麗澤大学 内尾太一准教授ら 訳 マイケル・ローゼン『尊厳―その歴史と意味』
「尊厳とは何か」考えるための入門書 3月19日出版
麗澤大学(千葉県柏市/学長:徳永澄憲) 国際学部に所属する内尾太一准教授と同志社大学の峯陽一教授の共訳で、2021年3月19日(金)に翻訳書『尊厳―その歴史と意味』(岩波新書)を出版します。
その原書はハーバード大学政治学科教授で政治哲学者のマイケル・ローゼン氏による“Dignity: Its History and Meaning, (Harvard University Press, 2012)”です。同書は既にスペイン語、韓国語、中国語でも翻訳されており、今回日本語でも出版することとなりました。
その内容は、まず第一章で西洋社会における尊厳概念の歴史が紐解かれ、第二章では、現代になって実際に尊厳が問われたドイツやフランスの判例が紹介されています。そして第三章では、なぜ私たちは生きている人間にだけではなく、死者の尊厳にも敬意を払うのか、という哲学的な議論が展開されます。「尊厳とは何か」について考えたい人にとって格好の入門書となっています。
この翻訳を手がけた内尾准教授は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地で行った5年間のフィールドワークに基づき、『復興と尊厳―震災後を生きる南三陸町の軌跡』(東京大学出版会)を2018年に出版しました。「フィールドワーク中にローゼンの原書を読み、いつか訳したいと思っていました。奇しくも震災発生から10年のタイミングで発売される『尊厳―その歴史と意味』は、「ポスト3.11」そして「アフターコロナ」の日本社会にも重要な示唆を与えてくれるはずです。」とコメントしています。
【著書の概要】
◆発行日:令和3年3月19日(金)
◆著 者:マイケル・ローゼン
◆訳 者:内尾 太一、峯 陽一
◆出版社:岩波書店
◆価 格:840円(税抜)
◆目次
・序
・第一章 「空っぽ頭の道徳家たちの合い言葉」
・第二章 尊厳の法制化
・第三章 人間性に対する義務
【内尾准教授 プロフィール】
内尾 太一(うちお たいち) 麗澤大学 国際学部 准教授
1984年生まれ。福岡教育大学教育学部卒業。その後、東京大学にて博士(国際貢献)を取得。専門分野は文化人類学。フィールドワークを通じて「尊厳とは何か」を追求することを、研究のモットーとしている。これまで東日本大震災の復興過程のエスノグラフィや、チリにおける3.11の遠地津波の被害の実態調査、イースター島におけるツーリズム研究を行ってきた。また、大学では文化人類学のゼミの他、多文化共生論や人間の安全保障論、社会調査法などの授業も担当している。