【コロナ太り対策】生活リズムの乱れで肥満になる理由は、ホルモンバランスにあり
ダイエット専門院・渋谷DSクリニックによる【ダイエット通信 vol.7】
新型コロナウイルスの感染拡大予防に伴うリモートワークや職場の休業などにより、通勤・通学が無くなったという方も多いと思います。
そこで健康面において懸念されるのが「生活リズムの乱れ・不規則な生活」です。外出自粛下において、あなたの生活リズム、特に睡眠はどう変わったでしょうか?
生活リズム、崩れていませんか?
まず考えられる変化が「起床時間が遅くなった」という点。休業により仕事自体が休みという場合もそうですが、リモートワークの方でも、通勤などの移動が無くなった分、起床時間が遅くなったり、生活が不規則になったという方も多いのではないでしょうか。さらに起床時間が遅くなることで「夜更かし」することも増えているかもしれません。
生活リズムの乱れ→ホルモンバランスの乱れ→さらには「コロナ太り」の原因に!
昨今、SNSやテレビでも取りげられている「コロナ太り」。その大きな原因は生活リズムの変化にあります。食事の変化や運動不足ももちろんですが、特に睡眠は食欲や代謝に関わるホルモンの分泌バランスに影響するため、夜更かしや睡眠不足は太りやすい習慣であると言えます。また、生活の変化でストレスを感じている場合、ストレスも食欲を増進する要因になり得ます。
ホルモンと肥満の関係
食欲や代謝に関わるホルモンは、生活リズムの影響を大きく受けます。いわゆる「コロナ太り」も、ここからきているかもしれません。主に睡眠に関連するホルモンについて説明します。
メラトニン
メラトニンはインスリンの分泌と関連しており、エネルギーバランスの制御を行っています。このメラトニンとエネルギー代謝の相互関係で、日中摂食時にはメラトニン分泌は低下し、一方でインスリン分泌が増加し、肝臓では解糖・グリコーゲン合成・白色脂肪組織合成などが行われます。
夜間、睡眠中の空腹時にはメラトニンの分泌が増加し、インスリン分泌は低下します。すると膵臓からグルカゴンが分泌され、空腹時の血糖が維持されます。肝臓ではグリコーゲンが分泌、糖新生が発生しており、白色脂肪組織は分解されます。そのため、夜間は摂食しなくても空腹を感じないのです。
しかし夜中に夜更かしをしたり、パソコンやスマートフォンでブルーライトを目に入れ過ぎるとメラトニンの分泌低下を招き、肥満のリスクが高まります。
グレリン・レプチン
起きている時間が長いと、その分カロリー消費が多く痩せそう…と思うかもしれませんがそれは間違いです。睡眠時間が短いと、食欲を刺激する「グレリン」というホルモンの分泌量が増え、逆に食欲を抑制するホルモンの「レプチン」の分泌量が減り、食べ過ぎになる傾向があります。
成長ホルモン
寝ている間にこの成長ホルモンが分泌され、脂肪分解作用が促進されます。特に深夜22〜2時頃に分泌が多くなるとされているため、夜更かしは成長ホルモンの分泌を低下させます。また、睡眠の最初の3時間で成長ホルモンが大量に分泌されるといわれているため、眠り始めの3時間をしっかりとることも大切です。
コルチゾール
睡眠不足の状態はストレスです。そのストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンが分泌され、脂肪を溜め込む作用があります。
「サーカディアンリズム(体内時計)」を整えよう
“サーカディンリズム”とは、人が持つ約24時間周期の生物リズムのことです。
体内時計や概日リズムとも呼ばれています。コロナ太り予防のためにも、生活リズム、つまりはホルモンバランスを整えておくことが非常に重要です。では、そのサーカディアンリズムを整えるためのポイントについて記します。
①睡眠時間は6〜7時間が理想
睡眠は、夜に最低でも6~7時間睡眠をとることが理想です。睡眠不足は食欲に大きく影響します。
では睡眠時間が長ければ長い方が良いのかというと、そうではありません。逆に"長時間睡眠"は、死亡、糖尿病、心血管疾患、冠動脈疾患、肥満などのリスク増大が関連しており、睡眠時間が9時間を超えると、健康アウトカムの有意な悪化傾向が認められるというデータも存在します。
②睡眠前にスマホなどを見すぎない
夜、寝る前にパソコンやスマートフォンでブルーライトを目に入れ過ぎると、先にあげたメラトニンの分泌低下に繋がります。
③夜更かししない
代謝向上に寄与する成長ホルモンの分泌ピークは夜中の2時。成長ホルモンは入眠〜3時間ほどでの分泌量が高まるため、23〜24時には就寝しておきたいものです。朝や昼ではなく夜にしっかり眠るのが大切ということでもあります。
免疫力のためにも、生活リズムを整えておこう
生活リズムの乱れは、免疫力の低下にも繋がります。自宅での時間が長いからと言ってこれまでのサイクルを乱すことなく、いつもの習慣を続けることが大事です。特に睡眠については、ホルモンバランスに関連してダイエットにも大きく関与しますので、これまでの生活で見直すべき点がある方はぜひ、これを機に規則正しい習慣づけをしましょう。
家でできる「コロナ太り」予防についてはこちらの2記事も参照してください。
記事監修:渋谷DSクリニック 渋谷院 院長・林博之