カーボンニュートラルの実現に向けて大学と商社が連携 バイオコークスを社会実装し、鉄鋼業界のCO2排出量削減を目指す

バイオコークス(左)と燃焼の様子(右)
バイオコークス(左)と燃焼の様子(右)

近畿大学(大阪府東大阪市)と住友商事インフラ事業部門のグループ会社である住友商事マシネックス株式会社(東京都千代田区)は、カーボンニュートラルなバイオリサイクル燃料として注目される「バイオコークス」のさらなる普及に向けて連携し、特に鉄鋼業界において、石炭コークスのバイオコークス代替によるCO2排出量削減に取り組みます。大学が研究・開発した技術を、商社のネットワークを生かして社会実装することで、ゼロ・エミッションやSDGsの目標達成と社会貢献を目指します。
なお、実現にむけて産学連携によるコンソーシアムを立ち上げており、近畿大学と住友商事マシネックス株式会社のほかに、株式会社ナニワ炉機研究所(大阪府東大阪市)、ヤマトスチール株式会社(兵庫県姫路市)、株式会社栗本鐵工所(大阪府大阪市)が参画しています。

【本件のポイント】
●カーボンニュートラルなバイオリサイクル燃料「バイオコークス」の普及に向け、大学と商社が連携
●産学連携によるコンソーシアムを立ち上げ、鉄鋼業界のCO2排出量削減に取り組む
●将来的には、バイオ資源と産業界の地域循環共生圏を創造し、循環型社会の確立を目指す

【本件の内容】
「パリ協定」の達成に向けて、温室効果ガスの排出削減が世界的な喫緊の課題となっています。我が国においても、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることが政府によって宣言されています。
鉄鋼業界は、我が国の産業部門から排出されるCO2の35%以上※ を占めており、鋳鉄溶解炉である電気炉、キュポラともに、CO2排出量削減に向けた抜本的な対策は見えていないのが現状です。近畿大学と住友商事マシネックス株式会社が立ち上げたコンソーシアムでは、電気炉やキュポラで使用されている石炭コークスを、近畿大学が開発したカーボンニュートラルなバイオリサイクル燃料「バイオコークス」に代替することにより、鉄鋼業界におけるCO2の排出量削減を目指しています。
これまでにも、バイオコークスをキュポラの燃料として使用した実績はありますが、コンソーシアムによる実証実験によって、電気炉においても十分に石炭コークスの代替となることが確認されました。バイオコークスは、食物加工残渣や衣料廃棄物など多様なバイオ資源を原料としており、さまざまな成分が混在していますが、電気炉やキュポラでは非常に高温で燃焼するため原料による影響を受けません。また、バイオコークスは高い圧縮強度を持つため、高温環境下での緩慢燃焼が可能であり、電気炉やキュポラでの使用に非常に適しています。
まずは鉄鋼業界での社会実装を目指しますが、その後は、バイオコークスの活用によって、農山村と都市、農林業と工業といった、バイオ資源と産業界の地域循環共生圏を創造し、循環型社会の確立を目指しています。
なお、本取り組みについて、近畿大学と住友商事マシネックス株式会社は、令和4年(2022年)12月7日(水)から9日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2022」に共同出展します。
※ 環境省「2020年度温室効果ガス排出量」より

【バイオコークス】
従来は廃棄物として処理される食物加工残渣、衣料廃棄物、間伐林などのバイオマス(再生可能な、生物由来の有機性資源)を原料として製造する固形燃料。平成17年(2005年)に、近畿大学バイオコークス研究所所長の井田 民男らが開発しました。光合成を行う植物資源等を100%原料にしているため、CO2排出量ゼロのカーボンニュートラルなエネルギーとして普及が期待されています。

【コンソーシアムに参画する大学・企業とその役割】
<近畿大学>
役割 :バイオコークス製品技術の研究・開発
所在地:大阪府東大阪市小若江3-4-1
学長 :細井 美彦
設立 :大正14年(1925年)
学部 :15学部49学科
情報学部、法学部、経済学部、経営学部、理工学部、建築学部、薬学部、文芸学部、総合社会学部、国際学部、農学部、医学部、生物理工学部、工学部、産業理工学部

<住友商事マシネックス株式会社>
役割  :社会実装に向けた開発支援、流通
所在地 :東京都千代田区一ツ橋1-2-2 住友商事竹橋ビル10・11F
代表者 :代表取締役社長 山名 宗
創立  :昭和37年(1962年)2月28日
事業内容:鉄鋼・非鉄金属製造プラント/工作機械/食品・医薬品製造装置/半導体・液晶製造装置/各種検査装置/産業用ロボット/物流システム/建築設備機器/環境保護用設備機器/光通信システム/インターネット関連機器/各種ネットワークシステム/コンピュータ関連機器等の国内販売と貿易
資本金 :53億円

<株式会社ナニワ炉機研究所>
役割  :バイオコークスの製造設備技術
所在地 :大阪府東大阪市新町12番34号
代表者 :代表取締役社長 村田 博敏
設立  :昭和39年(1964年)12月19日
事業内容:日本唯一の鋳鉄溶解プラントの専門メーカーとして、蓄積技術・海外技術導入・研究開発により常に技術向上を目標として設計・製作・工事・操炉までフルプラントエンジニアリングを行う
資本金 :2,000万円

<ヤマトスチール株式会社>
役割  :電気炉におけるバイオコークス活用時のCO2削減効果の実証
所在地 :兵庫県姫路市大津区吉美380番地
代表者 :代表取締役社長 山内 靖彦
創立  :平成15年(2003年)10月1日(大和工業株式会社より分社)
事業内容:鉄鋼製品の製造販売
     H形鋼・I形鋼・溝形鋼・鋼矢板・不等辺不等厚山形形鋼
     船尾骨材を中心とした鋳鋼品・船舶製缶・重機械加工品
資本金 :4億5000万円

<株式会社栗本鐵工所>
役割  :キュポラにおけるバイオコークス活用時のCO2削減効果の実証
所在地 :大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号
代表者 :代表取締役社長 菊本 一高
創立  :明治42年(1909年)2月2日
事業内容:社会インフラと産業設備の2つの事業ドメインで社会に貢献
ダクタイル鉄管類/水道用バルブ・産業バルブ/鍛造プレス/粉体処理機/プラントエンジニアリング/耐磨耗鋳物・破砕機/建築資材/FRP(M)製品等の製造販売
資本金 :311億円

【関連リンク】
バイオコークス研究所 教授 井田 民男(イダ タミオ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/933-ida-tamio.html

バイオコークス研究所
https://www.kindai.ac.jp/bio-coke/