<シャンプー・リンスに関する意識調査> やはり“髪は命”? 女性はヘアケア、男性は育毛効果をシャンプーに期待 ~女性はテレビCM・広告よりもサンプル(試供品)や口コミを重視~
国内1,200社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上 正勝)は、日用品にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第72号として、シャンプー・リンスに関する意識調査の結果をご紹介します。
男性の半数が洗髪には「シャンプーのみ」
表1「ふだん洗髪には何を使用していますか」についての回答
調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ
『DIMSDRIVE』実施のアンケート「シャンプー・リンス」。
期間 :2017年9月8日~9月22日、DIMSDRIVEモニター3,700人が回答。
表2~表6、エピソードも同アンケートです。
10月20日は「頭髪の日」。くせ毛や薄毛など、髪の悩みは人それぞれですが、最近は髪質・髪の悩みに応じたシャンプーやヘアケア商品の種類が豊富です。今回はシャンプー・リンスについてアンケートを行い、洗髪の頻度やシャンプー・リンスに求める効能などについてまとめました。
はじめに、ふだん洗髪に何を使用しているかを聞きました(表1)。やはり1位は「シャンプー」87.2%で、9割近くと圧倒的。次いで、2位「リンス(コンディショナー含む)」46.7%、3位「トリートメント」18.7%と、2位以下では半数を切りました。
男女差に注目すると、上位3項目ともに女性の数値が大きく上回っています。特に「リンス(コンディショナー含む)」では男女差が43.0ポイントも。反対に、4位以下の項目では男性の数値が女性を上回り、「リンス イン シャンプー」「せっけん(固形)」を使っている割合が男性では10%以上。「シャンプーのみ使用」という人も48.7%と半数に迫り、女性との差は38.9ポイントありました。男性の洗髪は女性に比べて“シンプル”と言えそうです。
20代男性の1割以上が1日2回洗髪
表2「洗髪する頻度はどのくらいですか」 についての回答
次に、洗髪の頻度を季節別に聞きました(表2)。四季を通じて最も多かったのは「毎日(1日1回)」で、いずれの季節でも60%以上となりました。特に「夏」は、「毎日(1日1回)」が71.3%、「1日2回以上」という人も5.1%と最高値でした。
性年代別に見ると、男女ともに60代以上では「毎日(1日1回)」が低くなる傾向が見られます。一方で、年代とともに、「1日おき」「週に2~3回」「週に1回」が上昇。女性の70代以上では、「週に2~3回」が最も高く、41.2%。男性の70代以上では、「週1回」も15.0%。加齢とともに、代謝や活動性が下がり、洗髪がおっくうになる人も多いと考えられます。
一方で、男性の20代では「1日2回以上」が12.9%と1割超。すべての性年代の中で断トツに高く、20代女性の7.3%に比べても高い結果でした。清潔意識の強いイメージのある若い女性よりも、男性のほうが高いのは意外な気もします。とはいえ、洗髪に何を使うかを聞いたはじめの調査からもわかるように、男性の洗髪は女性に比べてシンプル。女性はロングヘアの人も多く、洗髪により手間がかかります。頻度よりも、一回ごとに丁寧に洗うことを重視しているのかもしれません。
家族それぞれに“マイシャンプー”はあたりまえ?
表3「シャンプーの銘柄について、家族の間で使い分けしていますか」 についての回答
表4「シャンプー・リンス(コンディショナー含む)の銘柄について、購入のしかたはどれが多いですか」についての回答
シャンプー・リンスの銘柄について、家族間で同じものを使っているか、それとも別のものを使っているかを尋ねました(表3)。「家族みな同じものを使っている」が38.5%、「家族それぞれが別のものを使っている」が僅差の37.4%で並びました。かつては、どこの家庭でもシャンプー・リンスは浴室に1種類。家族で同じものを使うのが一般的でしたが、今はそれぞれが“マイシャンプー”を使っている家庭が珍しくないようです。
さらに、購入するシャンプー・リンスの銘柄について聞きました(表4)。すると、「いつも決まった銘柄を購入する」が49.6%、「いろいろな銘柄を試している」が25.1%。約半数の人が、使うシャンプーの銘柄を決めていることがわかります。男女別に見ると、男女ともに「いつも決まった銘柄を購入する」が50%前後を占め大きな差は見られません。しかし、女性では「いろいろな銘柄を試している」も33.9%と、3人に1人が回答していました。性年代別に見ると、「いろいろな銘柄を試している」は女性の20代で40.0%と、すべての性年代で最高値。年代の上昇につれて減少するものの、いずれの年代でも、同年代の男性より女性のほうが高くなっていました。年齢にかかわらず、女性はあれこれと違う銘柄を試してみたいもののようです。
「わからない・自分では購入しない」に注目すると、女性2.1%に対し、男性では13.6%と1割以上。男性は母親や妻など、家族まかせにしている人もいることがうかがえます。それでも男性の8割以上、女性では100%近くが、自分で銘柄を選び購入していることになります。好みはもちろん、髪質には微妙な個人差があり、自分で銘柄を決めている人が多いのかもしれません。
女性が銘柄を変えるとき、テレビCMよりも重視するのは?
表5「シャンプー・リンスについて、今までとは違う銘柄を買ってみるきっかけがあれば、教えてください」 についての回答
表4の調査の結果から、シャンプー・リンスを購入する際、特に女性では3人に1人がいろいろな銘柄を試していることがわかりました。そこで今度は、いつもと違う銘柄のものを買ってみるきっかけは何かを聞いてみました。
1位は「価格が安かったから」33.3%、2位「サンプル(試供品)を使って気に入ったら」21.6%、3位「新製品があれば」19.7%という順でした。日頃、テレビCMなどで製品を知る人も多いと思いますが、「テレビCMや広告を見て興味を持ったら」は12.6%で、5位にとどまりました。
男女別に見ると、「特にない(違う銘柄は購入しない)」以外のすべての項目で、女性の数値が男性を上回りました。中でも特に男女差が大きかったのが、「サンプル(試供品)を使って気に入ったら」で、女性では32.1%と、3人に1人近くが回答。一方で「テレビCMや広告を見て興味を持ったら」は、女性では16.0%と、「サンプル(試供品)を使って気に入ったら」の半数にすぎません。「口コミをみてよさそうだったら」も男女差が大きく、女性では「テレビCMや広告を見て興味を持ったら」を僅差で上回っていました。女性の場合、テレビCMや広告よりも、サンプルを試した実感や使用経験者の口コミのほうが購入のきっかけになっていることがわかります。
シャンプーに求める効能…女性では9位なのに男性で3位なのは?
表6「シャンプー・リンスを購入する際に、求める機能・効能を教えてください」 についての回答
シャンプー・リンスを購入する際に、求める機能や効能は何かを尋ねました(表6)。すると、1位「仕上がり感(サラサラ、しっとりなど)」50.3%、2位「汚れの落ちやすさ」33.7%、3位「泡立ち」26.0%という順でした。
しかし男女別に見ると、男性と女性とでは数値にかなり違いがあり、順位も入れ替わっていました。
男女差に注目すると、全体で1位の「仕上がり感」では女性の数値が70.0%と高く、男性との差は33.1ポイントも。「指どおりのよさ」「ダメージヘアへの効果」でも女性の数値が男性を大きく上回り、20ポイント前後の差がありました。
一方、男性の数値が女性を大きく上回っていたのが「フケ・カユミを防ぐ」。男女別順位を見ると、「フケ・カユミを防ぐ」は女性では9位ですが、男性では3位。また「育毛・養毛」も、女性では10位内に入っていませんが、男性では8位にランクインしています。女性が重視しているのは「仕上がり感」「ダメージヘアへの効果」など、毛髪のケアや仕上がり具合。これに対して、男性は頭皮のケアや薄毛対策への効果を期待していると言えそうです。
人気1位は、あのロングセラー
表7「シャンプー売り上げランキングトップ20」
データ提供:True Data
「True Data」は、全国のドラッグストア、スーパーマーケットなどの消費者購買情報を統計化した標準データベース。全国延べ5,000万人規模の購買情報から構成され、性別、年代情報をカバーしています。
期間:2017年6月26日~2017年9月17日 ※2017年9月26日時点のデータで算出。
実際にどんなシャンプーが売れているのか、売り上げランキングを調べました(表7)。20位までのアイテムを見ると、70年代や80年代から続くロングセラーブランドの支持が高いことがわかります。1位のロングセラー商品は、フケ・カユミ防止、ノンシリコン、弱酸性で地肌にやさしいなど、男性と女性の求める要素をカバー。同じ商品の2個組が9位に、同じブランドのリンスインシャンプーも3位と16位に入っていました。そのほかに、ダメージ補修ケアをうたったもの、「しっとりツヤ髪」「モイスト」「リッチシャイン」など、仕上がり具合がキーワードになったものが多数ランクイン。また、15位には育毛剤の浸透を助ける効果をうたったアイテム、18位にはエイジングケアに対応したアイテムが入っています。
20位までのアイテムはすべて詰替え用。表4の調査結果で、「いつも決まった銘柄を購入する」人が約半数を占めていましたが、詰替え用が売れていることからも、同じ銘柄を使い続けている人が多いことがわかります。
平均売価を見るとほとんどが500円以下のお手頃価格のもの。その中で、10位と13位に1000円超の商品が入っていることに注目。植物由来成分にこだわったアイテムです。シャンプー・リンスに求める効能を聞いた表6の調査結果でも「肌にやさしい・無添加」が4位でしたが、少し高くても安心できる品質のものへの関心が高まっていることがうかがえます。
ベーシックなケアから“湯シャン”や酢リンスまで…シャンプーのこだわり
《髪のために気をつけていること》
シャンプー前後に、しっかりと
● シャンプーする前にしっかりお湯で洗う。(男性・30代)
● シャンプーする前にほこりをとるため、ブラッシングをする。(女性・40代)
● シャンプー剤が地肌に残らないように、しっかり洗い流すことを心がけています。(女性・30代)
● お風呂上がりには、すぐにタオルドライして、しっかりとドライヤーで乾かしてから就寝する。(女性・40代)
地肌をマッサージ
● シャンプーの際、指の腹で毎回頭皮マッサージ。コレが大事。(男性・30代)
● シャンプーは地肌を念入りに洗い、リンスは毛先を重点につける。(女性・50代)
● 毛根マッサージで新しい細い毛が生えてくるからまだ若い証拠だと思っている。(男性・70代以上)
自然派! せっけんやお酢リンスを愛用
● オリーブオイルと月桂樹オイルのみでできた固形せっけんを使用。髪サラサラでフケも出ない。(男性・40代)
● 抜け毛が多いのでせっけんで洗うようにしたら、不思議なことに抜け毛が少なくなった。(男性・60代)
● 加齢臭防止のため食塩、お湯で洗髪。効果あり。(男性・70代以上)
● お湯のみで洗うようになってから5年ぐらい経つ。近年髪の量が多いと言われるようになった。(女性・50代)
● 手作りせっけんとお酢リンスで洗髪するようにしたら、髪がしっとりしだした。(女性・50代)
髪の悩みとシャンプー選び
● 髪が寂しくなるにつれてシャンプー・リンスは豪華になっていきます。何か空しい気がします。(男性・50代)
● 石油系のものからアミノ酸系の薬用シャンプーに変えたら頭皮のかゆみもフケも止まった。(男性・60代)
● くせ毛なので、シャンプーなんてどれも同じと思っていたけれど、大人になってちゃんと選んで買ったら、以前より自分の髪が好きになった。(女性・40代)
● 自分用には白髪にならないシャンプー、配偶者用には髪が増えるものがあったらうれしいです。(女性・50代)
私のこだわり
● 子育てで忙しいが、週に一度はトリートメントをするようにしている。(女性・30代)
● ふだんはダメージケア重視のアイテムを使用し、週末だけ頭皮ケアまでしっかりとしています。(女性・30代)
● 週に一日、シャンプーを使わず、お湯だけで洗髪し、髪に休日を与えている。(女性・40代)
● 寝ぐせを避けるため、お昼にシャンプー。香りも続くと、午後からも気分が華やぎます。(女性・40代)
洗髪で気をつけていることを自由回答で聞きました。シャンプー前に「しっかりお湯で洗う」、シャンプー剤を「しっかり洗い流す」「毎回頭皮マッサージ」など、基本的なことを心がけている人が多いことがわかります。お湯で洗う“湯シャン”やお酢リンスなど、シャンプー剤を使わない洗髪法を実践し、効果を感じている人もいるようです。ふだんは忙しくてできなくても、週に一度や週末だけは丁寧にお手入れをするという声も。時間に余裕があれば「お昼にシャンプー」も気分転換になりそうです。
「シャンプーなんてどれも同じ」と思わずに、自分の髪質に合ったシャンプーを選べば、髪の悩みが解決するかもしれません。
株式会社プラネットとは
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
URL: https://www.planet-van.co.jp/
Fromプラネットとは
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