ふくやま美術館で特別展「筑前左文字の名刀」を開催
ふくやま美術館（広島県福山市）で、特別展「筑前左文字の名刀」を開催します。本展覧会では、左文字の代表作である国宝《太刀 銘筑州住左（江雪左文字）》および《短刀 銘左／筑州住（太閤左文字）》（小松コレクション（ふくやま美術館寄託））を筆頭に、初期から円熟期にわたる名品を一堂に展観します。
【1．展覧会名】
筑前左文字の名刀
【2．主催】
(公財)ふくやま芸術文化振興財団 ふくやま美術館、福山市、文化庁、中国新聞備後本社
【3．協賛】
株式会社小松安弘興産
【4．会期】
2018年11月11日（日）～12月9日（日）[29日間] ※会期中無休
開館時間：9：30～17：00
【5．観覧料】
一般1,000円（800円） 高校生以下無料 ※( ) 内は20名以上の団体料金
【6．概要】
鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて筑前国（現 福岡県）博多を拠点に作刀した左文字は、左衛門三郎の略と伝わる「左」の一字を銘に切ることから、古来その名で呼ばれています。彼は従来の九州鍛冶の伝統であった、板目の流れた鍛え肌に匂口の沈んだ直刃調の刃文を焼くという地味な作風から脱却し、地、刃ともに明るく冴えて洗練された作風へと劇的な転換を遂げました。その作風は、安吉、行弘など多くの優れた門弟たちによって継承され、筑前鍛冶の黄金時代が築かれたのです。
本展覧会では、左文字の代表作である国宝《太刀 銘筑州住左（江雪左文字）》および《短刀 銘左／筑州住（太閤左文字）》（小松コレクション（ふくやま美術館寄託））を筆頭に、初期から円熟期にわたる名品を一堂に展観します。あわせて筑前鍛冶の先達である良西、入西、西蓮国吉、実阿をはじめ、門下の安吉、行弘、吉貞、国弘らの作品、そして室町時代から江戸時代に編纂された絵図・古伝書も加えたおよそ50点の作品と史料により、鎌倉時代から南北朝時代における筑前鍛冶の伝統と革新の様相に迫ります。
【7．展示構成】
第1章 筑前鍛冶の先達
左文字が出現する以前に活躍した筑前鍛冶には、良西、入西、西蓮、実阿の存在が知られていますが、彼らの確実な作品はごく僅かしか遺されていません。その多くは、鎌倉時代の九州鍛冶一般に共通するやや地味な作風が見られます。ここでは嚴島神社、熱田神宮など各地の神社に奉納された作品を交えた10口を紹介します。
第2章 左文字の名刀
実阿の子と伝わる左文字は、鎌倉時代以来の九州鍛冶の伝統を打ち破り、美しい鍛え肌に華やかに乱れた刃文を焼いた垢抜けした作風へと劇的な変化を遂げました。その美しさと力強さを兼ね備えた作品は多くの戦国武将を魅了し、桃山から江戸時代にかけて高く評価されました。ここでは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら戦国の覇者たちが所持した左文字の名刀が一堂に会します。
第3章 左の門流
南北朝時代の筑前鍛冶は、左文字の門人たちが活躍して黄金時代が築かれました。左文字の子である安吉をはじめ、門流には、行弘、吉貞、吉弘、国弘ら優れた刀工が輩出します。彼らは師風を受け継ぐとともに、それぞれの個性を加味した特色ある作品を遺しました。ここでは約20口の作品によって、左文字の作風が弟子たちによっていかに継承されたかをご覧いただきます。
【8．関連事業】
（1）記念講演会「左とその一門」
日時： 11月24日（土） 14：00～15：30 （開場13：00）
会場：ふくやま美術館 2階講義室
定員：100名（先着順） 聴講無料
講師：原田一敏（ふくやま美術館館長）
（2）ギャラリートーク
日時：11月18日（日）、12月1日（土） 各日14：00～15：00
会場：ふくやま美術館 1階企画展示室 ※当日の特別展観覧券が必要
講師：担当学芸員
【本リリースに関するお問い合わせ先】
ふくやま美術館
TEL：084-958-3200
◆福山市について
福山市（市長：枝広 直幹）は、瀬戸内海沿岸のほぼ中央、広島県の東南部に位置し、高速道路網のアクセスが良く新幹線「のぞみ」も停まる、人口約47万人の拠点都市です。
福山市には四季折々の美しさを見せる自然、温暖な気候、海・山・川から得られる恵みがあります。100万本のばらが咲き誇る「ばらのまち」としても知られ、潮待ちの港として栄え日本遺産に認定された景勝地「鞆の浦」や、JR福山駅の新幹線ホームから見え、2022年には築城400年を迎える「福山城」、2つの国宝をもつ寺院「明王院」などの名所があります。
産業としては、鉄鋼業や繊維産業など多様な製造業が集積し、ものづくりのまちとして発展してきました。デニム生地は、世界のハイブランドにも活用されるなど高い品質が評価されています。
福山市公式ホームページ
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/
