エコやオーガニック、フェアトレードなど 人や地球にやさしい商品の市場規模は1兆円超
40代以上の女性・特にママ層が消費をけん引
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(略称:APSP、所在地:東京都中央区、会長:江口 泰広)は、株式会社SoooooS.カンパニー(所在地:東京都中央区、代表取締役:木村 有香)と合同で、2012年から定期的に継続し、今回で9回目となる生活者の社会的意識や行動を探るためのアンケート調査を2020年7月に行いました。
調査結果のポイント
・ソーシャルプロダクツ(人や地球にやさしい商品)の購入率は35%、将来的な購入意向率は50.2%。その推定市場規模は、1兆円を超える<詳細:調査結果(1)>
・ソーシャルプロダクツの消費は、40代以上の女性・特にママ層がけん引<詳細:調査結果(2)>
・コロナ禍で、エコ商品を中心にソーシャルプロダクツの市場が成長<詳細:調査結果(3)>
・企業の社会的取り組みやその成果の公開は、約70%以上の生活者が評価<詳細:調査結果(4)>
ソーシャルプロダクツとは
社会的課題の解決につながる商品・サービスを指します。東京オリンピック・パラリンピックの食材・資材調達基準などでも話題になっているフェアトレードやオーガニック、エコ(環境配慮)といった、人や地球、地域社会に配慮があり、SDGs(持続可能な開発目標)の達成につながる商品・サービスの総称です。
※1 ソーシャルプロダクツの定義: http://www.apsp.or.jp/socialproducts/
調査の概要
調査名 : 第9回「生活者の社会的意識・行動」に関する調査
調査対象: 全国の10~60代の男女50人ずつ(計600人)
調査期間: 2020年7月7日~7月9日
調査方法: インターネット調査
調査会社: 株式会社アスマーク
調査結果
(1) ソーシャルプロダクツの購入率は35%、将来的な購入意向率は50.2%。その推定市場規模は、1兆円を超える
現在、何らかのソーシャルプロダクツ(フェアトレード商品・オーガニック商品・エコ商品・寄付つき商品・地域や伝統に根ざした商品・障害者支援商品・復興支援商品)を購入している生活者は35%でした。また、50.2%の生活者が、将来的にソーシャルプロダクツを購入していきたいと回答しています。さらに、ソーシャルプロダクツ購入者の月あたり購入金額の割合※2をもとに、その市場規模を母集団※3推定したところ、1兆268億8,743万9,708円という結果が得られました。将来的にソーシャルプロダクツを購入していきたいと回答している生活者は50.2%いることから、この市場規模は今後さらに伸長することが期待されます。
※2 月あたり購入金額が3,000円以下と回答した人の割合は72.3%、5,000円程度は21%、10,000円程度は5.2%、20,000円程度は1%、40,000円以上は0.5%でした。
※3 国内世帯数を母集団としました(総務省 2020年1月1日「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)。
(2) ソーシャルプロダクツの消費は、40代以上の女性・特にママ層がけん引
現在、何らかのソーシャルプロダクツを購入している生活者を分析したところ、40代以上の女性・特にママ層が購入者像として浮かび上がりました。
■性別・年代:
男性より女性の購入者が多く(60.5%)、とくに女性の40代(11%)・50代(14.8%)・60代(15.7%)が購入者全体の41.4%を占めます。
■婚姻状況と子どもの有無:
婚姻状況(未婚、既婚、離・死別)ごとに購入率を比較すると、既婚の生活者が42.8%と相対的に高いことが分かります。また、子供の有無に関しては、子どもがいる生活者の購入率(45%)の方が、子どものいない生活者の購入率(28.2%)より、16.8ポイント高くなっています。
これらの結果から、ソーシャルプロダクツの購入者の特徴として、「40代以上の女性・特にママ層」が浮かび上がりました。
(3) コロナ禍で、エコ商品を中心にソーシャルプロダクツの市場が成長
コロナ禍におけるソーシャルプロダクツの市場成長率を探るため、2019年夏に実施した調査※4と本調査とで、フェアトレード商品・オーガニック商品・エコ商品・寄付つき商品・地域や伝統に根ざした商品の購入率を比較しました。その結果、エコ商品の購入率が7.9ポイント上昇、フェアトレード商品が0.2ポイント上昇、オーガニック商品が2.2ポイント上昇、寄付つき商品が2.9ポイント上昇、地域や伝統に根ざした商品が0.2ポイント下降していました。上記から、コロナ禍ではエコ商品の市場が大きく伸長し、他のソーシャルプロダクツは横ばいか微増の傾向であることが示されました。エコ商品の伸長の背景には、自宅で過ごす時間が長くなったことでゴミの削減やエネルギーの節約に関心が向いたことや、レジ袋の有料化を背景に海洋プラスチック汚染に注目が集まったことなどが、考えられます。
※4 「第7回『生活者の社会的意識・行動に関する調査』結果を発表 SDGsを達成する商品の購入者は、社会的取り組みに対する参加意欲が高い」( https://www.atpress.ne.jp/news/204171 )
(4) 企業の社会的取り組みやその成果の公開は、約70%以上の生活者が評価
企業の社会的取り組みの活動内容を示した設問1~8では、「とても評価する」「やや評価する」という回答が、どれも70%を超えています。その中でも、1.「再生可能エネルギーを活用、自然資源の保護」:78.8%、5.「被災地の復興を支援」:78.2%、3.「商品の廃棄・ロスを削減」:77%が、上位となりました。
また、社会的取り組みによる成果の公開方法についての設問9~10では、「とても評価する」「やや評価する」という回答が、9.「客観的なデータ(数値やグラフなど)を用いて公開」:71.3%、10.「被支援者の声や被支援地域の写真などを用いて公開」:69.3%という結果が得られました。
企業の社会的取り組みは、その活動内容や成果の公開方法に関わらず、多くの生活者から評価を得られることが分かりました。
また当協会が昨年行った調査※4では、ソーシャルプロダクツの特徴である「人や地球、地域社会に対する配慮」は、商品カテゴリー(「最寄り品」「買回り品」「専門品」)を問わず、何らかの形でその商品の購入や推奨を喚起することも明らかになっています。
※4 「第7回『生活者の社会的意識・行動に関する調査』結果を発表 SDGsを達成する商品の購入者は、社会的取り組みに対する参加意欲が高い」( https://www.atpress.ne.jp/news/204171 )
今回の調査から、人や地球にやさしい商品・サービス(ソーシャルプロダクツ)の推定市場規模は1兆円を超え、今後も成長が期待できることや、それらの消費は40代以上の女性・特にママ層がけん引していることが明らかになりました。また、企業の社会的取り組みは、その活動内容や成果の公開方法を問わず、多くの生活者から評価されることも分かりました。
以上をふまえると、結婚や出産、子育てや家事などの家族に関連するライフイベント・スタイルに絡めて、ソーシャルプロダクツや社会的取り組みを積極的に展開・公開していくことで、企業は持続可能な成長を遂げられる可能性が示唆されました。
本調査に関するご質問、専門家による詳しい分析結果、全体のローデータなどにご興味・関心がある方は弊協会へご連絡ください。
■参考:過去の「生活者の社会的意識・行動に関する調査」結果は、下記URLをご参照ください。
2012年: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000004647.html
2013年: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000004647.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000004647.html
2014年: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000004647.html
2015年: https://www.atpress.ne.jp/news/63217
2016年: https://www.atpress.ne.jp/news/100738
2017年: https://www.atpress.ne.jp/news/128586
2019年: https://www.atpress.ne.jp/news/204171
2020年: https://www.atpress.ne.jp/news/214498
ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)とは
ソーシャルプロダクツの普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織。
協会概要
名称 : 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)
設立 : 2012年7月
所在地: 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル3F
会長 : 江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)
URL : http://www.apsp.or.jp