基礎理学科・東野文子助教が南極観測隊に参加  「地殻変動で水がどんな役割果たしたか解明したい」

2019-06-25 12:00

岡山理科大学(岡山市北区理大町)理学部基礎理学科の東野文子助教が、2019年11月に日本を出発する第61次南極地域観測隊に参加することになりました。6月21日、政府の南極地域観測統合推進本部が決めたもので、「地殻変動で水がどんな役割を果たしたか解明したい」と意欲を見せています。

研究テーマは「東南極の大陸地殻の発達過程と地殻流体に関する総合的研究」=研究代表者・土屋範芳東北大教授。京都や九州、東北大学の研究者とともに11月~2020年1月、調査に参加します。調査地点は昭和基地の西約680kmにあるセール・ロンダーネ山地で、東西ゴンドワナ大陸が衝突した約6億~5億年前の下部地殻が、地表に現れている場所です。

大阪府出身。2016年に京都大学で博士号(理学)を取得し、日本学術振興会特別研究員として東北大学大学院環境科学研究科やスイス・ベルン大学で、地殻深部に存在する流体について研究。専門は岩石学で、岡山理科大学には2019年4月に着任したばかりです。本プロジェクトに参画したのは、京都大学大学院在学時であり、既に7年が経過し、観測がやっと実現するところまで来ました。

東野助教によれば「実際に液体の水を含んだまま見つかる岩石は少なく、化学組成から水の痕跡が見つかるケースが多い」と言います。その痕跡は、岩石をスライスして厚さ30ミクロンにまで削り、電子顕微鏡で分析することで分かるそうです。フィールドワークは南極大陸でかつてのゴンドワナ超大陸、ラボワークは電子顕微鏡による原子レベルの世界。様々なスケールに及ぶ基礎理学科らしい研究です。

「高温下で水が存在すると岩石は溶けやすくなり、物性も変化します。地殻変動で大陸が衝突した時、水がどのように動いて、どんな役割を果たしたのか、南極の調査ではそのプロセスを解明したい」と東野助教。既に北アルプスなどで野外訓練を重ねており、救急救命訓練、食料・調査物資の調達など出発準備に追われる毎日。「まずは安全に調査して帰って来ることが第一です」と話しています。

【岡山理科大学について】
http://www.ous.ac.jp/
1964年、西日本初の理学部単科大学として応用数学科、化学科の2学科で開学。 2018年には愛媛県今治市に第2キャンパスを設け、西日本の私学で初の獣医学部を開設。7学部21学科1コースとなりました。「好奇心全開、探究心無限大」をキャッチフレーズに多彩な研究に取り組んでいます。

【本リリースに関するお問い合わせ先】
岡山理科大学 入試広報部
TEL:086-256-8412(内線1226)

クレバス脱出訓練に取り組む東野助教
南極観測隊への参加が決まった東野助教
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