ホッカイトウキ根抽出物の コラーゲン産生・コラーゲン線維形成促進作用を明らかに

2017-08-08 11:30

ノエビアグループは、ホッカイトウキ根抽出物が真皮細胞外マトリックスの主要なタンパク質であるコラーゲンの産生を高めるだけでなく、コラーゲンの3本鎖らせん構造をつくる分子や、線維径に関連する分子を増加させるなど、多段階に作用することでコラーゲン線維の形成を促進することを明らかにしました。今後は有用成分を明らかにするとともに臨床的検討を進め、機能性の高い化粧品の開発に応用する予定です。

なお、この研究成果を2017年8月26日~27日に福岡で開催される第34回和漢医薬学会にて発表いたします。

ホッカイトウキ

研究の背景

ノエビアグループは2015年より自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」の有機JAS※1圃場(ほじょう)において、土壌肥沃度指標(SOFIX)※2を用いたオーガニック栽培により薬用植物を栽培し、その有用性と成分の研究を進めてまいりました。セリ科シシウド属の多年草であるホッカイトウキ(Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino)は古くから婦人薬として広く利用されています。美容に対する効果と機序を明らかにするため、自社農場にて栽培し収穫したホッカイトウキ根の抽出物が皮膚細胞へ及ぼす影響について研究を行いました。

※1 有機JAS:有機食品の日本農林規格

※2 SOFIX:土壌肥沃度指標(Soil Fertile Index)。有機栽培をはじめとする物質循環型農業に望ましい土壌成分の量とバランスを数値化する診断指標

研究の方法

正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)にホッカイトウキ根抽出物を毒性のない濃度で添加し、細胞外マトリックス関連因子の発現変化を解析しました。

研究の成果

  1. ホッカイトウキ根抽出物の添加により真皮を構成するI型コラーゲンやIII型コラーゲン、真皮と表皮を隔てる基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンの有意な増加が認められました<図1>。
  1. コラーゲンの3本鎖らせん構造をつくるヒートショックプロテイン47や、コラーゲン線維経の制御に関わるデコリンの有意な増加が認められました<図2>。
図1
図2
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