生活者への通知は紙媒体とデジタル媒体の使い分け・共存が重要に
ーダイレクトメールに関する2021年調査結果よりー
デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、生活者の意識とダイレクトメール(以下DM)を取り巻く実態や時系列変化から見えるトレンドの定点的な把握を目的に、2020年に続き、生活者のDMに関わる行動についての自主調査を行いました。
今回の調査結果から、通知物の受け取り方法において生活者の紙媒体とデジタル媒体それぞれに対する好意度は目的や用途に応じて異なることや、スマートフォン利用層の拡大により、QRコードでのWebサイトへの遷移がますます一般化していることなどが分かりました。
調査結果の概要
1.デジタル化が進む中でもDMの受取数・開封割合ともに維持傾向。DMの開封数についての増減認識は20~30代を中心に増加傾向。
2.重要な通知や複数人で閲覧するものは紙で受け取りたいという意向が高い一方、広告期間の短いものやポイント関連のお知らせはデジタルでの通知に好感。
3.DMからWebへの遷移方法は、QRコードへの好意度が継続的に上昇。特に60代以上での好意度上昇が顕著。
このように社会全体のデジタル化が進む中で、紙媒体とデジタル媒体それぞれの特長に対する生活者の理解が深まっていることや、利用シーンに応じた最適なコミュニケーションの実現のために、紙・デジタル両媒体の使い分けが一層必要になるということが、調査結果から推察されます。
また、調査結果内で示すアライアンスDM*に対する態度などからは、生活者のDM開封基準が明確になってきている傾向も見られました。この点は、DMを開封する前に関心を持ってもらうための送り手側の工夫が、今後いっそう重要になることを示唆しています。
トッパンフォームズでは、今回の調査結果を踏まえて、引き続き適切な情報伝達のあり方にフォーカスしたコミュニケーション手法の研究を続け、CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)向上を実現する新たな価値の創出・提供を目指していきます。
調査結果の詳細レポートについては、こちらよりダウンロードいただけます。
調査手法
調査手法
Webアンケート方式
調査対象者とサンプル数
全国にお住まいの20歳以上の男女で、届いたDMをおよそ3割以上開封する方・メールマガジンに登録している方
2,000サンプル(20~70代以上男女)
調査実施時期
2021年12月14日(火)~12月20日(月)
※本ニュースリリースでは、調査結果の数値を小数点第1位まで記載しております。
※本調査でのDMの定義は以下の通りとしております。
「ダイレクトメール(DM)とは、企業やお店から送られてくる商品・サービス案内が記載されたハガキや封書による通知物を指します。電子メールによるメールマガジンなどは含みません。」
※本調査はDMの平均受け取り通数や開封・閲覧状況、開封したくなるキーワード、形状、開封後の行動など、生活者がDMを「実際に受け取ってから」にフォーカスしています。
DMライブラリについて
生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集したアーカイブ機能です。
生活者を顧客として捉えるお客様に対して、ダイレクトコミュニケーションによる課題解決をご提案するリソースとして活用いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
調査結果(一部抜粋)
- デジタル化が進む中でもDMの受取数・開封割合ともに維持傾向。DMの開封数についての増減認識は20~30代を中心に増加傾向。
1週間に受け取るDMの通数は9.0通(表1)、届いたDMの開封・閲覧割合は6.9割(表2)と、2021年以前の調査結果と比較しても平均的、いずれも横ばい傾向である。
(表1)あなたは、1週間に平均で何通くらいのDMを受け取っていますか。
(表2)ご自身の手で、届いたDMを見たり開封する割合は、おおよそどの程度ですか。
2020年同時点と比較したDMの開封数ついての “増減認識” は。2020年と同様「増えた」と答える者が 「減った」と答える者を上回り、「増えた」と答える割合も2020年より増加している(表3)。 特に20~30代で「増えた」割合が高く、特に20代は男女ともに2020年より増えたと答えた割合が10ポイント近く増加している。
(表3)あなたが、2021年11月に開封したDM(ダイレクトメール)の数は、昨年2020年11月に開封した数と比べて、どのくらい変化がありましたか。
- 重要な通知や複数人で閲覧するものは紙で受け取りたいという意向が高い一方、広告期間の短いものやポイント関連のお知らせはデジタルでの通知に好感
保守・契約更新のお知らせや複数人で見るもの(商品カタログなど)は半数以上が紙媒体で閲覧したいと回答する一方で、イベントやセール、会員ポイント関連のお知らせ、広告機関が短いものなどはPC・スマートフォンでの閲覧意向が6割強を占める(表4)。
(表4)あなたは、以下の情報が記載されている場合、紙媒体とPC画面とスマートフォン画面では、どれで閲覧したいですか。
- DMからWebへの遷移方法は、QRコードへの好意度は継続的に上昇。特に60代以上での好意度上昇が顕著。 DMからWebへの遷移方法の比較において、QRコードでの遷移に対する好意度は継続的に上昇しており、2021年度に5割を超える(表5)。
2017年と2021年の年代別回答を比較すると、60代以上の利用意向の上昇が顕著である。これはスマートフォンの利用率が、60代で39.4%から64.4%、70代で16.1%から35.6%へとそれぞれ上昇(*)していることなどから、スマートフォンでWebサイトを閲覧することがより一般化したことにより、QRコードへの好意度も上昇したのではないかと推察されます。
(* 出典:総務省 平成29年通信利用動向調査、令和2年通信利用動向調査)
(表5)あなたは、DMの紙面に記載されたホームページ(Webページ)へアクセスする際、どの方法が最も利用しやすいですか。
(表6)年代別回答抜粋ーあなたは、DMの紙面に記載されたホームページ(Webページ)へアクセスする際、どの方法が最も利用しやすいですか。
*アライアンスDMとは、生活者が商品・サービスなどを購入・利用している企業(アライアンス先企業)の名義で、他の企業(クライアント企業)の商品・サービスの案内などを行うDMのこと。アライアンス先企業の顧客情報からクライアント企業のニーズに合うものを提供し、DMを発送する。
※「デジタルハイブリッド」、「DMライブラリ」は、トッパン・フォームズ株式会社の登録商標です。
※「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。