【名城大学】森和俊・薬学部特任教授が3年生に特別講義
テーマは「勉強・実習から研究へ-新たな発見を目指して-」
京都大学高等研究院の特別教授で本学薬学部の森和俊特任教授が11月28日、八事キャンパスで3年生に対し、「勉強・実習から研究へ-新たな発見を目指して-」と題して特別講義を行いました。ノーベル賞の有力候補と期待される森特任教授の学生への特別講義は4月の就任以来、1年生を対象に行った10月に続いて2回目です。
細胞生物学の復習をしながら研究者のエピソードや逸話などを紹介
受講する学生約250人は、4年生になる来年度にそれぞれ研究室に配属されます。森特任教授はまず学生たちに向けて「この講義が応援になれば」と呼び掛けました。そして「研究」についての持論を紹介し「人によってやり方も考え方も違う。誰がやっても同じ結果が出るわけではない。個性が発揮できる」と強調しました。
続いて森特任教授は、「生化学(細胞生物学)の復習 講義内容(教科書の記載に基づいた)に研究者の生の姿を加えて」として、1950年代以降のオルガネラ(細胞小器官)の機能と「合成」「輸送」「成熟」「分解」というタンパク質の一生の解明に向けた研究の変遷について、分子シャペロンや小胞体の役割など基礎を押さえながら解説。自らの経験も踏まえ「いい論文に出会うと研究のモチベーションも変わってくる」と説きました。
講義の中では、「小胞体ストレス応答」の研究で森特任教授のライバルであるピーター・ウォルター米国カリフォルニア大学バークレー校教授やノーベル賞を受賞した各国の研究者たちのそれぞれの研究内容はもちろん、エピソードや逸話、新たな学説を学会で発表した際の研究者の反応や、功を焦って論文を早く出した研究者の裏話なども交えて、研究の世界の奥深さを紹介しました。
森特任教授「実験をしながら論文をたくさん読むことが大切」
終了後には質疑応答の時間も設けられ、学生から研究のテーマの決め方を問われると、森特任教授は「まずは興味がある分野の研究室に行くことだが、その先が勝負。研究を重ねることでやりたいテーマが見つかる。それには実験をしながら論文をたくさん読むことが大切」と答えていました。