大和川わんど(湾処)で里山学演習を実施 八尾市と近大が取り組む、大和川の自然再生と環境教育

2017-05-23 14:00

近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、平成29年(2017年)5月27日(土)に、八尾市立大正コミュニティセンターおよび大和川わんど(共に大阪府八尾市)にて、農学部で里山学を学ぶ学生43人を対象に、里山学演習を実施します。

【本件のポイント】
●大和川わんどで、本格的な水生生物調査の手法を学ぶ
●野外演習により、座学では学ぶことのできない里山学を体験
●演習で見識を深めた学生は、今後八尾市の環境教育イベントへの参加などを予定しており、近大生と八尾市民の交流を図ると共に、地域貢献へ繋げる

【本件の概要】
近畿大学農学部は、平成26年(2014年)に八尾市と締結した「若林地区・太田地区かわまちづくり」における環境教育・環境研究等活動に関する覚書に基づき、平成27年(2015年)度から、八尾市が実施する、大和川わんどにおける地引網体験や、生きもの観察会をはじめとするイベントでの指導など、大和川の自然再生と環境教育に協力してきました。本年度も里山学履修者を対象に、大和川わんどでの演習を中心に、より実践的な活動を実施します。

■日時:平成29年(2017年)5月27日(土)10:00~15:00
    (1)10:00~12:00 講義:「水辺の生き物調査の方法と心構え」
     担当教員:近畿大学環境管理学科 教授 細谷 和海(ほそや かずみ)、准教授 北川 忠生(きたがわ ただお)
    (2)13:00~14:00 投網練習
    (3)14:00~15:00 さまざまな漁具を用いた水生生物調査
■場所:(1)・(2) 八尾市立大正コミュニティセンター
    (大阪府八尾市若林町3-27、大阪市営地下鉄谷町線八尾南駅から徒歩約10分)
    (3)大和川わんど(八尾市立大正コミュニティセンター付近)
■対象:近畿大学農学部1~4年生の里山学履修者 計43人
■協力:八尾市政策企画部、大阪府水生生物センター

【大和川の人工ワンドについて】
ワンド(湾処)とは、川の本流と繋がっている河川構造物で、池のようになっている地形のことで、大和川の人工ワンドは、淀川の河川改修工事によって生まれた自然に近い水辺です。
ワンド内は水流が穏やかなため、淡水魚をはじめとした水生生物の安定した棲みかとなり、そこに生える水生植物は、産卵や繁殖するための絶好の場となります。そのため、近年は河川にビオトープを形成する目的として人工的にワンドが作られる事例が増えており、大和川でも自然再生の方法や環境教育の場として「大和川わんど」が作られました。八尾市では、国の支援事業制度に認定された「かわまちづくり計画」に基づき、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を目指し、「大和川わんど」等を活用した取り組みを実施しています。

【講師プロフィール】
農学部 環境管理学科 教授 細谷 和海(ほそや かずみ)
学   位:農学博士
専門分野 :魚類学、保全生物学
研究テーマ:淡水魚の系統分類学的研究、琵琶湖固有種の起源に関する進化学的研究、希少魚の保護・増殖に関する研究、外来生物の防除に関する研究、シーボルト標本に関する分類学的研究
著   書:「ブラックバスを退治する」(共編)(平成18年、恒星社厚生閣)
      「日本の淡水魚」(編著)(平成27年、山と渓谷社) 他
学会活動 :日本魚類学会副会長
受 賞 歴:みどりの日 環境大臣賞(平成27年)

農学部 環境管理学科 准教授 北川 忠生(きたがわ ただお)
学   位:学術博士
専門分野 :系統地理学、保全遺伝学
研究テーマ:希少魚類の保全、生物の遺伝的多様性の解析、DNA解析による外来生物の検出、日本の淡水魚の進化の解明(特にドジョウの仲間について)、外来種オオクチバスの遺伝学的調査
受 賞 歴:日本魚類学会論文賞(平成18年)
      奈良県環境保全功労賞(平成24年)
      みどりの日 環境大臣賞(平成25年)

【関連リンク】
農学部環境管理学科 教授 細谷 和海(ホソヤ カズミ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/888-hosoya-kazumi.html

農学部環境管理学科 准教授 北川 忠生(キタガワ タダオ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/890-kitagawa-tadao.html

昨年度の生物調査の様子
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