堺市立東百舌鳥中学校 60期生が修学旅行で記憶に残る平和への取り組みとして「キッズゲルニカ」に挑戦

堺市立東百舌鳥中学校60期生は、2025年5月に行う修学旅行にむけて、平和学習の一環として「記憶に残る平和への取り組み」を企画しました。生徒たちが平和について考え、主体的に取り組める活動を検討した結果、平和をテーマにした下絵を描き、その上から沖縄戦で犠牲となった一般市民の数「94,000人」にちなみ、94,000枚のシールを貼ってモザイクアートを完成させることになりました。
さらに、同様の平和活動事例を調べていくなかで、「キッズゲルニカ」の取り組みを知り、今回の作品をキッズゲルニカプロジェクトの一環として発表することが決まりました。
この活動を通じて、「自分たち自身の記憶に残る平和学習」を目指します。
【キッズゲルニカとは】
キッズゲルニカはピカソの『ゲルニカ』と同じ大きさのキャンバス(3.5m×7.8m)に子どもたちが平和の絵を描くという国際的なアート・プロジェクトです。地球全体をキャンバスにして平和の精神を表現し、人々をつなげていくアートです。すでに45ヶ国で210点以上の平和の絵が制作されています。
キッズゲルニカURL https://kids-guernica.com/kids-guernica%e3%81%a8%e3%81%af/
【経緯】
・2024年12月
学年主任(野田岳志)および各担任から、堺市立東百舌鳥中学校60期生(当時2年生)に修学旅行に向けた取り組みの検討を指示。
・2025年1月上旬
修学旅行実行委員会の生徒たちより「巨大絵」を制作する提案が出される。
・2025年1月下旬
生徒たちが「94,000枚のシールを使った巨大アート」を発案。キッズゲルニカの存在を知る。
・2025年2月上旬
キッズゲルニカへの参加を決定。3.5m×7.8mの巨大シールアート制作を目指す。
生徒は絵の案を集め、教師は制作課題の検討とキッズゲルニカ協会との調整を行う。
・2025年2月中旬
デザイン案の制作と技術サポートを近畿大学文芸学部芸術学科造形芸術専攻グラフィックアートゼミに依頼。
画材・シール代の支援を堺おおいずみロータリークラブに依頼。
沖縄の中学生との協働を模索し、琉球大学教育学部附属中学校との協働が決定。
・2025年3月
原画構想が決定。中央に「命」を象徴する赤ちゃんを配置。左右に「死」を表現し、左に沖縄戦、右に大阪大空襲を描く。修学旅行実行委員会アート班が下絵制作に着手。
さらに美術科との教科連携の中で、沖縄と大阪(堺)の伝統的な染色である「紅型(びんがた)」と「注染(ちゅうせん)」にちなみ、布(晒)を染色し、ステンシルで平和の願いを込めた魚や鳥を施して表現した垂れ幕を重ねることで、戦争後の平和な日本を象徴する構成とする。
・2025年3月下旬
下絵完成。
・2025年4月
株式会社オム印刷より特殊紙と和紙シールを購入。
株式会社エディカルよりアクリル絵の具が提供される。
近畿大学にて下絵(横7.8m)を7分割して印刷。
垂れ幕制作開始。
堺市立東百舌鳥中学校60期生(3年生)267名が、美術科の授業において大阪(堺)の伝統的な染色である「注染」の学習と合わせて制作。
琉球大学教育学部附属中学校(2年生)160名が、美術科の授業において沖縄の伝統的な染色である「紅型」の学習と合わせて制作。
シール貼り開始。生徒267名が1人約300枚のシールを貼る。
・2025年4月下旬
シール貼り完成予定。アート班が補修・修正を行い、作品完成へ。
・2025年5月12日~15日
堺市立東百舌鳥中学校60期生、修学旅行で沖縄へ。
琉球大学教育学部附属中学校(2年生)と作品制作を通して交流。
完成作品を沖縄県営平和祈念公園内または同公園内の沖縄県平和祈念資料館にて披露。
・2025年6月以降
「堺平和のための戦争展(8月16日、17日 サンスクエア堺)」にて展示予定。
キッズゲルニカ協会に作品を預け、各種イベント(広島・長崎・イタリア・スイス等)にて展示予定。
【協力・協賛】
近畿大学文芸学部芸術学科造形芸術専攻グラフィックアートゼミ・・・制作アドバイス、下絵印刷
堺おおいずみロータリークラブ・・・金銭支援、平和教育イベント開催、制作助言
株式会社オム印刷・・・特殊紙と和紙シールの販売
株式会社エディカル・・・アクリル絵の具提供
北村佳奈(アーティスト)・・・シールの提供と技術アドバイス
大村雪乃(現代美術家)・・・技術アドバイス
【関連リンク】
文芸学部
https://www.kindai.ac.jp/lit-art-cul/