SVPジャパン  IoT時代の到来とビジネスへのインパクト

IoTの概要や動向、IoTの普及によるビジネスへのインパクトとは

 前号のSVPインサイトVol. 16「IT環境の進化に伴う価値提供の高度化 https://www.svpjapan.com/insight/download/report_20230126_01.pdf」では、IT環境が更なる進化を遂げて、現在はIoT(Internet of Things: モノのインターネット)やAI(人工知能)を中心とした「変革的イノベーション」のステージに達していること、また、その環境は、リアルタイム性の高いマイクロニーズ対応型サービスの提供を可能にしていることを記した。
 その環境において、最も重要な役割を果たしているのが、情報収集を行うIoTと、情報の統合・分析・活用を実現するビッグデータとAIと言えるのではないか。
 本レポートでは、IoTの概要や動向、IoTの普及によるビジネスへのインパクトを考察する。

■ IoTの動向

 IoTとは、以下のように定義できる。

 IoTの概念は、もともと産業用機械の領域で、M2M(Machine to Machine)と呼ばれ、主にモノ(機械)の遠隔制御・管理で活用されていた。ただ近年は、ネットワークの進化や、センサー技術の小型化、低消費電力化、低価格化が進展していることで、対象が産業用機械だけでなく、安価で大量に存在する消費者向け機器へと拡大している。それにより、IoTが担う役割も、モノの制御から、モノが発信するデータの活用へとシフトしている。

■ IoT時代のモノとは

 センサーの利用拡大は、一般消費者向け商品においても、スマートフォンやクルマなどに限らず、あらゆるモノへのセンサーの実装が可能になる。センサーを実装することでモノは、通信機能や位置情報、状態認識、識別機能を持つことを意味する。センサー機能を持つモノがネットへ接続することで、モノの細かな情報の収集が可能になり、モノの遠隔操作や人とのコミュニケーションを利用した、新たなサービスの展開が可能になる。

■ IoT活用事例

 既に世の中には様々なIoTの活用事例が見られる。組み込みシステムに代表される産業用機器や機械設備、医療機器、クルマ、家庭用電気機械器具、さらには、薬やスポーツ用品、メガネ・コンタクトレンズ、赤ちゃん用品など例を挙げるときりがないほどである。以下に主要例と用途の傾向を整理する。

 新たに様々なデバイスがネットワークに接続され、そのボリュームが今後も拡大することから、デバイスメーカーにとっては大きな事業機会があると言える。ネットワーク接続端末台数の点では、エネルギー関連のスマートメーターやスマート家電、クルマ、健康器具、複合機などが多い。他方、通信事業者にとっては、各カテゴリーでARPU(Average Revenue Per User)をどれだけ高められるかが、課題になってくるであろう。

■ IoT事例に見るビジネスへの影響

 IoTの台頭は、製品に機能が追加されて付加価値が高まると同時に、周辺サービスを手厚くすることができる。また、企業は、モノが発信するリアルタイム情報を活用することか可能になり、迅速で精度の高い意思決定に活用できる新たな情報インプットを獲得できることになる。
 実際、IoTの普及は、ビジネスへ以下のような影響を与えることになる。

 ビジネスの意思決定においても、これまで活用していた社内情報システムやインターネットの情報に加えて、モノが発信する情報を活用することが可能になる。これは、実社会の動向がリアルタイムでわかることを意味しており、景気動向や顧客環境を反映した、より適当な経営判断ができる環境になるのではないか。

■ 終わりに 

 SVPジャパンでは、会員様向けサービスを通じて、世界のビジネス情報や市場データ、技術動向、成功事例などをご提供させていただきます。ITや情報通信領域においても、数多くの調査実績があります(ご参考「SVPサービス テーマ事例 「IT&情報通信」https://www.svpjapan.com/insight/download/service_20220609_01.pdf)。是非ご活用ください。

■SVPジャパンについて

「成功に導くビジネスの知を、もっと身近に」をミッションとした、会員制ビジネス情報提供サービスプロバイダー。
会員企業には、ビジネス公開情報に基づくクイックリサーチ、カスタムメイド型プロジェクトリサーチを提供。日本は1974年に創業し、現在世界40カ国に渡るネットワークのメンバーとして、大手企業を中心とした会員企業の意思決定を情報力でサポートしています。
 2021年には事業継承のため、経営体制を一新し、ガバナンスの強化、情報提供サービスの拡大、そして進化することを目指し、第二の創業をスタートしています。

《会社概要》
社名: 株式会社SVPジャパン
代表取締役: 橋本 雅
所在地: 東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-9 宮前ビル2F
設立年月日: 1974年7月1日
事業内容: 会員制のビジネス情報提供サービス
URL: https://www.svpjapan.com/

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