新型コロナウイルスの社会的影響について調査 余暇活動の変化と感染症に対する恐怖の関係性などが明らかに

調査では、コロナ禍に不安を感じる人は外出を控え、テレビなどを視聴している割合が高かった
調査では、コロナ禍に不安を感じる人は外出を控え、テレビなどを視聴している割合が高かった

近畿大学総合社会学部(大阪府東大阪市)総合社会学科 社会・マスメディア系専攻教授の辻 竜平は、「社会調査実習B」の授業において、「新型コロナウイルスの社会的影響にかかわる調査」を実施し、その成果をまとめました。
本調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大が人々の生活に及ぼす影響について調査する目的で、令和2年(2020年)11月初旬に実施しました。緊急事態宣言を契機とした「自粛」の中で、人々の余暇活動の内容やそれに当てる費用、地域における感染の多寡と情報探索行動、コロナウイルスへの恐怖の種類などを調査しました。

【本件のポイント】
●コロナ禍における余暇活動の変化、地域における感染の多寡と情報探索行動、不安の種類などを調査
●情報を得るメディアの種類と新型コロナウイルス感染症への不安との関係性などが明らかに
●学生が調査・分析に参加し、パンデミックによって発生する社会的変化について学ぶ

【調査方法】
調査期間 :令和2年(2020年)11月13日~15日
調査対象 :インターネット調査会社であるマクロミル社に登録している調査モニターのうち、全国の15歳から74歳の男女 700人
対象の分類:令和2年(2020年)4月7日に「緊急事態宣言」が発令された、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の7都道府県(大都市部)とそれ以外(地方部)に分類。以下の4つのカテゴリを設け、各カテゴリで同じ人数に対して調査を実施
(1)大都市部 男性 175人
(2)大都市部 女性 175人
(3)地方部  男性 175人
(4)地方部  女性 175人
調査項目 :新型コロナウイルス感染症に関する情報の入手先、緊急事態宣言以降の余暇活動について、Go Toトラベル・Go Toイートの利用回数、接触確認アプリの利用に関することなど、全31問
調査結果 :以下をご覧ください

【調査結果の分析】
調査の結果を受けて、「新型コロナウイルスの影響による余暇活動の変化」「新型コロナウイルスの流行にかかわる情報伝達」「新型コロナウイルスに対する恐怖」といった点について分析を行った結果、以下のような社会的影響が明らかになりました。
・感染について不安を感じる人は、外出を伴う余暇活動を控え、テレビを視聴していた。
・感染症の蔓延化によって日本や世界の経済に不安を感じる人は、家の中でできる余暇活動や、宗教・政治活動を行った。
・感染者数が少ない地域(地方)ほど、新聞やテレビから情報を入手する傾向があった。
・「誰かが感染した」という情報をつい誰かに言ってしまいたくなる、という現象は、普段から居住地域の情報についてよく見聞きする人に多かった。
・接触確認アプリCOCOAについて安心感をおぼえる理由は、感染症対策として適切だと考え、使用することが感染予防になると感じるため。一方不安を感じる理由は、個人情報を把握され、監視されているように感じるため。
・新聞やテレビによく接し、その情報を信用する人は、感染への不安が強かった。一方、医療・介護従事者は、あまり感染への不安を感じていなかった。
・感染者数の少ない地域の人ほど、「感染したら周囲の人から避けられるのではないか」という不安を抱いていた。
・新聞やテレビによく接する人ほど、自分や家族が新型コロナウイルス感染症によって経済的損失を受けるのではないか、という不安を抱いていた。
・新聞やテレビによく接する人や、専門的・公的機関からの情報を信用する人ほど、日本や世界の経済に不安を覚えていた。一方、医師や病院・医学誌からの情報、各国政府や公衆衛生部門・WHO、海外のマスメディアなどの情報に接する人や、SNS、週刊誌などを信用する人ほど、日本や世界の経済に不安を感じていなかった。

【授業概要】
授業名 :「社会調査実習B」
対象学部:総合社会学部 総合社会学科 社会・マスメディア系専攻
対象学年:3年生以上
履修人数:20人
概  要:アンケートを用いた量的調査の実習を行う授業です。問題の設定と仮説構築、調査票の作成、調査の実施、統計ツールを用いた分析、レポート作成までの一連の流れを実施しています。

【関連リンク】
総合社会学部 社会・マスメディア系専攻 教授 辻 竜平(ツジ リュウヘイ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2088-tsuji-ryuhei.html

総合社会学部
https://www.kindai.ac.jp/sociology/