重症な喘息症状を緩和する「気管支サーモプラスティ」療法、4月から保険診療下に 近畿大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科

近畿大学医学部附属病院(大阪府大阪狭山市)の呼吸器・アレルギー内科(教授:東田 有智)では、重症喘息に対する最新の治療法である「気管支サーモプラスティ」が、平成27年(2015年)4月1日(水)より保険診療下となりました。

【本件のポイント】
● 重症の喘息に対する最先端治療「気管支サーモプラスティ」を保険診療下で導入
● 保険診療が認められた事で経済的負担が軽減し、より多くの喘息患者へ適応が期待

【本件の概要】
喘息は呼吸器疾患の中でも患者数の多い疾患であり、完治させる治療法は見つかっていません。これまでは、症状に応じて複数の喘息薬を組み合わせ、容量を加減して症状をコントロールする薬物治療が主となっていました。しかしながら、薬物治療だけでは喘息症状をコントロールできない重症度の高い患者は有効な治療方法が無く、喘息発作の不安を抱え、日常生活が大きく制限されています。

気管支サーモプラスティとは、気管支鏡下に行う処置の事で、喘息の気管支収縮の要因となる増大した気道平滑筋の量を軽減させて気道の反応性を抑制し、喘息症状を緩和します。海外では平成23年(2011年)頃から各国で導入が進んでいましたが、日本国内では近畿大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科教授の東田らが牽引し、平成26年(2014年)9月に医療承認、平成27年(2015年)4月1日より保険適用となりました。これにより喘息患者への経済的負担が軽減し、より多くの患者へ適応されることが期待されます。

【気管支サーモプラスティを用いた治療について】
気管支鏡下に行う処置で、気管支鏡に細いバスケット型の電極カテーテルを挿入し、気管支壁を約60度で10秒加熱します。それにより、喘息の気管支収縮の要因とされる、増大した気道平滑筋の量を減少させて気道の反応性を抑制し、喘息症状を緩和します。

処置は3週間の間隔を空け3回セットで行い、その際は入院が必要になります。術後は喘息専門医の下で、薬物治療による喘息症状の管理を継続します。

近畿大学医学部附属病院では、喘息患者1名に対し気管支サーモプラスティを用いた1回目の治療を2月に初めて行っており、3回目の治療を本日4月7日(火)に行います。

※対象者
気管支鏡手技が可能な、高用量の吸入ステロイド薬及び長時間作用性β2刺激薬で喘息症状がコントロールできない18歳以上の重症喘息患者

【東田 有智(とうだ ゆうぢ) プロフィール】 
近畿大学医学部内科学教室 呼吸器・アレルギー内科部門 教授
近畿大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科 診療部長
日本内科学会評議員(認定医・指導医)
日本アレルギー学会評議員(専門医・指導医)
日本呼吸器内視鏡学会評議員・理事
日本気管支学会評議員(専門医・指導医)
日本肺癌学会評議員
日本気管食道科学会評議員・理事(認定医)
国際喘息学会 幹事 他

東田 有智
東田 有智
気管支サーモプラスティ治療の概念図
気管支サーモプラスティ治療の概念図
健常者と喘息患者の気道断面図
健常者と喘息患者の気道断面図