連合調べ 有職者の仕事・職場に対する不満 1位「賃金が低い」2位「会社の将来に不安がある」 3位「仕事の内容」
連合および労働組合のイメージ調査
日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:芳野 友子)は、2022~2023年度の運動方針に「安心社会へ 新たなチャレンジ~すべての働く仲間とともに『必ずそばにいる存在へ』~」を掲げて活動を進めています。
このたび連合・労働組合の認知度や連合に対するイメージなどを把握することを目的に、「連合および労働組合のイメージ調査」をインターネットリサーチにより2022年10月28日~10月31日の4日間で実施、全国の15歳以上の男女2,000名の有効サンプルを集計しました(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)。
[調査結果]
仕事に対する不満について
◆有職者の仕事・職場に対する不満 1位「賃金が低い」2位「会社の将来に不安がある」3位「仕事の内容」
はじめに、就業経験のある人(現在働いている人、または過去に働いていた人)1,849名に、仕事・職場に対する不満について聞いたところ、「賃金が低い」(32.9%)が最も高くなり、「人間関係がよくない」(18.1%)、「会社の将来に不安がある」(16.0%)、「仕事の内容」(15.6%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(15.2%)が続きました。また、不満がある(あった)人の割合は68.0%(100%‐「特に不満はない」32.0%)でした。
現在働いている人(1,490名)についてみると、「賃金が低い」(35.0%)が最も高くなり、「会社の将来に不安がある」(18.1%)、「仕事の内容」(16.2%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」「人間関係がよくない」(いずれも15.6%)が続きました。また、不満がある人の割合は70.2%となりました。
世代別にみると、40代では「能力・実績が正当に評価されない」(19.6%)、60代以上では「雇用が不安定」(13.7%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。不満がある人の割合は30代(78.6%)が最も高くなり、40代(74.7%)、20代(70.7%)が続きました。
業種別にみると、[不動産業,物品賃貸業]では「雇用が不安定」(20.0%)、[医療,福祉]では「賃金が低い」(46.7%)、[公務]では「仕事の内容」(27.4%)が全体と比べて10ポイント以上高くなり、[建設業]では「会社の将来に不安がある」(27.8%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(25.3%)、「人間関係がよくない」(21.5%)、[情報通信業]では「賃金が低い」(43.4%)、[運輸業,郵便業]では「安全や衛生等の職場環境がよくない」(12.0%)、[金融業,保険業]では「仕事の内容」(22.8%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。また、不満がある人の割合は[医療,福祉](77.6%)が最も高くなり、[情報通信業](76.3%)、[建設業](75.9%)が続きました。
◆有職者が仕事・職場の不満解消のためにとった行動 1位「家族・友人に相談」2位「人事・上司に相談」
「労働組合に相談した」は3.0%と低く、「何もしていない」は58.9%、行動していない理由1位は「不満の解消は諦めている」
現在働いている人で、仕事・職場に対する不満がある人(1,046名)に、仕事・職場の不満を解消するためにどのような行動をしたか聞いたところ、「家族・友人に相談した」(20.3%)が最も高くなり、「人事・上司に相談した」(15.1%)、「退職・転職した」(6.2%)、「部署異動を願い出た」(3.7%)、「労働組合に相談した」(3.0%)が続きました。「何もしていない」は58.9%となり、半数以上の人が仕事上の不満を抱えたまま、何も行動できずにいることがわかりました。
現在働いている人で、仕事・職場の不満を解消するために行動していない人(616名)に、行動していない理由を聞いたところ、「不満の解消は諦めている」(41.9%)が最も高くなり、「解消までの労力を割きたくない」(31.2%)、「行動するための勇気がない」(20.5%)が続きました。次いで、「解消する手段を知らない」(20.1%)、「労働に関する知識がない」(10.1%)となり、知識不足が原因で行動に至らないケースもあることがわかりました。
労働組合について
◆労働組合の認知率は90.5%、10代では73.0%、50代では98.0%
働いたことがない人では66.2%
全国の15歳以上の男女2,000名(全回答者)に、『“労働組合”は、働く人が主体となって、賃金や働く環境を向上させるために、経営者などに対して法律上対等な立場で交渉ができる団体である』と説明したうえで、労働組合を知っているか聞いたところ、「知っている」は90.5%、「知らない」は9.6%となりました。
男女別にみると、「知っている」と回答した人の割合は、男性では92.8%と、女性(88.1%)と比べて4.7ポイント高くなりました。
世代別にみると、世代が高くなるほど労働組合の認知率も高くなることがわかりました。
就業経験別にみると、働いたことがない人では「知っている」と回答した人の割合が66.2%と、現在働いている人(92.5%)や過去に働いたことがある人(92.2%)と比べて25ポイント以上低くなりました。
◆「勤務先に労働組合がある」38.1%、従業員規模10人未満の職場では8.4%
現在働いている人(1,490名)に、勤務先に労働組合があるか聞いたところ、「ある」は38.1%、「ない」は35.9%、「わからない」は26.0%となりました。
従業員規模別にみると、「ある」と回答した人の割合は、従業員規模3000人~10000人未満までは従業員規模が大きくなるほど高くなる傾向がみられました。また、従業員規模10人未満(8.4%)では、「ある」と回答した人の割合が1割に満たない結果となりました。
業種別にみると、「ある」と回答した人の割合は、[運輸業,郵便業](59.0%)が最も高くなり、[金融業,保険業](57.9%)、[製造業](52.2%)が続きました。
◆「勤務先で労働組合に加入している」有職者の25.9%、若い世代ほど「わからない」と回答
現在働いている人(1,490名)に、勤務先で労働組合に加入しているか聞いたところ、「加入している」は25.9%、「加入していない」は51.8%、「わからない」は22.3%となりました。
世代別にみると、若い世代ほど「わからない」と回答した人の割合が高く、10代では56.7%と最も高くなりました。
職業別にみると、正規雇用で働いている人(正社員・正職員)では、自身が労働組合に加入しているかどうか「わからない」が15.7%となったのに対し、非正規雇用で働いている人では29.7%、学生では57.4%と、自身の加入状況について把握していない割合が高くなりました。
連合について
◆連合の認知率は56.6%、女性49.4%、男性63.8%
全回答者(2,000名)に、『日本労働組合総連合会(通称:連合)は、日本最大の労働組合の中央組織(会長:芳野友子、加盟組合員:約700万人)である』と説明したうえで、連合を知っているか聞いたところ、「どのような組織か知っている」は19.8%、「名前を聞いたことがある」は36.8%となり、合計した『知っている(計)』は56.6%となりました。また、「知らない」は43.4%でした。
男女別にみると、『知っている(計)』の割合は、男性では63.8%と、女性(49.4%)と比べて14.4ポイント高くなりました。「どのような組織か知っている」の割合(女性12.1%、男性27.5%)でも男女間に大きな差がみられました。
世代別にみると、『知っている(計)』の割合は、60代以上(70.0%)が最も高くなりました。
◆連合の認知経路 1位「TV」2位「新聞」、20代では「TV」に続いて「Twitter」が2位
連合について、どこで認知した人が多いのでしょうか。
連合を知っている人(1,132名)に、連合を何で知ったか聞いたところ、「TV」(39.0%)が最も高くなり、「新聞」(22.9%)、「労働組合に加入しているため」(14.8%)、「労働組合の機関紙」(10.9%)、「HP(ホームページ)」(6.8%)が続きました。
世代別にみると、10代では「TV」(29.5%)と「新聞」(16.2%)に続いて「Twitter」(12.4%)が3位、20代では「TV」(30.0%)に続いて「Twitter」(14.8%)が2位、「YouTube」(13.8%)が3位となりました。若年層には、SNSや動画サイトの情報をきっかけに連合について知るようになった人が多いようです。
◆連合の取り組みとして知っているもの 1位「春闘の実施」2位「労働組合づくり支援・労働相談の実施」
連合を知っている人(1,132名)に、連合の取り組みとして知っているものを聞いたところ、「春闘(春季生活闘争)の実施」(26.7%)が最も高くなり、「労働組合づくり支援・労働相談の実施」(24.7%)、「非正規雇用の問題解決に向けた取り組み」(16.8%)、「政治・選挙活動」(16.5%)、「社会保障・税制・教育制度に関する取り組み」(15.7%)が続きました。
男女別にみると、「政治・選挙活動」(女性11.5%、男性20.4%)や「政府・政党などへの政策・制度要請」(女性10.7%、男性18.8%)などでは、男女間に大きな差がみられました。
世代別にみると、10代と20代、40代では、「労働組合づくり支援・労働相談の実施」(10代21.0%、20代19.2%、40代27.0%)が1位でした。
◆連合のイメージ 1位「保守的な」2位「伝統的だ」3位「影響力のある」4位「真面目な」5位「堅実な」
連合を知っている人(1,132名)に、連合についてどのようなイメージを持っているか聞いたところ、「保守的な」(18.8%)が最も高くなり、「伝統的だ」(17.5%)、「影響力のある」(15.2%)、「真面目な」(13.8%)、「堅実な」(13.6%)が続きました。
◆「連合は身近な存在だと思う」連合認知者の35.1%
連合を知っている人(1,132名)に、連合は自身にとって身近な存在だと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」が5.6%、「そう思う」が9.5%、「ややそう思う」が20.0%で、合計した『そう思う(計)』は35.1%、「全くそう思わない」が17.4%、「そう思わない」が14.8%、「あまりそう思わない」が32.8%で、合計した『そう思わない(計)』は64.9%となりました。
男女別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、男性では37.8%と、女性(31.6%)と比べて6.2ポイント高くなりました。
世代別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は若い世代のほうが高い傾向がみられ、最も高い20代では46.3%でした。
連合が身近な存在だと思うかについて、知っている取り組み別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、『大学等への出前授業の実施』(66.0%)が最も高く、『災害支援・ボランティア活動、社会貢献活動』(65.2%)が2位となりました。
一方で、『そう思わない(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは、連合の取り組みが『全くわからない』と回答した人(85.8%)でした。
◆連合が身近な存在だと思う理由 1位「困ったときに頼れる」2位「社会の役に立っている」
◆連合が身近な存在だと思わない理由
1位「身近に関わっている人がいない」2位「どのような人が関わっているのか見えない」
連合が身近な存在だと思う人(397名)に、その理由を聞いたところ、「困ったときに頼れると思うから」(32.7%)が最も高くなりました。トラブルに遭ったときなど、いざというときに頼りになる存在だと感じている人が多いようです。次いで高くなったのは、「社会の役に立っていると思うから」(25.7%)、「役立つ情報をくれるから」(22.7%)、「ないと困るから」(19.6%)、「自分・家族の生活に直結していると思うから」(19.4%)でした。
他方、連合が身近な存在だと思わない人(735名)に、その理由を聞いたところ、「身近に関わっている人がいないから」(37.7%)が最も高くなり、「どのような人が関わっているのか見えないから」(28.4%)、「いつ頼っていいかわからないから」(23.8%)、「自分・家族の生活とは関係ないと思うから」(19.0%)、「なくても困らないから」(15.6%)が続きました。
◆連合と労働組合に期待すること 1位「賃金・労働条件の改善」2位「雇用・労働に関わる法制度の改善」
10代の21.0%が「就職支援」に期待
最後に、全回答者(2,000名)に、連合および労働組合に期待することを聞いたところ、「賃金・労働条件の改善」(38.9%)が最も高くなり、「雇用・労働に関わる法制度の改善」(25.9%)、「職場の働き方改革サポート」(24.1%)、「労働相談」(23.0%)、「パート・有期・派遣契約で働く人の処遇改善」(22.8%)が続きました。
世代別にみると、10代では「就職支援」(21.0%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。
調査概要■
調査タイトル:連合および労働組合のイメージ調査
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の15歳以上の男女
調査期間:2022年10月28日~10月31日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:2,000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社