ジョリーグッドのVR DTx監修医師が最優秀賞受賞!精神科医・蟹江絢子「第19回精神科治療学賞」にて
株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役:上路健介、以下 ジョリーグッド)は、当社で上級医療統括顧問を務める精神科専門医・蟹江絢子が執筆した論文が、第19回「精神科治療学賞」最優秀賞を受賞したことをお知らせいたします。
今回、蟹江絢子医師が受賞した「精神科治療学賞」は、精神医学・心理学・神経科学領域において最も読者数の多い権威ある学術雑誌の一つである「精神科治療学」にて、2004年から設置された学術奨励賞です。蟹江絢子医師は当論文にて、女性認知行動療法家としての取り組みや、女性の働き方の改革、最新の治療領域の開拓について述べており、編集委員会から高い評価を得て受賞となりました。
なお、蟹江絢子医師は現在、ジョリーグッドのVRDTx事業部(https://vrdtx.com/)にて上級医療統括顧問として勤務しており、実際の精神科治療現場にてデジタルテクノロジーを実装していくためのプロダクト開発責任者として日々邁進しています。
① 統合失調症向けソーシャルスキルトレーニングVRを大塚製薬と共同開発(https://newscast.jp/news/8620022)
② うつ病向けデジタル治療VRを帝人ファーマと共同開発(https://newscast.jp/news/7542076)
今後ジョリーグッドは、蟹江絢子医師を中心に、様々な精神疾患領域にて、VRDTx事業を積極展開していく予定です。
■受賞論文タイトル
女性認知行動療法家としての取り組み―周産期メンタルヘルスの普及、働き方の改革、最新の治療領域の開拓― (精神科治療学37巻5号,2022)
■受賞論文概要
本研究論文では、女性認知行動療法家としての蟹江医師自身の経験を題材に、精神科医療における女性医師の特性を明らかにし、女性医師だからこそ担える役割について検討しています。
① 女性患者の治療における役割について
蟹江絢子医師の経験を事例として、特に周産期における女性の悩みと、認知行動療法の技法(行動活性化、認知再構成、問題解決法、アサーション、曝露)を用いてその悩みにどう対応したかを示し、女性の悩みの解決方法の一案を提示。過去、蟹江絢子医師自身も、「子どもを預けてまで仕事をしていいのか」と考えて罪悪感を覚えていたが、認知再構成で自分の考えを客観的に見直した例について述べています。
② 医療現場における女性医療従事者の課題について
女性が子育てをしながら医療現場に参加し続けられる環境をつくるために、現状の困難の可視化とその解決に向けた提案をしています。現状の困難としては、子どもの体調により仕事のペースの予測がつきづらく積極的になれないこと、時短勤務のはずが自宅で対応をしてしまうこと、場を乱しているのではないかという不安感をずっと抱えることなどに言及しています。
③ テクノロジーによる女性医師のキャリア形成について
妊娠・出産で医療現場から一時的に離れる可能性のある女性医師だからこそできる考え方や挑戦があるとし、VR(バーチャルリアリティ)という新しいテクノロジーを用いた治療プログラムに挑戦している蟹江絢子医師の一例を紹介している。また、デジタルテクノロジーを生かすことで、医療者の知識・経験を医療現場に還元することが可能になっていること、デジタルテクノロジーを活用して、プロダクトを開発し普及することで、飛躍的に多くの患者に治療を提供できると考えていること、デジタルテクノロジーにより地域に支援に出向くことができる可能性等を述べている。
■「精神科治療学」編集委員会 選評
本論文は、女性精神科医という当事者的側面と、第一線の研究者としての側面とを見事に融和させ、しかも、それをまったく新しい形式で書くという冒険に挑んでいる。当事者としての立場からは、出産や育児をめぐる女性ならではの悩み、あるいは、女性が子育てしながら医療業界でキャリアを積み上げることの煩悶を取り上げ、一方の研究者としての立場からは、そうした自身の悩みや煩悶に対して、認知行動療法家の著者にとっては自家薬籠中の手法から自ら開発したワークシートを用いた振り返りとロールプレイを適用し、乗り越えていくプロセスを描写している。
この前衛的な様式は、一個人の物語を普遍へと押し広げ、効果的な臨床技法の伝達方法となっているばかりか、Webや動画には決して真似のできない、紙媒体ならではの表現の可能性まで予感させてくれる。その意味では、本論文は「作品」と言ってもよい水準に達しており、最優秀賞にふさわしいと考える。
■蟹江 絢子医師 プロフィール
株式会社ジョリーグッド 上級医療統括顧問 蟹江 絢子医師
筑波大学医学専門学群医学類卒業。国立精神・神経医療研究センターにて精神科臨床に携わりつつ、うつ病、不安症、強迫症、統合失調症、発達神経症等の精神疾患や周産期メンタルヘルスに対してCBTを用いた臨床・研究。 研修に従事する。 東京医科歯科大学大学院にて認知行動医学系博士課程卒業。 2014年よりは、厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザーとして、医療従事者に対してCBTの実践教育を手がけている。2021年より、弊社代表の上路の目指すビジョンに共感しジョリーグッドに参画。
■株式会社ジョリーグッドについて(https://jollygood.co.jp/)
ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。
VRを活用したデジタル治療について興味をお持ちの医療メーカーや製薬会社様は、ぜひお問い合わせください。
VRDTx事業に関する問い合わせ先:https://vrdtx.com/contact
【企業理念】
テクノロジーは、それを必要とする人に使われて、初めて価値がある。
【ミッション・ビジョン・バリュー】
ミッション:『テクノロジーで人の成長を加速する』
ビジョン:『成長体験を増やし、人生を豊かなものに』
バリュー:『アップデートを楽しみ、本質と価値にこだわる』