<自転車の安全利用促進委員会レポート> 高校生約750名が自転車の安全について学ぶ 千葉県立松戸高等学校「自転車の交通安全教室」 自転車ジャーナリストの遠藤 まさ子が登壇しました
自転車のルール・マナー等の正しい利用方法や安全安心な自転車の選び方、メンテナンスの重要性を啓発する自転車の安全利用促進委員会と一般社団法人自転車協会は、2022年7月14日(木)に千葉県立松戸高等学校で行われた特別授業にて『自転車の交通安全教室』を実施し、全校生徒約750名が参加しました。
千葉県は中学生・高校生の通学時の自転車事故が多く、当委員会の調査では、2020年に発生した1万人あたりの自転車事故件数において、高校生はワースト13と事故件数が多い状況です。千葉県では自転車利用者の悲惨な事故を減らすため、県交通安全条例の改正がなされ、自転車保険の加入義務化のほか、自転車に乗る際のヘルメット着用を努力義務化しています。
講演では、高校生の自転車事故の特徴や事故が起きる状況を説明しました。また、見落とされがちな自転車自体の安全性(BAAマークについて)の大切さについて解説しました。講師の遠藤 まさ子(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、「自分はルールを守っていると過信しないこと、自分の身を守るだけでなく、相手の身を守る自転車の利用ができていますか。」と問いかけ、自転車運転中のイヤホン・携帯電話使用禁止などについて説明しました。また、「万が一事故が起きた際には、ヘルメットの着用有無が被害の大きさの分かれ目になり、保険加入の有無が自分や家族の人生を左右します。事故に遭わない・起こさないためだけでなく、事故に遭ってしまった・起こしてしまった時のことを考え、ヘルメット着用や自転車保険の加入を行いましょう」と強調しました。さらに、「通学自転車は毎日乗るため、BAAマークなどの安全マークが付いた自転車を選び、自動車の車検と同じように定期的にメンテナンスをすることが重要です。」と解説しました。
夏休みを控え、通学だけでなく自転車の利用が増えるタイミングの前に、ルール・マナーだけでなく自転車の車体自体の安全性についても改めて理解いただき、一人一人が自転車の安全について考える機会となりました。
参加生徒の感想
・間もなく夏休みに入るため、自転車に乗る機会が増える生徒もいます。お話いただいた内容を振り返り、一人一人がルールや安全、自転車そのものの安全性やメンテナンス等について認識を改め、自分の身を守るだけでなく相手の身を守る運転ができるよう、気を付けていきたいと思いました。
講師略歴
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。
自転車の安全利用促進委員会
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送って頂くため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
http://jitensha-anzen.com/
BAAマーク
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。
2020年都道府県別 自転車通学時の事故件数ランキング/千葉県