救急救命士に静脈路確保等の実習指導 教員が災害協定、支援活動の一環として実施
近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)は、那賀消防組合と災害時における官民一体となった協力体制確保の一環として、去る2月1日(火)に「災害時における各種活動の支援に関する協定」を締結しました。
本件協定に基づく具体的な取組として、本学部医用工学科教員が那賀消防組合の救急救命士に対し、人体と同じ感触になるリアル感をもった人体パーツを使用した静脈路確保(いわゆる点滴処置)等の実習指導を行います。
【趣旨】
那賀消防組合は、岩出市・紀の川市を管轄し、和歌山市内の3次救命施設病院(救命救急センターを付置する病院)まで救急患者を搬送する場合は、30分以上の時間を要します。救急救命士の静脈路確保技術等を向上させることにより、更に多くの患者の救命につながることから、この度、静脈路確保トレーニングを行う人肌の感触に似たリアルなパッドを作成、基本的な手技および適切な対処方法を効率よく学習するための仕組みを研究し、医療事故の減少と医療技術の向上に当たっている※ 近畿大学生物理工学部医用工学科の教員が指導にあたり、その技術の向上を図ります。
【日時】
令和4年3月16日(水)、17日(木)午後1:30~午後3:30
【場所】
紀の川市西三谷930番地
近畿大学和歌山キャンパス 10号館
【実施教員】
近畿大学生物理工学部医用工学科医療機器学研究室
講師 西手 芳明 他
【参加者】
那賀消防組合の現場活動をする救急救命士 21名(2日間の参加者)
【内容】
(1)救急医療の重要性についての講習
(2)トレーニングパーツを使用した実習
(3)医用工学科に配備している人工心肺装置ECMOなど医療機器の説明
(4)救急隊によるデモンストレーション 特定行為
※ 生物理工学部医用工学科は、工学・医学・臨床現場に精通した広範囲の知識を持つ新しいエンジニアを育てる学科です。
先端医療機器の発展は、理工学分野の新しい知識や技術を医療分野に応用した成果です。そのため、工学の知識はもちろん、医学の知識と臨床現場の状況にも精通したエンジニアが必要とされています。本学科では工学系科目と医学系科目をバランスよく開講し、指定科目の単位を修得することで臨床工学技士国家試験の受験資格が取得可能です。医療機器の操作・保守・管理から研究開発まで対応できる人材を育成しています。
【関連リンク】
生物理工学部医用工学科 講師 西手 芳明(ニシテ ヨシアキ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/717-nishite-yoshiaki.html