【名城大学】森和俊・薬学部特任教授の就任記念特別講演会を開催

演題は「小胞体ストレス応答解析の黎明期」 教職員や学生ら約240人が聴講

講演する森特任教授
講演する森特任教授

2024年4月1日付で本学薬学部の特任教授に就任した京都大学高等研究院の森和俊特別教授の就任記念特別講演会が6月12日、薬学部と総合研究所が主催して、八事キャンパスのライフサイエンスホールで開催されました。細胞内の品質管理のはたらきをする「小胞体ストレス応答」の仕組みを解明し、ノーベル生理学・医学賞の有力候補者にも名前が挙がる著名な研究者とあって、メディアも6社が取材に訪れました。

「研究は強い者が必ず勝つわけではない。競争に負けることは考えないようにした」

本学の教職員や院生、学生に加え、学外からも含めて約240人の聴講者を前に、森特任教授は「小胞体ストレス応答解析の黎明期-熾烈を極めた大物研究者との先陣争い 大逆転を可能にした覚悟と勇気」と題して講演。まず、小胞体ストレス下では異常なたんぱく質が蓄積されて細胞にとって有害だが、細胞には危機管理能力があって修復するシステムが備わっており、これが「小胞体ストレス応答」と呼ばれることなどを説明しました。

研究生活を振り返った講演
研究生活を振り返った講演
熱心に耳を傾ける聴講者
熱心に耳を傾ける聴講者

続いて、米国テキサス大学博士研究員時代に「小胞体ストレス応答」に出会ってその研究に魅せられてからの35年間について、論文で2度も先を越されるなどライバルのピーター・ウォルター米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校教授と激しく競い合った日々を紹介し「酵母を使った遺伝学的スクリーニングを猛烈にやった」「研究は強い者が必ず勝つわけではない。競争に負けることは考えないようにした」などと振り返りました。

講演後には聴講者からの質問も相次ぎ、学生や若い研究者への指導法を尋ねられると、森特任教授は「『こちらがだめなら、もう一つの方で』と2つぐらいの道筋を示しておくのがいい」「成功体験を持たせることも必要」などと答えていました。また、講演後に行われた記者会見では、本学での抱負として「研究は地味ではあるが、本質を突き詰めることが大事だと示したい」「研究がおもしろいと思ってもらえることをしたい」などと意欲を示しました。

「森先生の人柄に触れて研究のモチベーションを高めて」と神野学部長

森特任教授の講演に先立ち、小原章裕学長と薬学部の神野透人学部長があいさつ。小原学長は「森先生の研究分野である生命科学の分野でも本学はさまざまな取り組みを行っており、森先生からアドバイスをいただくことで大きく飛躍することを期待します」と望みました。神野学部長は「森先生の研究や人柄にじかに触れることで研究のモチベーションを高めてください」と聴講者に呼び掛けました。

質問が相次ぐ
質問が相次ぐ
あいさつする小原学長
あいさつする小原学長
会見に臨む森特任教授
会見に臨む森特任教授
あいさつする神野学部長
あいさつする神野学部長

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