IoT技術を駆使してキャンパス内の混雑度を計測 プライバシーを守りつつ「密状態」を解消するための実証実験

実証実験の場となる「ACADEMIC THEATER」
実証実験の場となる「ACADEMIC THEATER」

近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和3年(2021年)4月7日(水)から令和4年(2022年)3月31日(木)までの期間、新型コロナウイルス感染の要因となっている密状態の発生を防ぐことを目的に、IoT技術を活用してキャンパス内のパブリックスペースの混雑度を計測する実証実験を行います。産学連携の学術拠点「ACADEMIC THEATER」を実験の場として、館内のBluetoothの信号数を計測することで密状態を推定し、新型コロナウイルス感染症の予防対策に生かします。
なお本件は、近畿大学が全学を挙げて取り組んでいる「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施します。

【本件のポイント】
●Bluetoothの信号数を計測し、学内パブリックスペースの密状態を推定
●プライバシーを守るため、個人を特定することなくデータ収集を行う枠組みを検証
●IoT技術を駆使して密状態を防ぎ、学生が安心して学べる環境の整備をめざす

【本件の内容】
近畿大学理工学部情報学科、情報学研究所准教授の谷口 義明と理工学部電気電子工学科、情報学研究所准教授の越智 洋司らの研究グループは、Bluetooth(BLE)の信号を利用して密状態を計測する研究を進めています。新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)のBLE信号を活用する他、施設利用者に専用のBLEビーコン※ タグを身につけてもらうことで、館内滞在者のプライバシーを守りながら滞在人数を特定します。実用化のためには不規則に人が集まる場での実証実験が必要であり、学生に人気が高く利用者の多い「ACADEMIC THEATER」という施設を実験の場として、密状態を測定します。
今回は、密状態の把握手法の検証を主目的としていますが、密状態があった際のフィードバック方法については、学内での企画を通してアイデアを募りながら検討していく予定です。本学では、今年度は基本的に対面で授業を行う方針であり、IoT技術を駆使して密状態を防ぎ、学生が安心して学べる環境の整備をめざします。

実証実験イメージ
実証実験イメージ

※ BLEビーコンとは、不特定多数に向けて定期的にBluetoothの信号を発信する仕組みで、本プロジェクトでは、発信する機能を持った3cm四方の小型の機器(ビーコンタグ)を利用します。

【実施概要】
日  時:令和3年(2021年)4月7日(水)~令和4年(2022年)3月31日(木)
場  所:近畿大学東大阪キャンパス ACADEMIC THEATER
     (大阪府東大阪市小若江3-4-1、
      近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分)
実施方法:
アカデミックシアター内の複数箇所にモニタリング用のIoT端末を設置し、入館時に渡すBLEビーコンタグやCOCOAから送信される信号を観測します。IoT端末としては安価なシングルボードコンピュータを使います。観測情報は学内無線LANを通じてサーバに集約し、モニタリング端末設置場所付近の混雑度を推定します。これに合わせて、館内でのデジタルサイネージの利用や勉強会の開催を通して、この実証実験の実施を周知するとともに、密状態の回避を防ぐアイデアを募ります。

【"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト】
近畿大学は令和2年(2020年)5月15日から「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動させました。これは、世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症について、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募って実施する全学横断プロジェクトです。72件の企画提案が採択され、約1億3千万円の研究費をかけて実施しています。

【関連リンク】
理工学部 情報学科 准教授 谷口 義明(タニグチ ヨシアキ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1230-taniguchi-yoshiaki.html
理工学部 電気電子工学科 准教授 越智 洋司(オチ ヨウジ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/464-ochi-youji.html

理工学部
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/
情報学研究所
https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/cyber-iri/


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