教員志望者の減少を食い止めるため 教員の仕事の魅力や働き方改革の事例を伝える講義を実施
近畿大学(大阪府東大阪市)と守口市教育委員会(大阪府守口市)が連携し、令和5年(2023年)12月18日(月)に、教職課程を履修する近畿大学生を対象とした講義を実施します。教員として働くことのやりがいや魅力、待遇面での民間企業との比較、働き方改革の現状などについて、守口市の事例を具体的に紹介することで、教員志望の学生が抱える不安や心配を軽減し、次世代を担う教員を育成することを目的としています。
【本件のポイント】
●教職課程を履修する学生を対象に、守口市教育委員会事務局教育部学校教育課の職員が講義を実施
●教員のやりがいや魅力、働き方改革の現状などを実際のデータを用いて説明
●守口市の具体例を伝えることで、学生が抱える不安や心配の軽減を図る
【本件の背景】
近畿大学では、建築学部・医学部を除く13学部および短期大学部で、教員免許を取得することができます。取得可能な教員免許は、中学校8種類(社会(一種)、社会(二種)、英語、数学、理科、技術、国語、美術)、高等学校13種類(地理歴史、公民、英語、商業、数学、理科、工業、国語、美術、工芸、情報、農業、水産)、栄養教諭一種です。また、他大学との連携協定による「小学校教諭免許取得支援プログラム※ 」も実施しており、学生はさまざまな教員免許を取得することができます。
一方で、東大阪キャンパスと奈良キャンパスにおける教職課程の履修者は、平成25年度(2013年度)の2,643人をピークに減少傾向にあり、令和5年度(2023年度)には1,697人と、10年前に比べて約1,000人も減少しています。
昨今、全国的に教員不足が大きな課題となっており、ある自治体が、教職課程を履修しながら最終的に教員以外の進路を選んだ大学4年生にアンケート調査を実施したところ、「休日出勤や長時間労働のイメージがある」「職務に対して待遇が十分でない」等の理由が挙がりました。近畿大学で教職課程を履修している学生を対象に行ったアンケート調査でも、さまざまな不安や心配から「教員になることへの迷いがある」と回答した学生が50%を超えています。
※ 本学の教職課程と並行して、提携する他大学において必要な科目を履修することで、小学校教諭一種免許状の授与資格を取得することが可能となる。
【本件の内容】
上記のような背景を受け、近畿大学では、市立学校を所管し、まさに教員志望者減という課題に直面している守口市教育委員会と共同で、教員をめざす学生を対象にした講義を実施します。「教育行政学」の授業において、守口市教育委員会事務局教育部学校教育課の職員が講師となり、教員として働くことのやりがいや魅力、民間企業との待遇(給与、休暇など)の比較、働き方改革の現状などを伝えるとともに、守口市における小中一貫教育やICT環境整備、コミュニティ・スクールなどの最新の教育環境を紹介し、学生が抱える不安や心配の軽減を図ります。
【開催概要】
日時:令和5年(2023年)12月18日(月)13:15~14:45、15:00~16:30
※ 同内容(各回約40人ずつ受講)
場所:近畿大学東大阪キャンパス 18号館2階 N201講義室
(大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分)
対象:「教育行政学」履修者 82人
1年生 60人、2年生 13人、3年生 5人、4年生 4人
講師:近畿大学教職教育部 教授 柴浩司
守口市教育委員会事務局教育部学校教育課 主幹 山口喜孝
内容:教員の仕事のやりがい
教員の平均年収、年休や育児休業取得状況等の民間企業との比較
守口市が推進する「学校における働き方改革」
小中一貫教育、ICT環境整備やコミュニティ・スクールなど、
守口市の最新の教育環境
【関連リンク】
教職教育部 教授 柴浩司(シバコウジ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2960-shiba-koji.html
近畿大学教職教育部
https://www.kindai.ac.jp/academics/teacher-training/