実験中の事故を防ぐため、VR教材で危険な実験を疑似体験 仮想現実(VR)を駆使して化学実験に関する特別安全講義を実施

危険作業における火災・爆発事故のCG映像(左)、VR教材での学習の様子(右)
危険作業における火災・爆発事故のCG映像(左)、VR教材での学習の様子(右)

近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)は、令和5年(2023年)10月6日(金)、学部生の実験補助を行う近畿大学大学院総合理工学研究科物質系工学専攻の大学院生約30名に対して、VR教材を活用した特別安全講義を実施します。多発する実験中の事故を防ぐため、化学実験に関わる危険な作業をVRでリアルに体験します。

【本件のポイント】
●理工学部生の実験補助に携わる大学院生約30名を対象に特別安全講義を実施
●現実ではシミュレーション不可能な「危険作業」や「危険な化学現象」を、VR教材で疑似体験
●危険な状況を疑似体験することで、安全意識を高め、事故の防止や被害軽減に役立てる

【本件の背景】
化学実験では、扱う薬品の危険性を正確に理解していないことが原因で、大きな事故が起こる可能性があります。実際に、全国各地の小学校、中学校、高校、大学において、理科や化学の実験中に気分が悪くなる、発火するなどの事故が発生しており、近畿大学においても安全な実験を実施するための対策が必須であると認識しています。一方で、教科書や参考書の情報だけでは、実験中にどのような事故が起こり得るのか、危険性を正しく理解し対策をとるのが難しいことも事実です。
そうした経緯から、理工学部では、近畿大学教育改革・学生支援プロジェクト助成金を基に、令和5年度(2023年度)から取り組んでいる「ICT(情報通信技術)-VR(仮想現実)・MR(複合現実)-活用による国際的修士育成プロジェクト」(代表:理工学部応用化学科教授 今井喜胤、同エネルギー物質学科教授 中井英隆)の一環として、今回の特別安全講義を実施することになりました。

【本件の内容】
TA(Teaching Assistant)として学部生の実験補助に携わる大学院生約30名が、株式会社住化分析センター(大阪府大阪市)提供の「危険体感教育のためのVR教材」を用いて、化学実験に関わる危険作業や危険な化学現象をVRで疑似体験します。本講義を通して危険感受性を高め、事故の未然防止や被害軽減に役立てることを目的としています。
使用するVR教材は2種類あり、1つ目の「360度映像視聴型」教材では、VRゴーグルを装着し、360度カメラで撮影した化学実験の実写映像を、実験者目線で視聴します。引火、ガス爆発、混合混触、機械的衝撃など、現実では実施しづらい危険作業を伴う実験を、VR教材でリアルに体験します。
2つ目の「3D-CG(3次元コンピューターグラフィックス)映像視聴型」教材では、VRゴーグルを装着し、実験室や製造現場などを再現したVR空間内において合成実験を行い、その際に起こり得る事故を3D-CG映像で体験します。コントローラーを操作してVR空間内で作業を行いながら、自分の行為に起因して発生する事故を体験するため、より臨場感のある学習が可能です。

【実施概要】
日時:令和5年(2023年)10月6日(金)13:15~16:30
場所:近畿大学東大阪キャンパス 38号館2階 多目的利用室
   (大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分)
対象:近畿大学大学院総合理工学研究科物質系工学専攻の大学院生 約30名
スケジュール:13:15~14:45 「360度映像視聴型」教材を用いた講義
       14:45~15:00 休憩
       15:00~16:30 「3D-CG映像視聴型」教材を用いた講義
               
【ICT-VR・MR-活用による国際的修士育成プロジェクト】
近畿大学教育改革・学生支援プロジェクト助成金を基に、令和5年度(2023年度)から2年間実施されるプロジェクト。"世界がキャンパス"を合言葉に、理工系におけるオンライン交流を充実させ、情報通信技術(ICT)である「仮想現実(VR)・複合現実(MR)デバイス」を活用して効果的な教育環境を構築し、国際的に活躍できる修士の育成を目指しています。

【関連リンク】
理工学部
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/


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