、クラッカーグループの低下量が24.5%であったのに対してアーモンドグループの低下量は13.5%にとどまった。
研究チームのリーダーを務めたルディ・オルティス(Rudy Ortiz)博士は、次のように述べています。
「大学生を初めて対象としたこの研究により、朝食を抜く人にとってアーモンドはお薦めのスナックであることがわかりました。特に、若くて健康な集団において、アーモンドの摂取によりMatsuda指標が8週間で2倍になることは重大です。これは、アーモンドがインスリン感受性に好影響を与えるかもしれないことを示唆しています。また、血糖コントロールおよび心血管代謝に関わる他のいくつかの健康パラメータへの影響は、特にこの集団において、アーモンドが賢明なスナックであるという可能性を示すものです」
また、調査期間中にどちらのグループも体重がわずかに増加していますが、これは驚くことではありません。大学新入生は体重が少し増加する傾向にあります(8)(9)。複数の調査により、大学での体重増加は身体活動の減少と関係があることが示唆されているからです(10)(11)(12)。わずかな体重の増加が観察されたにもかかわらず、8週間の調査期間中に空腹時血糖値は低下しています。これは、アーモンドであれグラハムクラッカーであれ、この集団ではモーニングスナックを摂取することが有益であることを示しています。さらにどちらのグループにも、LDL(悪玉)コレステロールの値が減少するという効果がありました。
研究の概要
調査方法
8週間のランダム化並行群間介入試験 で、73名の健康な大学生(女性41名、男性32名)が素焼きアーモンド(56.7グラム/日、320キロカロリー)またはグラハムクラッカー(77.5グラム/日、338キロカロリー)を間食として摂取しました。調査開始時点と4週間後および8週間後に空腹時血清/血漿サンプルから変化を評価しました。8週間後に、2時間の経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行って急性効果を評価しました。
結果
アーモンドを摂取したグループは、クラッカーを摂取したグループと比較して、8週間後のHDLコレステロールの低下が少なく(アーモンドグループが13.5%の低下、クラッカーグループが24.5%の低下、p