モノづくり観光での学生ガイドに関する研究発表 近畿大学経済学部 村上ゼミ

近畿大学(大阪府東大阪市)経済学部総合経済政策学科准教授の村上礼子ゼミの学生が、 平成27年(2015年)5月26日(火)ホテルセイリュウで行われた一般社団法人大阪モノづくり観光推進協会平成27年度通常総会にて、東大阪のモノづくり観光に関してまとめた研究結果を、協会の会員企業関係者に向けてプレゼンテーションしました。

【本件のポイント】
● 東大阪モノづくり観光に関する調査研究を行い、その成果を現場にフィードバック
● 地元東大阪の地域経済活性化に貢献

【発表の内容】
モノづくり観光協力企業へのアンケート調査結果では、企業側が旅行客を受け入れる際に人手不足の問題等を抱えていることが明らかになり、回答企業(26社)の8割が、そうした問題への対応として学生ガイドによるサポートがあったら良いと考えていることがわかりました。

また主な旅行客である修学旅行の関係者(中学・高等学校教員や保護者)へのアンケート調査では、回答者の8割以上が地元の大学生によるガイドサービスがあったほうが良いと回答しました。これらのことから、企業側からも旅行客側からも学生ガイドサービスに対するニーズはあるということがわかりました。

さらに、どのようなガイド内容が求められているのかを企業側と旅行客側へアンケート調査した結果、旅行客の誘導・進行管理や、企業のモノづくりへのこだわりや社風の説明に重点を置く必要があること、そしてエンターテイメント性(大阪らしさ)も期待されていることが明らかになりました。

次に学生ガイド団体の先駆けである京都の学生団体へのヒアリング結果などを基に、ガイド組織の形態や運営方法について検討しました。本調査を、モノづくり観光の当事者である企業関係者に報告し質疑応答を行うことにより、その結果を今後のガイド活動の改善につなげることが期待されます。

【調査の概要・背景】
本学経済学部の村上ゼミでは、多くのゼミ学生がボランティアガイドとしてモノづくり観光に参加してきました。本年度も、ゼミ3年生を中心とした13人でガイド活動を行っています。モノづくり観光において学生ガイドが果たす役割に注目し、モノづくり企業や主たる旅行客である中学・高等学校の関係者等へのアンケートやヒアリング調査を行い、その研究成果を、現場にフィードバックして議論を深め、今後の学生ガイド活動につなげることを目的に、協会の会員企業関係者に向けてプレゼンテーションを行いました。本研究は、2014年12月に日経BPマーケティング主催「西日本インカレ2014」※本選にて発表した内容(発表タイトル「モノづくり観光推進基本計画」)を再編集したものです。

近年、地域の資源を生かした着地型観光が注目されていますが、東大阪では、ホテルセイリュウ(東大阪市上石切町)を拠点に、一般社団法人大阪モノづくり観光推進協会により「モノづくり観光」の取り組みが行われています。町工場の見学を通して、今注目されている「モノづくり」の原点を若者たちに伝えるとともに、町工場で働く人たちがモノづくりに携わることを誇りに思える環境づくりのために、修学旅行生と地元のマッチング事業等を推進しています。「モノづくり観光」の年間の参加者は、約100件、6,600人(累計では約20,000人)にものぼります。こうした活動は新聞などのメディアでも多く取り上げられ、平成24年(2012年)には「JTB交流文化賞優秀賞」を受賞するなど、高い評価を受けています。

※「日経ビジネス」協力のもとで行われる、西日本地区の大学生のみが参加できる合同学術発表会。本学経済学部村上ゼミでは、64チーム出場した2014年度の大会予選で上位12チームの中に選ばれ、本選へと進みました。

【大阪モノづくり観光推進協会について】
■組織名称:一般社団法人 大阪モノづくり観光推進協会
■所 在 地:〒579-8012 東大阪市上石切町1-11-12 ホテルセイリュウ内
      TEL(072)-985-0331
■事業内容:
1.モノづくり観光プログラム企画開発
2.モノづくりをテーマとした観光・集客プログラムの実施
3.モノづくり観光推進に関わる人材の育成
4.モノづくり観光に関する情報収集及び発信事業
5.モノづくり観光関係者相互やマスコミ等との交流の場提供
6.目的を遂行するための関係機関・団体等との連絡協調
7.土産品の開発及び販売
8.講演会・セミナーの企画及び開催事業
9.各種イベントの企画、運営事業
10.地域振興を図るための企画、運営、コンサルタント業務及び情報提供

「西日本インカレ2014」での発表の様子
「西日本インカレ2014」での発表の様子
アンケート調査結果(一部)
アンケート調査結果(一部)

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