近畿大学原子炉 卒業生向け特別実習 3年間の研究用原子炉運転停止の影響で、実習が叶わなかった卒業生のために
近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成29年(2017年)11月11日(土)に、在学中に近畿大学原子炉で運転実習ができなかった理工学部電気電子工学科の卒業生を対象とした原子炉特別実習を実施します。
【本件のポイント】
●試験研究用原子炉の新規制により、在学中に実習できずに卒業した学生のために実施
●卒業生による強い希望があり、近畿大学原子炉運転開始56周年の記念日に実現
●特別実習で得られた知見を、現在卒業生が勤務している原子力関連企業などで活かす
【本件の概要】
近畿大学原子炉は、平成25年(2013年)12月18日に試験研究用原子炉の新規制基準が施行されたことを受け、平成26年(2014年)2月6日に運転を停止し、平成29年(2017年)4月12日に教育・研究利用を再開しました。
この度、原子炉がある近畿大学を目指して進学したにもかかわらず、在学中に実習することができなかった卒業生による強い希望があり、近畿大学原子炉運転開始(初臨界)56周年の記念日に当たる11月11日、特別に運転実習を行うことになりました。
■日 時:平成29年(2017年)11月11日(土)
13:00~13:45 集合・保安教育
13:45~15:45 原子炉運転実習
■参加者:平成27・28・29年卒業生(理工学部電気電子工学科)5人(予定)
※それぞれ原子力関連企業などに勤務
■会 場:近畿大学東大阪キャンパス 原子力研究所
(大阪府東大阪市小若江3−4−1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分)
【本件の背景】
近畿大学原子炉は、平成25年(2013年)12月18日に試験研究用原子炉の新規制基準が施行されたことを受け、平成26年(2014年)2月6日に運転を停止しました。教育・研究利用再開に向けた「原子炉設置変更許可申請」「原子炉施設保安規定変更許可申請」の提出と認可を経て、最終の使用前検査と定期検査を終え、平成29年(2017年)3月17日に合格証が交付され、平成29年(2017年)4月12日に教育・研究利用を再開しました。
近畿大学原子炉の運転停止中は、原子炉の見学や放射線の計測実習に内容を限って教育を続けてきましたが、このたびの運転再開によって再び原子炉を活用した運転実習を開催できるようになりました。
【近畿大学原子力研究所概要】
近畿大学原子力研究所は、昭和35年(1960年)4月1日、原子力に関する研究・教育を目的とする全学共同利用研究所として設立されました。近畿大学原子炉は、同年8月12日に設置が認可され、昭和36年(1961年)11月11日に臨界に到達し(熱出力0.1W)、我が国最初の民間原子炉・大学原子炉として運転を開始しました。
その後、昭和49年(1974年)10月に熱出力を1Wに増加し、昭和59年(1984年)1月には小動物用照射設備、中性子ラジオグラフィ用設備および拡大垂直照射設備が新設されました。近畿大学理工学部の学生実習および大阪大学、神戸大学、名古屋大学、九州大学などの学生の原子炉教育・訓練ならびに広範な分野の原子力研究に利用されています。