甘くて病気に強い新品種メロンの初収穫と試食を実施 近畿大学農学部と株式会社松井農園の共同開発による新品種「バンビーナ」

近畿大学農学部(奈良県奈良市)農業生産科学科教授野々村照雄らは、株式会社松井農園(奈良県磯城郡田原本町)との共同研究で、メロンの新品種「バンビーナ」を開発しました。メロンが枯れてしまう病気「フザリウム病」への耐性を持ち、かつ糖度が高いことが特徴です。このたび、平成29年(2017年)7月19日(水)、松井農園の温室にて、バンビーナの初収穫と試食を行い、今後の商品化について意見を交わします。

【本件のポイント】
●近畿大学と松井農園の共同研究で、フザリウム病に強く、糖度の高いメロンを開発
●近畿大学は奈良県との包括的連携協定に基づき、将来的に奈良県の特産品化を目指す
●学生は、新品種開発を通じて、作物の病気予防の方法を実践的に学ぶ

【本件の概要】
フザリウム病は、カビの一種であるフザリウム病菌が植物に感染することで発症します。発症すると最終的には枯れるうえ、土壌に菌が残るため、継続的に被害が発生してしまいます。そこで、フザリウム病に強く、かつ糖度の高いメロンを開発するため、近畿大学農学部と松井農園は、平成28年(2016年)4月から共同研究を行ってきました。
研究により、メロン苗の根にフザリウム病菌の胞子を接種すると、フザリウム病菌に対し耐性を持つことを発見しました。また、夕張メロン等の他品種が糖度13~15であるのに対し、糖度16以上の、甘くて病気に強いメロンが完成し、「バンビーナ」と命名しました。
今回は、「バンビーナ」を学生とともに収穫した後、試食を行い、今後の商品化に向けて意見を交わします。

■日 時:平成29年(2017年)7月19日(水)14:00~16:00
■場 所:株式会社松井農園
     (奈良県磯城郡田原本町秦庄272、近鉄橿原線「笠縫駅」から徒歩約3分)
■参加者:近畿大学農学部 教授 野々村照雄、農業生産科学科の学生 12人
     株式会社松井農園 代表取締役 松井邦彦

【フザリウム病菌によるメロンつる割病について】
フザリウム病菌(Fusarium病菌)は、植物の根から侵入・感染する土壌病原菌の一種です。特に、メロンに病気を引き起こすフザリウム病菌を、メロンつる割病菌(Fusarium oxysporum f. sp. melonis)と呼んでいます。本菌がメロンの根から侵入・感染すると「つる割症状」が起こり、最終的にメロンは枯死します。そのため本病は難防除病害の一つとされ、農業上、大変問題とされています。本病に対する防除法では、土壌殺菌などを利用した物理的防除や病害抵抗性植物などを利用した生物的防除が試みられています。

【メロン品種「バンビーナ」について】
近畿大学農学部と松井農園で共同開発したメロン品種です。奈良県の特産品となることを目指し、品種名を奈良で有名な鹿から「子鹿のバンビ」を連想し、「バンビーナ:Bambina」と命名しました。本品種は、メロンつる割病に対して耐性を示すとともに、果実中には機能性を有する成分(ギャバ:β-アミノ酪酸)を含み、高糖度(Brix値16以上)です。本品種を開発したことで、メロンをもっと身近で、かつカジュアルな果物にし、奈良県の特産品の一つとしてアピールできるものと考えています。

【株式会社松井農園について】
株式会社松井農園は、メロンとスイカ専門の種苗メーカーです。独自の技術で最良の品種を開発し、常に他にはないマツイオリジナルのメロンとスイカを追求しています。松井農園のオリジナル品種は数々のコンクールで高い評価を得ています。全日本メロン原種コンクールにおいて、昭和40年(1965年)にトップメロンS号が銅牌、昭和43年(1968年)にトップメロンH号が1等特別賞、平成2年(1990年)にメロンエスプリが銅牌受賞など。現在、主力メロン品種「肥後グリーン」は「味の良い、おいしいメロン」として大人気です。

■創   業 :昭和27年(1952年)2月
■代表取締役 :松井 邦彦
■所 在 地 :奈良県磯城郡田原本町秦庄272
■事業内容  :メロンとスイカの育種 採種 販売
■WEBサイト:http://www.matsui-nouen.jp
        http://www.kandoumelon.jp

【関連リンク】
農学部農業生産科学科 教授 野々村 照雄(ノノムラ テルオ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/162-nonomura-teruo.html

共同開発したメロン「バンビーナ」
共同開発したメロン「バンビーナ」

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