北海道産そば殻を原料にした「バイオコークス」を銭湯の燃料に エネルギー費高騰に苦しむ釧路市内の銭湯の支援を目指す

北海道産そば殻から製造したバイオコークスが燃焼する様子
北海道産そば殻から製造したバイオコークスが燃焼する様子

釧路工業高等専門学校(北海道釧路市)と近畿大学バイオコークス研究所(北海道恵庭市)は、近畿大学開発のバイオリサイクル燃料「バイオコークス」を用いた銭湯ボイラの燃焼実験を行っています。釧路市内の老舗銭湯「栄湯」の全面協力のもと、北海道産のそば殻を原料にしたバイオコークスで銭湯の湯を沸かすことで、エネルギー費高騰に苦しむ釧路市内の銭湯(公衆浴場)を支援することを目指し、共同研究に取り組んでいます。

【本件のポイント】
●廃棄予定の北海道産そば殻からバイオコークスを製造し、銭湯の湯を沸かす燃料に
●エネルギー費高騰に苦しむ釧路市内の銭湯で使用し、持続可能な地域産業振興と資源循環型・ゼロカーボン社会の実現を目指す
●バイオコークスの特性により、作物残渣をはじめとする高灰分の草本系バイオマスを燃焼する際の課題であった、燃焼灰溶融(クリンカ形成)を抑制

【本件の内容】
本共同研究は、昨今の急激なエネルギー費(燃料代/電力料金)高騰の影響を受ける銭湯において、使用エネルギーを地域で産出されるバイオマス燃料に転換することで、持続可能な地域産業振興と資源循環型・ゼロカーボン社会の実現に資することを目指しています。
釧路市内の老舗銭湯「栄湯」の全面協力を得て、北海道産そば殻を原料としたバイオコークスを既存の燃料に置き換えて湯を沸かす実証試験及び社会実装に取り組んでいます。農業が盛んな北海道では、そばや小豆をはじめ多くの農作物が生産されていますが、可食にならない作物残渣(草本系バイオマス)も大量に発生しています。これらの一部は、農地の地力維持や有機肥料として収穫後の農地に鋤きこまれて活用されていますが、余剰分は事業系廃棄物として処分されているのが現状です。その廃棄されている作物残渣からバイオコークスを製造し、湯を沸かすための資源循環型燃料として生まれ変わらせ、持続可能な社会への貢献と地域社会の活性化を目指します。
なお、先行研究により、灰分の多い草本系バイオマス燃焼時の最大の課題とされてきた燃焼灰の溶融(クリンカ形成)は認められませんでした。このことから、バイオコークスが持つ高密度特性によって、クリンカ形成が抑制(燃焼灰の形質が改善)されることを確認しています※。
※ 釧路工業高等専門学校の学生が、令和5年(2023年)3月4日(土)に札幌市で開催された「日本機械学会北海道支部学生員卒業研究発表講演会」で発表(JSPS科研費22K12453成果の一部)。

持続可能な地域産業振興と資源循環型・ゼロカーボン社会の実現を目指す「循環型農林地域圏構想」
持続可能な地域産業振興と資源循環型・ゼロカーボン社会の実現を目指す「循環型農林地域圏構想」

【バイオコークス】
従来は廃棄物として処理される食物加工残渣、衣料廃棄物、間伐林などのバイオマス(再生可能な、生物由来の有機性資源)を原料として製造する固形燃料。平成17年(2005年)に、近畿大学バイオコークス研究所所長の井田 民男らが開発しました。光合成を行う植物資源等を100%原料にしているため、CO2排出量ゼロのカーボンニュートラルなエネルギーとして普及が期待されています。

バイオコークス(左)、1500℃の高温環境下でのバイオコークスの燃焼(右)
バイオコークス(左)、1500℃の高温環境下でのバイオコークスの燃焼(右)

【関連リンク】
バイオコークス研究所 教授 井田 民男(イダ タミオ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/933-ida-tamio.html

バイオコークス研究所
https://www.kindai.ac.jp/bio-coke/