家畜改良センター×近畿大学 連携協力協定を締結 畜産分野の技術開発と人材育成を推進

独立行政法人家畜改良センター(福島県西郷村以下、家畜改良センター)と近畿大学(大阪府東大阪市)は、畜産分野における共同研究の推進と成果の普及および人材の育成等を目的に平成30年(2018年)9月11日(火)、近畿大学東京センターにて連携協力協定を締結しました。

【本件のポイント】
●農林水産省所管の独立行政法人である家畜改良センターと、畜産分野に関連する生物理工学部や農学部等を有する近畿大学が提携
●わが国における畜産の発展や食生活の向上を目的として、共同研究による技術開発とその成果の普及、さらには畜産や食品に関わる人材育成を推進

【本件の概要】
独立行政法人家畜改良センターでは、日本の畜産業の将来を担う農林水産省所管の独立行政法人として、家畜改良および飼養管理技術の改善、畜産に関わる情報の提供や人材育成等に取り組んで来ました。一方、近畿大学では、生物理工学部や農学部、先端技術総合研究所などを中心に、生化学から分子・発生生物学、生殖工学に至る様々な研究に取り組み、食品や関連産業に従事する技術や人材を供給してきました。
今回の連携協力協定締結により、わが国畜産の発展および食生活の向上への貢献を目的として、これまで研究を進め応用してきた飼養技術(アミノ酸バランス法)による食味の良い豚肉の生産技術と客観的肉質評価技術の改善や、これまで両者がそれぞれ独自に取り組んで来た家畜の繁殖関係技術のマッチングによる生産性の向上といった共同研究を推進し、連携により成果を広く普及させます。さらには、お互いが有する知識や技術情報の交流などによって畜産や食品に関わるさらなる人材育成を図ります。

【想定される具体的な連携研究課題】
1.高品質肉の生産技術の改善と評価法の確立
これまで近畿大学、家畜改良センター等で開発し、実践が進んでいる高品質豚肉生産技術(アミノ酸バランス法など)や、これも牛肉では実践が進みつつある光学的評価技術、さらには最新のメタボロミクス技術や官能検査法、理化学的測定法といった一連の肉質評価法を統合させ、さらに熟成技術も考慮して、効果的な高品質豚肉の生産技術とします。
2.最新生殖工学技術の開発と応用による受胎率向上技術の構築や種畜選抜技術の開発
畜産技術の発展により乳用牛の泌乳量や肉用牛の産肉能力が向上する一方で、牛の繁殖成績の低下が近年問題となっています。そこで、近畿大学が有する牛の良好受精卵の選別技術等の生殖研究に関連する最新技術・設備を使用して受胎率向上のための研究を進めることで、家畜の繁殖成績を高める新技術の開発を目指します。

他にも近畿大学が有する様々な先端技術や工学技術(AI、遺伝子など)を家畜改良センターが畜産実践分野に応用したり、畜産情報の普及活動を連携して行ったりすることにより、今後、発展が期待されるスマート農業に貢献します。

【独立行政法人家畜改良センター 概要】
■所在地 :福島県西白河郡西郷村大字小田倉字小田倉原1番地
■代表者 :理事長 入江 正和
■設  立:平成13年(2001年)
■職員数 :746人(常勤職員)(H30.9.1時点)
■事業内容:独立行政法人通則法(平成11年法律103号)第29条に基づき、国が定める中期目標を達成するため、以下の業務に取り組んでいます。
      1.家畜改良及び飼養管理の改善等
      2.飼料作物の増殖に必要な種苗の生産・供給
      3.飼料作物種苗の検査
      4.調査研究
      5.講習及び指導
      6.家畜改良増殖法に基づく検査等
      7.牛トレーサビリティ法に基づく事務等
      8.センターの人材・資源を活用した外部支援

■H    P:http://www.nlbc.go.jp/index.html

【近畿大学 概要】
■所在地 :大阪府東大阪市小若江3丁目4番1号
■代表者 :理事長 清水由洋 学長 細井 美彦
■設  立:大正14年(1925年)
■教職員数:9,788人(学園全体)
■学生数 :53,379人(学園全体)平成30年5月1日現在
■事業内容:大学院・大学・短期大学及び、高専、専門学校高校、中学校、小学校、幼稚園、病院の運営、附属農場、水産研究所 等
■H    P:https://www.kindai.ac.jp/

締結式の様子 左:家畜改良センター理事長 入江正和、右:近畿大学学長 細井美彦
締結式の様子 左:家畜改良センター理事長 入江正和、右:近畿大学学長 細井美彦

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