"着物になれなかった着物生地"を活かしたアイピロー いと半×近畿大学 共同開発「シル近ピロー」販売 ~着物を「着る」から「使う」へ コロナ禍で激変した日常に癒しを~
着物生地の特性を活かしたフェイスケア製品を企画・販売する「いと半」(京都府京都市)と近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)商学科准教授 滝本 優枝ゼミの学生は、着物を作るうえで、もはや着物生地としては使えないとされている「シルクの生成り生地」を使用して、目の疲れをケアするアイピロー「シル近ピロー(しるきんぴろー)」を共同開発しました。
本商品の完成発表展示会、販売会を2022年12月1日(木)~13日(火)に京都・嵐山のアートギャラリー「シグナス」にて開催します。
【製品概要】
商品名 :シル近ピロー
販売価格:¥3,300(税込)
仕様 :「小豆×桧」「小豆×桧×ローズ」の2タイプ
カラー :曙色・常磐色・生成り色・菖蒲色・勿忘草色(5色展開)
販売場所:いと半ネットショップ https://itohan-kyoto.stores.jp/
販売元 :いと半 TEL(090)5465-1116
使用方法:電子レンジ(500w)で40秒間温めて目の上に置いてご使用ください。
備考 :「小豆×桧×ローズ」は個数限定販売(100個限定)
【完成発表展示会・販売会】
日時:2022年12月1日(木)~13日(火) 10:00~17:00
場所:アートギャラリー「シグナス」
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町23(京福線嵐山駅出口から徒歩約4分)
TEL(075)872-6588
内容:ギャラリー内の1ブースにて製品の展示と販売を行い、いと半関係者と近大生がブースにてご説明します。
【シル近ピローのこだわり ~すべては「癒し」のために~】
<素材へのこだわり>
表地には、いと半が得意とするシルク製着物生地である「生成(きな)り生地」を使用しています。「生成り生地」は、丹後ちりめんの白生地が日に焼けたもので、着物生地としては使えないとされていますが、「使うもの」として活かすべく、100%シルクであることの肌への"優しさ"という特性をアイピローに取り入れました。経年変化による穏やかな風合いによる柔らかさ・軽さ・暖かさから「癒し」を感じていただくことを軸に、西陣織産地での染色や、友禅紙、組紐など京都の着物文化の結集となる素材を組み合わせ、「伝統を守り抜く大切さ」を伝えていきます。
<香りへのこだわり>
アイピローの中身に使用する材料は、17種以上の自然素材やハーブの中から、近畿大学薬学部の実験をもとに、香りで「癒し」効果のある素材を選定し、桧・小豆・ローズを組み合わせました。
<色へのこだわり>
「癒し」を表現するために、色を重要視しました。日本の伝統色から、色が持つ意味を考慮した5色を採用。それぞれの色に「私達からのメッセージ」を込めています。
●曙色(あけぼのいろ):「夜明け」つまり「一日の始まり」の色。シル近ピローで一日の疲れを癒し、今日が朗らかな一日となりますように。
●常磐色(ときわいろ):「永久不変」の意味をもつ色。シル近ピロ―で心身ともに癒し、変わらない美しさを手に入れられますように。
●生成り色(きなりいろ):生成りは、素材そのものの色。忙しい日々を過ごす中、たまには肩の力を抜いて、シル近ピロ―でリラックスし、毎日をありのままの自分で過ごせますように。
●菖蒲色(しょうぶいろ):「希望」の花言葉を持つ菖蒲。シル近ピロ―の香りの癒しで悩みを吹き飛ばし、フレッシュをして、希望に満ちた明るい毎日が訪れますように。
●勿忘草色(わすれなぐさいろ):勿忘草は英名でフォーゲット・ミー・ノット(私を忘れないで)と呼ばれます。シル近ピロ―で私たちが繋がれたのも何かの縁。この縁が忘れられない思い出になりますように。
◆「シル近」とは、"シルク"と"近大(キンダイ)"を掛け合わせ、ポップ感のある音の並びで「若い層にも着物の良さを知っていただきたい」との思いを込めた、学生の発想によるネーミングです。
◆ターゲットである若者層に、「パケ買い」で手に取っていただけるよう「写真を撮りたくなるパッケージ」をキーワードに、パッケージデザインをしています。
【開発の経緯】
2021年6月1日から、"いと半オリジナル商品のマーケティング戦略の構築"というテーマで、いと半と経営学部・滝本 優枝准教授との共同研究を開始し、研究の実践として、滝本ゼミの学生と共同で新商品の開発に取り組みました。また、開発の経過の中で、薬学部・川﨑 直人教授のもと、商品表面の撮影及び各種測定等、効果のエビデンス確認の共同研究を行いました。
開発当初は、新型コロナウイルス拡大のまっただ中で、学生はオンライン授業、レポート作成とほとんどがPCを使った形となり、目に負担を抱えることが多くなりました。
また、社会人にとっても、リモートワークやペーパレスによるデータ化など、ビジネススタイルの変化により、目の疲弊だけでなく精神的な疲労が問題となっています。
それらの問題を解決すべく、シルク素材の優しさによる癒しを感じながら、目を労わることができる商品として「アイピロー」を開発しました。
※ 本共同研究は、総合大学の近畿大学としての強みである文理融合の成果となっております。
なお、「いと半」は経済産業省の共同研究ベンチャーの定義により、近畿大学の大学発ベンチャー企業の枠組みに入っております。
【SDGsへの思い】
◆[SDGs 9]
着物の伝統技術を転用し、次代にも必要とされる産業としての活性化を目指しています。
生地 - 生成り生地(ちりめん)の主産地・丹後与謝野町で製造。
◆[SDGs 12] [SDGs 15]
天然素材で構成し、廃棄時も自然に優しい製品です。
生地 – 着物生地としては使いづらいとされる絹製の着物生地を使用。
中身 – 主に京都丹波産の小豆を使用。
ハーブのローズを使用。
端材の中から、香りの高い桧を使用。
◆[SDGs 8]
手縫いでの縫製は、就業継続支援A型事業所の方々にご協力をいただき、「社会復帰に向けて働きがいを見つけられる社会」への貢献を目指しました。
※ 就労継続支援A型とは、通常の事業所に雇用されることが困難である方に対して、就労の機会や生産活動等の機会の提供を行う、害者総合支援法に基づく福祉サービスです。
【関連リンク】
経営学部 商学科 准教授 滝本 優枝(タキモト マサエ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1425-takimoto-masae.html
薬学部 医療薬学科 川﨑 直人(カワサキ ナオヒト)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/910-kawasaki-naohito.html
経営学部
https://www.kindai.ac.jp/business/
薬学部
https://www.kindai.ac.jp/pharmacy/