タマカイの親魚養成試験を開始 完全養殖による資源保護と新たな交雑種の作出を目指す 水産研究所奄美実験場

2016-08-01 14:30

近畿大学水産研究所奄美実験場(鹿児島県瀬戸内町)は、タマカイ稚魚280尾を、平成28年(2016年)8月8日(月)に、奄美海域の海上網生簀に移動し、親魚へ養成する試験研究を開始します。

【本件のポイント】
●絶滅危惧種であるタマカイの日本での完全養殖技術確立を目指し、将来的には天然資源の保護に貢献
●タマカイの人工種苗生産や高級ハタ類との交雑による新たな養殖魚種の作出を目指す

【本件の概要】
タマカイは主に熱帯域に生息する世界最大級のハタ科の魚類で、美味であることから、東アジアや東南アジアでは高級魚として取引されています。乱獲によって天然資源の減少が続き、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストには絶滅危惧種として掲載されており、平成28年(2016年)2月に開設したマレーシアの近畿大学・サバ大学養殖開発センターでも、本種の親魚養成の研究を進めています。
東アジア・東南アジアにおいては交雑種を含めて広く人工種苗による養殖が行われていますが、日本国内ではタマカイの養成例や交雑種の作出例はわずかです。
今回養成するのは、平成27年(2015年)11月に台湾から搬入して飼育したふ化後約10ヶ月の稚魚です。本養成試験研究は、クロマグロの完全養殖を始めとする近畿大学水産研究所の養殖研究力を活かし、国内での人工種苗生産によるタマカイの完全養殖技術の確立、および国内産ハタ類との交雑による新たなハタ類養殖魚種の作出を目的に実施します。

■日 時:平成28年(2016年)8月8日(月) 13時~
     稚魚を海上網生簀へ移動します。※天候等により変更する場合があります。
■場 所:近畿大学水産研究所奄美実験場(鹿児島県大島郡瀬戸内町花天195)
     TEL(0997)73-6770

タマカイ稚魚(奄美実験場にて撮影)(全長約 15cm)
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