ロシア産天然ガス、輸出市場を多様化―欧州市場での需要減をにらみ、アジア市場を重視
株式会社グローバル インフォメーションは、GlobalDataが発行した報告書「Russia Diversifies Gas Export Markets - Increasing Focus on Asia to Offset Potential Decline in Supply to Europe (天然ガス輸出市場の多角化を進めるロシア-欧州市場への供給量減少を見越してアジア市場への注力を強化)」の販売を開始しました。
ロシア産天然ガスの輸出先、93%は欧州
欧州は、必要とする天然ガスをロシアに依存しています。そして同様に、ロシアは欧州への輸出に依存しています。2011年のロシアの天然ガスおよび液化天然ガス(LNG)の輸出量は、約2,180億9,000万立法メートルでした。このうち約2,037億立法メートルの天然ガスが欧州向けに輸出されており(パイプラインを通して輸送)、約143億9,000万立法メートルのLNGが、アジア向けに輸出されました。ロシアが欧州向けの天然ガス輸出に大きく依存していることは明らかです(BP、 2012年)。
グラフは、2011年におけるロシア産天然ガス(天然ガスおよびLNG)の輸出先の割合を示したものです。
石油価格に連動するロシアのガス価格につ対し、抵抗を強める欧州各国
欧州企業はここ数年、ロシア産天然ガスの価格が石油価格に連動し、高値に設定されていることに強く抵抗してきました。スポット市場ではガス価格が大幅に低下していることから、欧州企業はロシアから輸入するよりも、スポット市場で調達する方が妥当だと判断するようになっています。こうしたことから、欧州の電力会社の中にはロシアのGazpromと価格の設定について交渉を行っているものもあります。
2011年後半から2012年初めにかけて、Gazpromは価格交渉に同意、フランスのGDF Suez、ドイツのWintershall Holding GmbHとWingas、スロバキアのSlovensky Plynarensky Priemysel AS(SPP)、イタリアのSinergie Italiane、オーストリアのEcongasと新たな供給契約を締結しました。
こうした価格交渉のほか、欧州企業は中東やアフリカからのLNG輸入量を増やしています。下図は、2009~2011年における欧州のガス輸入量に占めるLNGの割合の増加を示しています。
市場調査レポート: 天然ガス輸出市場の多角化を進めるロシア-欧州市場への供給量減少を見越してアジア市場への注力を強化
Russia Diversifies Gas Export Markets - Increasing Focus on Asia to Offset Potential Decline in Supply to Europe
http://www.gii.co.jp/report/gd249005-russia-diversifies-gas-export-markets-increasing.html
出版日: 2012年08月
発行: GlobalData
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