近畿大学 青色LEDを使った可視光通信で世界最高速度を実現!
近畿大学工学部(広島県東広島市)電子情報工学科教授の藤本暢宏(ふじもと のぶひろ)らは、今年のノーベル物理学賞でも話題となった青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を使い、可視光通信による世界最高速度662Mbit/s(メガビット/秒)を実現しました。これは、新聞1年分の情報量を約8秒でダウンロードできる速さです。
藤本らは、平成24年(2012年)に赤色LEDを用いた可視光通信の世界最高速度(614Mbit/s)を持っておりましたが、今回の青色LEDでまた新たに自身の記録を更新したことになります。藤本らは、青色・赤色LEDと同様の研究手法を緑色LEDにも適用しており、光の3原色全てのLEDで世界最高速度を達成した形となりました(青色LED662Mbit/s、赤色LED614Mbit/s、緑色LED520Mbit/s)。
なお本成果については、平成26年(2014年)9月24日に光通信の世界最高峰の学会「ECOC2014」(フランス・カンヌ)にて発表しました。
【本件のポイント】
●今年のノーベル物理学賞でも話題となった青色LEDを用いた研究成果
●光の3原色(青色・赤色・緑色)すべてのLEDで可視光通信の最高速度を達成
●将来的には、電波逼迫が確実なWi-Fiなどの無線通信に対する補完を目指す
【可視光通信について】
可視光通信とは、人の目に見える光を使った高速の光通信です。青色・赤色・緑色を組み合わせることによってできる白色のLEDを高速で点灯・消灯させてデジタル信号化した光を、端末などの受光部が感知することで、データの転送を行います。目に見える光が届く範囲で通信を行うため、データ漏洩などのリスクが小さいとされ、照明機器を用いた家庭内の情報ネットワークや交通安全システムなどでの活用が期待されています。
また、現在普及しているWi-Fiなどの無線電波に光信号は影響を与えないため、将来、携帯電話・スマホの使用がさらに増加しても、電波と光の両方を使うことで、より多くの無線通信を可能とする可能性を秘めています。