未熟児網膜症の治療で国際貢献 インドネシアから小児患者を受け入れ、未熟児の失明危機に挑む

近畿大学医学部附属病院(大阪府大阪狭山市)は、未熟児網膜症の治療のためインドネシアの小児患者1人(女児/生後7ヶ月)を受け入れます。平成29年(2017年)11月22日(水)に医学部堺病院(大阪府堺市)眼科部長・教授の日下俊次(くさかしゅんじ)が手術を行います。

【本件のポイント】
●未熟児網膜症手術の世界的権威である日下教授に受入要請があり、来日・治療が実現
●未熟児網膜症は十分に治療できない国が多く、新興国における失明の主原因
●関西国際空港クリニックと連携して海外患者受け入れ体制を確立し、国際貢献をめざす

【本件の概要】
未熟児網膜症とは、低出生体重児にみられる病態で、網膜血管が未熟なため網膜血管が正常に発達しないことで発症します。悪化すると網膜剥離をおこし最悪の場合失明につながり、新興国では失明の主原因と言われています。
未熟児網膜症手術の世界的権威である日下俊次は、国内外からの患者様を広く受け入れており、海外からの受け入れは今回が6例目となります。インドネシアからは、平成26年(2014年)に2人、平成28年(2016年)に1人をこれまでに受け入れており、今回が4例目となります。
近畿大学医学部は、関西国際空港内にもクリニックを設置し、医師と看護師を常駐させています。関西国際空港クリニックと連携を取りながら、今後さらに海外の患者様の受け入れ体制を確立し、国際貢献につなげていきます。

■治療スケジュール
11月20日(月)医学部堺病院と医学部附属病院にて外来受診
11月21日(火)医学部附属病院に入院
11月22日(水)手術
11月23日(木)退院予定
(手術の状況、患者様の容態等によりスケジュールが変更になる場合があります。)
■場所:近畿大学医学部附属病院
   (大阪府大阪狭山市大野東377-2、南海高野線「金剛」駅からバス約20分)

【本件の背景】
未熟児網膜症の重症化を防ぐためには、(1)小児外科(新生児科医)の適切な管理、(2)眼科医による適切な時期の診察および必要な患者への治療、の2点が重要といわれていますが、インドネシアでは上記の2点の環境が不十分であり、重症化するケースが多く見られます。また、症状が軽度の段階での手術はインドネシア国内で行うことができますが、症状が重症化している段階では手術ができる医師が少なく、治療は困難です。
未熟児網膜症手術の世界的権威である日下俊次は国内外からの患者様を広く受け入れており、インドネシアからは平成26年(2014年)9月に未熟児網膜症患者2人(男児生後9ヶ月・女児生後5ヶ月)、平成28年(2016年)5月に同疾患患者1人(女児生後4ヶ月)を受け入れて治療にあたりました。その実績が評価されて、インドネシアの医師から3度目の要請を受け、今回の患者様の来日と治療が実現しました。

【医師紹介】
医学部堺病院眼科部長・教授 日下俊次
所   属:近畿大学医学部堺病院 眼科教授
最終学歴 :大阪大学医学部卒
学   位:博士(医学)(大阪大学)
専門分野 :網膜硝子体疾患の外科的治療
症例手術数:硝子体手術 300~400件/年
      (うち未熟児網膜症を含む小児例60~80件程度)
      白内障手術 800~900件/年
コメント:
子どもの目を預かることの重要性をいつも感じています。未熟児網膜症に対する硝子体手術は施行できる医師が少なく、海外からの問い合わせも増え続けています。患者様が普通の生活を送れるように、少しでも良い結果を出せるよう全力をつくしたいと思います。

【関連リンク】
医学部堺病院 教授 日下 俊次(クサカ シュンジ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/566-kusaka-shunji.html


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