日本の大学初!全ての業務システムをクラウドへ アマゾン ウェブサービス(AWS)へ完全移行 近畿大学
近畿大学(大阪府東大阪市)は、財務会計・人事給与システム等に係わる全ての業務システムを、アマゾンウェブサービス(以下AWS)※1に完全移行することを決定しました。これまでは、本学が管理する設備(サーバー)を用いて業務システムの構築・運用を行っていましたが、今後約3年半をかけてAWSのクラウドへ完全移行します。
すべての業務システムをAWSへ移行するのは、日本の大学では初めてです。
※の付いた語句は、用語解説あり
【本件のポイント】
● 財務会計・人事給与等すべての業務システムをAWSに完全移行するのは日本の大学で初
● ハードウェア老朽化に伴う更新作業が不要となり、費用の大幅な削減が可能
● 移行に伴い、セキュリティ強化、可用性向上、ランニングコスト・運用負荷の軽減を実現
【本件の概要】
本学では、昨年からインターネット経由でソフトウェアを提供するSaaS※2のメールサービスの利用を開始しました。その結果、自前の設備にメールソフトを搭載して運用するよりも費用が1/10に抑えられ、またセキュリティ等のトラブルもなかったことから、全業務システムのAWS完全移行を決定しました。
現状とAWS完全移行のコスト比較を行ったところ、初期投資を約7割削減でき、また、10年間の初期投資およびランニングコストを合わせた総費用を約2割削減できるという試算が出ています。
まずは、財務会計や人事給与等の事務系システムを徐々にAWSに移行し、問題なければ、授業等で利用する教育系システムについても順次移行します。
【本件の背景】
本学の業務システムは、15年以上前から自前で管理するサーバーを用いて構築・運用(オンプレミス※3)を行っていましたが、システム化が進むにつれ、コスト、セキュリティ、運用の面で不安が大きくなってきました。自前でサーバーを持つということは、場所も電気代も必要な上、障害やトラブルが発生したらその対応も行わなければなりません。また、5~6年ごとにハードウェア老朽化に伴う更新作業が必要となり、常に最新のセキュリティ対策も行わねばなりません。
このようなコストや手間を解消する手段として、クラウドの活用を決めました。
【用語解説】
※1 アマゾン ウェブ サービス(AWS)
Amazon Web Services, Inc.が提供するクラウドプラットフォーム。クラウドコンピューティング技術を駆使した仮想サーバー、データベース等を利用することができる。
※2 SaaS(サース)
インターネット経由でソフトウェアを提供するサービス。狭義のクラウドコンピューティング。
※3 オンプレミス
大学または企業が導入している情報システムを自身が管理する設備内に物理的に設置し、運用すること。設備等を要せずインターネット経由でシステムを利用することができる「クラウドコンピューティング」とは逆の意味で使われる。
【AWS導入事例(アマゾンデータサービスジャパン株式会社のWebサイト)】
http://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/kinki-university/
※アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、AWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com,Inc.またはその関連会社の商標です。