尹錫悦韓国大統領来日 真の日韓友好を願って! 1926年に出版された貴重文献『THE NEW KOREA』

著者はイギリス人の植民地研究家で、新聞王・ピューリッツァーの秘書でもあったアレン・アイルランド

世界秩序が大きく変化し続ける中で、尹錫悦韓国大統領が来日するなど、日韓関係にも変化が見られます。長年メディアで取り上げられるのは、「慰安婦」「徴用」などネガティブなキーワードばかりでした。その原因の多くは日韓併合(1910~1945年)に遡ります。日韓併合をどう認識するかが大きなポイントとなります。併合から110年経ち、当時を証言できる人達もほとんどいなくなりました。
事実を知るには併合当時を記録した文献を確認することが基本となります。
数少ない記録の中に、1926年にニューヨークから出版された『THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)』があります。著者はイギリス人の植民地研究家で、新聞王・ピューリッツァーの秘書でもあったアレン・アイルランド(1871-1951年)です。97年前、イギリス人の著名な学者は日韓併合時代の韓国で何を見たのか―。日韓の真の友好を考える上で、重要な文献として再注目されています。

貴重文献の再発見

日本と韓国が併合されて16年後の1926年、ニューヨークの出版社から一冊の本が出版されました。黄色いハードカバーにタイトルは『THE NEW KOREA』。
『THE NEW KOREA』の内容は、日韓併合によって韓国の政治、経済、教育、医療、産業などの分野がいかに変化したかということを比較・分析したものです。1926年にニューヨークから出版されましたが、長くその存在は歴史に埋もれていました。

併合当時の韓国を、当時著名であった英国人の学者が、可能な限り客観的な立場で、当時の日本、韓国、ロシア、中国との関係や他国の植民地との比較、地政学を駆使して、日韓併合を多角的に分析しています。書籍が出版された1926年は併合から16年経過しており、韓国全土で併合の影響がより明確になっている時代でした。筆者は併合前後を比べるデータを集めるだけではなく、日本人、韓国人、外国人と併合について話を聞いたと書いています。『THE NEW KOREA』は、アジア・アフリカなどに関する詳細なレポートを10冊も出版したアレン・アイルランドの最後の書籍であり、集大成でした。

冷静に当時の文献を検証ー日韓双方にとって重要

1910年の日韓併合について両国の専門家や一般市民は様々な意見を持ち、論議がされてきました。日韓問題の根本に日韓併合があるのは間違いないことです。日韓併合から110年経過したわけですが、当時を知る人はほとんどいないというのが現実です。実際、タイムマシーンに乗って、当時の韓国や日本を見たいと思うことがあります。彼らはどんな生活をしているのでしょうか。そして、日本人と韓国人はどう関わっているのか。日韓併合前と後で何が変わり、何は変わらなかったのか。知りたいことは山とあります。残念ながら実際に当時を見ることは不可能ですから、当時を知る人の証言、文献が一つのヒントとなると思います。日韓問題について感情的な議論が多くなってしまうのは仕方がないことだとは思いますが、冷静に当時を知る人の記録を読むことは日韓双方にとって重要なことです。この書籍は日韓問題を語る上で必読であり、他では語られていない貴重な情報が満載されています。多くの論客が、著書の中で、参考文献として引用しています。

学者アレン・アイルランドの中立な視点

『THE NEW KOREA』より、<はじめに>を紹介しましょう。アイルランド氏の見解がまとめられています。

はじめに
私は約20年程前に極東の植民地経営について3冊の本を出版した。それらの内容は、イギリスによるビルマ、マラヤ連邦(現在のマレーシアの一部)、海峡植民地、サラワク(現在のマレーシアの一部)、北ボルネオ会社(北ボルネオ統治の為に設立されたイギリスの法人)、香港の支配、そして、アメリカによるフィリピン支配、オランダによるジャワ支配、フランスによるインドシナ支配に関するものである。
私は、日本による台湾(フォルモサは欧州における呼称)支配も考慮に入れようと思っていたが、2年に及ぶ西洋への旅を終えて東洋へ戻った時には、日露戦争が始まっており、台湾の訪問など考えられなかった。1922年に、その年の大半を極東で過ごす機会が訪れた時、私は、日本による朝鮮統治について執筆する方が、台湾に関する同種の研究よりも、政治に関する研究として、より興味深い貢献が出来るだろうと考えた。
台湾は、文明化された民族が、発展途上の非常に低いステージにいた民族を統治した多くのケースの中の単なる一例に過ぎない。一方、朝鮮では、ある文明化された民族がもう1つの文明化された民族を統治したという稀な光景を見せてくれる。1910年に日本が大韓帝国を併合した当時、半島の人々の生活実態が極めて悲惨だったというのは真実である。
しかしながら、それは、朝鮮民族の元々の知性や能力が欠落していたからではなく、過去500年にわたってほぼ絶え間なく朝鮮王朝を特徴づけてきた愚かさと腐敗によるものであり、その間に存在した王朝の残虐な行為と汚職にまみれた体制が朝鮮全域で蔓延っていたせいであった。
一般大衆は誰もが、努力してもその結果を享受することを許されなかった。そのため、産業や倹約、社会進歩などに対する意欲は悉く破壊された。こうした悪政によって朝鮮人は何世代にもわたって苦しみ続けたのである。
本書の題名("The New Korea")は内容を読み解く鍵となっている。私は日本による朝鮮統治の目的、方法、そして結果についてある程度詳しく紹介しようと試みた。また、朝鮮人が自らを統治する権利や、日本人が朝鮮を統治する権利については僅かを述べるに留めた。それは他の著者によって、朝鮮民族主義者と日本帝国主義者の両方の視点から既に徹底的に論じられており、こうした意見は、どのみち、判断する者の個人的な気質に左右されるものだからだ。
朝鮮に関する著述は既に山のように存在し、その多くは非常に興味深く重要な内容である。しかしながら、その殆どは次の2つのうちのどちらかに該当する。即ち、国や人々について描写したものと、何らかの目的のために選ばれた資料に基く日本の朝鮮統治に関する攻撃または賞賛といった論争とである。
英語を読む一般大衆にとって、統計に基づいて日本による朝鮮支配の全段階を網羅した情報で、唯一現在入手可能な(英文で書かれた)ものは、總督府から編纂出版されている"Annual Report on Reforms and Progress in Chosen"(『朝鮮總督府施政年報』)である。これらの報告は非常に多くの価値ある論評と、多大な統計データを含んではいるが、過去10年間の報告書を注意深く熟読した結果、私が思い描いていたような著作は、こうした資料からだけでは書けないと思うに到った。この報告に登場することの大半は、各部局が様々な問題について詳細をまとめたレポートの要約である。本書に収められた内容のデータや論評の大部分も、従来は英語では読めなかった公的な資料の翻訳からまとめられている。
本書で私が日本の朝鮮統治について私自身の意見を表明している部分は、私自身が朝鮮で見たことや、公的・私的両方の出版物で読んだこと、そして、私が訪れた際に半島に住んでいた、様々な人々―日本人、朝鮮人、外国人―との議論などから導き出されたものである。

アレン・アイルランド (1926年)

米国ニューヨークで出版、各方面から大絶賛

出版された1926年当時、多くのメディアから、称賛されています。

アイルランドの著作について
政治(行政)分野で現存する最高位の権威の一人である
アイルランド氏は植民地統治の作品で特によく知られる。
 「同分野の英語による書籍で、その途方もなく豊かな
構成と内容に匹敵するものはない」
―スプリングフィールド・リパブリカン紙
Books by Alleyne Ireland
Mr.Ireland, one of the foremost living author-
ities on government,is particularly well known
for his works on Colonial Administration.
“Nothing in the English language in the
same field can compare with them for monu-
mental fullness of design and execution.”
-The Springfield Republican.

"Democracy and the Human Equation"
(民主主義と人類の平衡化)
アイルランド氏は現代文明が必要とするものに応じられる
政府を作ることの難しさを真剣に考察している。
 「この本のように、誠実にそして正直に考え抜いた本
 というのは、今日の重大な諸問題 を考える者たち皆に
 とって価値のあるものだ」
―ボストン・ポスト紙
Democracy and the Human Equation
Mr. Ireland earnestly considers the problem of
making Government responsive to the needs of
modern civilization.
“Every book like this which is sincere and
honestly thought out is of value to all who
are thinking at all upon the great problems
of today.”-The Boston Post.

An Adventure with a Genius"
Recollections of Joseph Pulitzer.
(天才との冒険-ジョーゼフ・ピューリツァーの回想)
 「人間が創造しえる最も写実的な描写の一つ」
― ボストン・イブニング・トランスクリプト紙
An Adventure with a Genius
Recollections of Joseph Pulitzer.
“One of the most graphic portraits of a man
that could be created.”
-The Boston Evening Transcript.

「この本は読者を万力のように捕え、幻のように付きまとう」
― ライフ誌
“The book holds its readers like a vise and
haunts them like a vision. ”-Life.

出版後87年、やっと眠りから目覚めた

『THE NEW KOREA』は、1926年にニューヨークで出版された後、韓国で出版されましたが、日本では長年その存在が知られていませんでした。出版後87年経った2013年、日英完全対訳本『THE NEW KOREA―朝鮮(コリア)が劇的に豊かになった時代(とき) 』が出版されました。

<帯の言葉より>
日韓併合前の朝鮮では日本と全く異なり、女性は奴隷同然で何の権利も与えられてい
なかった。結婚すれば家屋内奴隷として扱われ、それは余りに過酷だった。それ以下だったのは奴婢・白丁などと言われた本物の奴隷たちである。
1871~2年の大飢饉では、人口の半分を占めた奴婢らの多くが餓死したが、朝鮮を支配していた両班たちは、清にも日本にも食料支援を求めず、奴婢たちが死に行くのを全く歯牙にもかけなかった。日本には存在しなかったこの様な非人道的制度を一気に改善し、想像を絶した朝鮮の近代化を行なったのが、日韓併合の歴史的事実である。その真の姿は、首都京城(ソウル)を東京並に近代化させてしまった日本人の器の大きさで証明されている。他の一切の西欧列強が成し得なかった信じ難いこの偉業を日本人は誇るべきであり、当時、朝鮮人の大半が感謝していたことであった。しかし、全権力を奪われた両班たちは、第二次世界大戦後この事実を覆い隠し、虚偽の歴史を捏造し、再び権力の座に就いて言論弾圧と私刑とによって真実の声を封殺し、現在の韓国に至っている。蒙古襲来時に蒙古の手先になって日本人を虐殺したように、今度はロシアの手先になって、日本を侵略することが目に見えていた当時の朝鮮に対して取った大日本帝国の日韓併合政策は、結果として韓国に決定的な文明の開化を齎したのである。この客観的事実を、当時の著名な植民地研究家のアレン・アイルランドが克明に分析し、日本の統治を西欧列強のいかなる政策よりも優れているとして高い評価を与えていることは、刮目に値する。

真の日韓友好を願って

日本で2013年秋に『THE NEW KOREA―朝鮮(コリア)が劇的に豊かになった時代(とき) 』が出版され、10年が過ぎようとしています。第一級の重要資料本で、編集部に「すべての国民に読んで欲しい」「すべての図書館に常設して欲しい」などの読者の声が届いています。さらに多くの皆さんの元に届き、本書が、その懸け橋となることを願ってやみません。

出版社 : 桜の花出版 (2013/8/26)
発売日 : 2013/8/26
言語 : 日本語
単行本 : 695ページ
ISBN-10 : 4434181815
ISBN-13 : 978-4434181818
価格 : 3,080円

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