医学部教授2名が「Highly Cited Researchers 2022」に連続選出 臨床医学部門において本学医学部より2年連続同時受賞の快挙!

2022-11-16 14:00
医学部主任教授 工藤 正俊(左)、医学部主任教授 中川 和彦(右)

近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)内科学教室(消化器内科部門)主任教授 工藤 正俊と、内科学教室(腫瘍内科部門)主任教授 中川 和彦が、世界的な学術情報サービス企業、クラリベイト・アナリティクス社(Clarivate Analytics)の「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2022)臨床医学部門(Clinical Medecine)」に選出されました。
これは、世界の全論文のなかで引用回数が上位1%に入る研究論文を、複数発表し続けていることを意味します。工藤 正俊は令和元年(2019年)以降4年連続、中川 和彦は令和3年(2021年)以降2年連続の受賞となり、臨床医学部門において本学医学部から2年連続で2名の同時受賞となります。

【本件のポイント】
●医学部主任教授 工藤 正俊と、同主任教授 中川 和彦の2名が、クラリベイト・アナリティクス社「高被引用論文著者 臨床医学部門」に連続選出
●臨床医学部門において、本学医学部から2年連続で2名が同時受賞の快挙
●がん治療に関する論文引用が多く、近畿大学医学部および近畿大学病院が世界におけるがん治療を牽引していることを示す

【本件の内容】
「Highly Cited Researchers」とは、クラリベイト・アナリティクス社が運営する論文検索サービス「Web of Science」に収録の学術誌に発表された論文について、発表から1年間の被引用件数を分析したものです。自然科学及び社会科学の21分野に、一人の研究者が複数分野で論文を発表している場合の合計被引用件数を示すクロスフィールドカテゴリーを加えた、合計22分野における論文の被引用件数が世界の上位1%に該当するものを高被引用論文として定義し、平成26年(2014年)から毎年その著者がリストアップされています。
令和4年(2022年)にリストアップされた22分野6,938名のうち、日本の機関に所属している研究者は全領域で90名です。臨床医学部門において、全国の大学医学部での受賞は、本学医学部の教授2名のみとなっており、さらに2年連続2名同時受賞は快挙と言えます。

【受賞者紹介】

(1)工藤 正俊(くどう まさとし)
近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)主任教授
専門:消化器内科学
論文出版数(Publications):1,198
総引用数(Total Times Cited):46,735
※ 令和4年(2022年)11月現在

Publons:https://publons.com/researcher/3112744/masatoshi-kudo/metrics/
<受賞コメント>
本年も、この賞を頂くことになり大変光栄に思っています。特に臨床医学部門は日本人医学研究者の受賞が長らくゼロの領域でしたので、4年連続受賞は取り分け嬉しく思います。医学研究において、基礎研究と臨床研究はそのどちらかが優れるというものではなく、両方ともに重要です。両方ともに役割があり、その二つの領域がともに進歩することによって初めて患者さんが恩恵を被ることに繋がります。特に臨床研究で成果を挙げるには、まず、その領域の問題点が見えないといけません。実はその領域の高いレベルの臨床を知り尽くした人にしか、臨床の問題点は見えません。山に例えれば、高い山の頂きに立ってこそ次に乗り越えるべき山が見えてきます。そして、臨床を極めつくしてこそ見えてくる未解決の問題を、如何にして解決するかを考えに考え抜いてその一端を解決し、それを論文化する、さらに他の人がその先の問題点を解決する。臨床医学の進歩は、その繰り返しの上に成り立っています。その意味で臨床研究に終わりはありません。今後とも更に一層、高い目標に向かって進んでいきたいと考えています。
<直近の論文紹介(一部)>
論文名:NASH limits anti-tumor surveillance in immunotherapy-treated HCC
掲載誌:Nature (IF= 69.504)
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33762733/
  doi:10.1038/s41586-021-03362-0

論文名:Nivolumab versus sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma
(CheckMate 459):a randomised, multicentre, open-label, phase 3 trial
掲載誌:Lancet Oncol (IF= 54.433)
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34914889/
  doi:10.1016/S1470-2045(21)00604-5

論文名: Overall survival and objective response in advanced unresectable
hepatocellular carcinoma: A subanalysis of the REFLECT study
掲載誌: J Hepatol (IF= 30.083)
URL:https://doi.org/10.1016/j.jhep.2022.09.006

(2)中川 和彦(なかがわ かずひこ)
近畿大学医学部内科学教室(腫瘍内科部門)主任教授
専門:腫瘍内科学
論文出版数(Publications):578
総引用数(Total Times Cited):43298
※ 令和4年(2022年)11月現在

Publons:https://publons.com/researcher/4784574/kazuhiko-nakagawa/
<受賞コメント>
クラリベイトの賞を2年連続で受賞したことは、大変光栄なことと感謝しております。特に腫瘍内科学講座の教授として選出されたことは、日本での腫瘍内科学にもいくらかの貢献ができたのではないかと期待しています。
近畿大学医学部に内科学教室腫瘍内科学部門が新設されたのは平成14年(2002年)で、本格的な臨床講座としては日本初のことでした。日本では一般に、がんの薬物療法を担う腫瘍内科学は臓器別診療科に分かれて存在してきたため、内科学領域で独立した研究領域とは認められてきませんでした。平成19年(2007年)に制定された「がん対策基本法」により、がん薬物療法の専門家としての腫瘍内科医の重要性がクローズアップされたことから、多くの大学医学部に腫瘍内科学講座が設立され、今では多くの方の知るところとなりました。しかしながら、歴史の浅い殆どの腫瘍内科学講座は、少ない医局員で日常診療に忙殺されるため、研究業績を積み上げることが難しい状況が長きに渡り続いて参りました。
今回の受賞は、日本におけるひ弱な腫瘍内科学講座でも、研究者として認められ得ることを示しました。もちろん、この受賞は腫瘍内科医局員の頑張りによるもの、加えて近畿大学医学部および近畿大学病院がいち早く腫瘍内科学教室を設立し、良い環境と支援を頂いた賜物でございます。心よりの感謝と御礼を申し上げますとともに、日本全国の腫瘍内科学講座の今後の発展を切に祈ります。
<直近の論文紹介(一部)>
論文名:RELAY Subgroup Analyses by EGFR Ex19del and Ex21L858R Mutations for Ramucirumab Plus Erlotinib in Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer
掲載誌:Clin Cancer Res.(IF=13.801)
URL:https://doi.org/10.1158/1078-0432.CCR-21-0273

論文名:Pembrolizumab versus placebo as adjuvant therapy for completely resected stage IB-IIIA non-small-cell lung cancer (PEARLS/KEYNOTE-091): an interim analysis of a randomised, triple-blind, phase 3 trial.
掲載誌:Lancet Oncol. (IF=54.433)
URL:https://doi.org/10.1016/S1470-2045%2822%2900518-6

論文名:Open-label phase II study of the efficacy of nivolumab for cancer of unknown primary.
掲載誌:Ann Oncol. (IF=51.769)
URL:https://doi.org/10.1016/j.annonc.2021.11.009

【関連リンク】
医学部 医学科 教授 工藤 正俊(クドウ マサトシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/569-kudou-masatoshi.html
医学部 医学科 教授 中川 和彦(ナカガワ カズヒコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/755-nakagawa-kazuhiko.html

医学部
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近畿大学病院
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