【星野リゾート】~コロナ禍で生まれたフードロス問題から地域の魅力を発信する取り組み~星野リゾートの「もったいないプロジェクト」通信vol.1

日本の伝統や文化を活かしたおもてなしで旅を楽しくする「星野リゾート」は、国内外に46施設を運営しています。星野リゾートでは、新型コロナの影響を受け、各地で起きている食材の廃棄や在庫過多の問題に対し取り組む「もったいないプロジェクト」を発足しました。「星野リゾートのミルクジャム」「界のお茶羊羹」に続く、この春の事例を紹介します。

もったいないプロジェクトとは

星野リゾートでは、フードロス問題に取り組む「もったいないプロジェクト」を2020年に発足しました。第一弾は、全国の学校給食や外食産業における牛乳の消費低下を受け、2020年5月に「ミルクジャム」の製造を開始しました。第二弾は、来客のもてなしに用いられる茶葉の消費減少を受けて、2020年11月より煎茶とほうじ茶の2種類の味の「界のお茶羊羹」を開発しました。この春は、山梨の苺、北海道のフルーツほおずきやさくらんぼ、沖縄の紅芋など、各地のフードロスに繋がる危機的な状況の回復に貢献する取り組みを開始しました。

「もったいないプロジェクト」事例1 星のや富士・リゾナーレ八ヶ岳(山梨県)

「森のバームクーヘン苺仕立て」「苺ソースのワッフル」

日本初のグランピングリゾート「星のや富士」と自然豊かな八ヶ岳エリアのリゾートホテル「リゾナーレ八ヶ岳」では、2021年3月1日から、山梨県内にある岩窪農場の苺を使用したスイーツを提供します。レストランの営業短縮により、東京都内の飲食店へ出荷できなくなってしまった苺を使用します。

甘酸っぱさが特徴の苺を育てている「岩窪農場のいちご園」

岩窪農場は、リゾナーレ八ヶ岳から車で5分ほどの場所にあり、甘酸っぱさが特徴の苺「よつぼし」を育てています。よつぼしは、発芽したばかりの小さな苗を6月に植える種子繁殖型の品種で、約13,000株の苺を栽培しています。寒さにより糖度が高まり、甘みが増す苺は、昼夜の寒暖差が大きい小淵沢に向いています。

「もったいないプロジェクト」事例2 トマム(北海道)

「ほおずきジャムのフレンチトースト」

北海道最大級の滞在型リゾート「トマム」では、2021年2月26日より「ほおずきジャムのフレンチトースト」の提供を開始しました。高い糖度とジューシーな果実の味わいが特徴的なしずお農場のフルーツほうずきは、飲食店による需要が高く、例年1トンほどを全国に出荷していましたが、コロナ禍で約300キロの在庫をかかることとなりました。じっくりと煮詰めてジャムにし、フレンチトーストにトッピングします。

良質な栽培方法にこだわる「かわにしの丘しずお農場」

天塩川の伏流水をくみ上げ、農作物に使用しているしずお農園。無農薬栽培にこだわり、フルーツほおずきのほか、トマトやアスパラなども栽培しています。

「もったいないプロジェクト」事例3 OMO7旭川(北海道)

「完熟さくらんぼワッフル」「完熟さくらんぼパフェ」

旅のテンションを上げる都市観光ホテル「OMO7旭川」では、「完熟さくらんぼワッフル」と「完熟さくらんぼパフェ」の提供を2021年2月15日より開始しました。使用したさくらんぼは、観光客の激減により、例年の2倍を上回る2トンの冷凍さくらんぼの在庫を抱えていた「大橋さくらんぼ園」。次のシーズンまで残った場合は、廃棄となってしまうさくらんぼを救うメニューとなりました。

安全で美味しいさくらんぼを作る 「大橋さくらんぼ園」

OMO7旭川から車で1時間半ほどの距離にある「大橋さくらんぼ園」。1970年からさくらんぼ栽培を始め、日本で最多の60種類を扱っており、道内随一の大きさを誇る農園です。芦別市は、内陸性気候特有の昼と夜の寒暖差があるため、糖度が高く、実の詰まった甘くて美味しいさくらんぼが育ちます。

「もったいないプロジェクト」事例4 リゾナーレ小浜島(沖縄)など6施設

「紅芋を使ったオリジナルスイーツ」

リゾナーレ小浜島を含む星野リゾート6施設では、2021年2月1日より、お土産の消費減少により、在庫過多になっていた紅芋を使用したオリジナルスイーツ「紅芋と茜芋のトライフル」の提供を開始しました。生芋は植物検疫で沖縄から本土への持ち込みが禁止されているため、沖縄を代表する農作物である紅芋と茜芋も、例年の4倍を上回る200トンの在庫があり、それらを使用したスイーツです。

400年以上の歴史のある沖縄を代表する農作物「紅芋」

水はけの良い沖縄の土壌は、紅芋を含む芋類に適しており、年間約3820トン(平成29年度沖縄県農林水産部発表)収穫されています。サイズや形を選別せずに、無駄なく加工できる紅芋ペーストは、お土産を含む菓子類などの原料として、販促に力を入れている商品です。

「もったいないプロジェクト」事例5 界 遠州(静岡県)

「界のお茶羊羹」

開業時よりお茶を用いたおもてなしを提供している「界 遠州」のあるお茶の産地・静岡でも、在庫過多や受注減少、そして消費量が年々減少などの課題を抱えていました。「界のお茶羊羹」は、天竜茶を使用した煎茶羊羹と、浜松茶を使用したほうじ茶羊羹の2種類を1口サイズにし、個包装しています。全国の「界」の施設にて販売しています。

羊羹作りを前提に選んだ「天竜茶」と「浜松茶」

羊羹の原料の茶葉選びには、静岡県浜松市役所の産業部農業振興課の協力を得て、紹介いただきました。目指したのは「まるでお茶を飲んでいるかのような、風味や余韻を感じられる羊羹」。ほのかな甘みとともに、茶葉の香りがたつような羊羹に仕上げています。

「もったいないプロジェクト」事例6 リゾナーレ那須(栃木県)など6施設

「星野リゾートのミルクジャム」

行き場を失った生乳の廃棄減少のため、活動を始めたのは2020年4月。搾乳した牛乳を、より長期保存可能なミルクジャムへ加工し、ミルクジャムフラッペや、ご当地かき氷に使用しました。活動への賛同や購入希望の声を多くいただき、2020年秋より「星野リゾートのミルクジャム」として施設で販売を開始しています。

那須の自然と人とジャージー牛の牧場「森林ノ牧場」

ジャージー種を放牧飼育し、搾乳した牛乳は低温殺菌で自社加工することで、搾りたての生乳に近い風味を保った牛乳の生産にこだわっている「森林ノ牧場」。ミルクジャム制作のための牛乳を新たに出荷いただき、星野リゾートのミルクジャムを製造しています。

参考情報 最高水準のコロナ対策宣言

【1】衛生管理
星野リゾートでは、コロナ対策の一環として、お客様の健康と公衆衛生を考慮し以下の対応を行っております。
・チェックイン時の検温実施
・通常の客室清掃に加え、ホテル館内のアルカリ電解水による清掃と拭き上げ
・館内各所に除菌用アルコールを設置
・全客室に手指消毒用アルコールを設置
・レストラン入店時に全てのお客様へ手指のアルコール消毒を実施
・食器類(お皿、グラス)やカトラリーの高温洗浄(80度以上)、食事用トレイの除菌洗浄
・フロントにパネルやビニルシートなどのパーテーションを設置
・館内での接客業務の際にマスクを着用
・スタッフの健康と衛生面の管理徹底(出社前の検温と記録確認)
・湿度40%以上を保つ加湿器を全客室に設置(星のや東京、沖縄県内の施設を除く)
・レストランにおけるメニューのQRコード化(界ブランド全施設)
【2】3密回避
密閉、密集、密接の3つの「密」を回避する滞在を作るべく、以下の対応を行っております。
・大浴場の混雑度がスマートフォンで分かる3密の見える化および混雑予測サービス実施(一部)
・滞在中、混雑が確認された場所での、入所・入店規制
・レストランの混雑状況を管理し、入店時間の分散化
・チェックアウトのフロント精算時に、入列規制を適宜実施
・客室でのチェックイン対応(星のや・界)
・パブリックスペースへのCO2(二酸化炭素)濃度測定器の配備
・自然換気、機械換気など、建物の設計にあわせた換気の徹底

【星野リゾート】コロナ対策まとめ 

星野リゾート

ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」、ルーズに過ごすホテル「BEB」の5ブランドを中心に、国内外で46施設を運営。
https://www.hoshinoresorts.com/


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