GfK Japan調べ:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による消費者意識の変化
GfK Japan(東京:中野区)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延による消費者の価値観や購買行動の変化を把握するため、4月から世界20か国で継続的な消費者意識調査を実施しており、日本の調査結果の一部をウェブサイトにて発表した。*1
【概要】
・第2回の調査では、48%が新型コロナウイルス収束後「より時間を大切にするようになる」と回答
・第4回の調査では、42%が自身や家族の経済状況について、1年前よりも「悪くなっている」と回答
・「今後家電製品を実店舗ではなくオンラインで購入する頻度が増える」は36%、「頻度が減る」は3%に留まる
第2回の調査(2020年5月7-10日)では、新型コロナウイルスの感染拡大がある程度収束した後の状況について、48%が「より時間を大切にするようになる」*2と回答した。これまであたり前だと思っていた日常が奪われたことは、消費者心理に大きな影響を与えているとみられる。また39%は「自分の仕事を取り巻く状況が悪くなる」と回答し、今後の先行きに不安を感じている人は少なくない。
2週間後に実施した第4回の調査(5月21-24日)で心配事について聞いたところ、「新型コロナウイルス」「経済危機」について、いずれも84%が「心配している」*3と回答した(図1)。第2回の調査結果から数値の変化はみられず、依然として消費者の意識や生活にコロナウイルスが及ぼしている影響は大きいといえる。また、自身や家族の経済状況の変化に関して、1年前よりも「悪くなっている」と回答した割合は42%にのぼり、家計への直接的な影響がみてとれる結果となった。
消費者の購買行動に目を向けると、マスクや消毒剤といった衛生用品やトイレットペーパーなどの生活必需品が入手しづらい状況が続き、1週間以内のショッピングで直面した問題について「必要なものの在庫がない/なかった」を挙げた消費者は第4回目の調査で43%となった。また、10%が「通常は購入しない銘柄やブランドのものを購入する必要があった」としており、欠品や外出自粛による買い物スタイルの変化が、新しいブランドや製品を手にするきっかけとなったケースもあるとみられる。
外出自粛中の購買意向として、高価な家電や家具の購入に対して消極的な消費者が多く、「今は家具、冷蔵庫、システムキッチン、テレビなどの高額商品を購入するのに良い時期だと思うか」という質問に対して、悪いと回答した割合が43%、良いという回答はわずか8%となった。 特に、スマートフォンやテレビなどの大型家電については、外出自粛中よりも新型コロナウイルスの収束後の購買意向が比較的強かった。実物の確認や契約手続きのために、店頭で購入したいというニーズが高いことも背景にあるとみられる。
現在の主要な家電製品の購買経路は実店舗であるが、販売実績データ*4をみると、2019年の家電小売市場におけるインターネット販売の金額構成比は16%と前年から2%ポイント上昇しており、オンライン購入の需要は新型コロナウスの影響を受ける前から拡大傾向にある。
第4回の調査で今後の購入場所について聞いたところ、「今後家電製品を実店舗ではなくオンラインで購入する頻度が以前よりも増える」という消費者は36%、反対に「オンライン購入の頻度が減る」という割合は3%に留まった。
外出自粛をきっかけにオンラインショッピングの利用機会は年代を問わず増えており、今後も家電市場全体として徐々にインターネット販売の比重は拡大していくと予測される。ただし、製品ごとにみると、消費者のニーズや購入経路の比率は大きく異なり、製品の特性に応じた店頭・オンライン販売の棲み分けが進んでいくと考えられる。
なお、第4回の調査結果をまとめたインフォグラフィック(図1)や調査概要の詳細は、GfK Japanのウェブサイト(https://www.gfk.com/ja/insights/infographiccp)にて公開されている。GfKは7月も引き続きコロナ禍の消費者意識調査の実施を予定している。
注釈
※1 調査概要
■調査名:「GfK Consumer Pulse」 (コロナ禍のグローバル消費者意識調査)
■調査期間:1回目 2020年4月28-30日、2回目 5月7-10日、3回目 14-17日、4回目 21-24日、5回目 6月22-25日、6回目 7月実施予定
■調査対象:全国の16~65歳の男女(1~4回目 各約500名、5~6回目 各約1,000名)
■調査方法:インターネット調査
■回答者属性:性、年代、居住都道府県、世帯年収、世帯人数
■調査内容:個人と国の経済状況のとらえ方、感じている不安、今後に対する不安、自分や家族の感染リスクのとらえ方、予想する収束時期、料理頻度や食事の変化、使用頻度や量が増えた/減った商品、旅行について、生活習慣の変化、働き方の変化、移動手段の変化、時間の使い方の変化、買い物の仕方の変化、余暇の過ごし方の変化、利用し始めたアプリやサービス、オンラインショッピングの利用状況、購入を予定していた家電などの購入有無、欲しくなった/実際購入した家電製品、収束後の行動、今後のお金の使い方、今後の買い物方法について、広告に対する意識、企業活動に対する評価
■調査実施国:日本、中国、インド、オーストラリア、インドネシア、南アフリカ、サウジアラビア、エジプト、イタリア、フランス、スペイン、オランダ、ベルギー、ドイツ、スイス、オーストリア、ロシア、イギリス、ポーランド、アメリカなど (実施国により調査時期や内容が異なる場合がある)
※2 5段階中「絶対にそうなるだろう」「たぶんそうなるだろう」のTOP2ボックス
※3 5段階中「とても心配している」「心配している」のTOP2ボックス
※4 全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、ネット通販等)からPOS データ等を収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計した
本プレスリリースのURL
GfK Japan
所在地:東京都中野区
設立:1979年
http://www.gfk.com/jp/
GfKはドイツを本拠とし、85年以上の歴史をもつグローバルマーケティングリサーチ企業です。日本拠点であるGfK Japanは、家電・IT製品を中心に、ゴルフ、玩具、眼鏡・コンタクトレンズ、ミュージック、自動車など幅広い分野において小売店パネル調査(POSトラッキング)や消費者調査で信頼と実績を蓄積して来ました。市場のグローバル化が進む今、GfKのグループ力を活かし、日本のみならず世界の市場と消費者の最新動向を提供しています。