福島県川俣町と近畿大学が包括連携協定を締結 ~避難指示解除後の復興と発展に向けて~

福島県川俣町と近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成29年(2017年)5月16日(火)、川俣町役場にて包括連携協定を締結しました。

【本件のポイント】
●6年間の支援活動を経て包括連携協定締結へ
●川俣町から近畿大学への「震災復興アドバイザー」委嘱を継続
●総合大学の英知を結集し、川俣町の復興、発展を継続支援

【本件の概要】
東日本大震災以降、近畿大学は“オール近大”川俣町復興支援プロジェクトとして、東日本大震災に伴う原発事故により一部が計画的避難区域に指定された川俣町の早期復興を、総力を挙げて支援してきました。また、川俣町は平成29年(2017年)3月31日に避難指示が解除されたことを受け、さらなる復興と発展に向けて動き始めました。
今回の協定締結を機に、さらに密接に連携・協力し、地域社会の発展、教育・研究の振興及び人材の育成を目指します。

【“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト 活動内容】
近畿大学が、14学部48学科を擁する総合大学としての研究力を生かし、東日本大震災に伴う原発事故により一部が計画的避難区域に指定された川俣町の早期復興を、大学の総力を挙げて支援するために立ち上げたプロジェクトです。
近畿大学教員が提案した復興支援策を、1.農業・産業・町づくり振興支援、2.除染推進支援、3.健康・心身ケア支援、4.放射線・放射能測定支援のグループに分け、川俣町民の意向を取り入れつつ、平成25年(2013年)5月31日から本格的に始動しました。
なお、近畿大学は福島県川俣町から「震災復興アドバイザー」を委嘱されています。

除染研究:バイオコークス技術による減容化
東日本大震災被災地でひっ迫している除染廃棄物仮置場や仮置場から中間貯蔵施設への輸送問題について、近畿大学が開発したバイオコークス技術によって解決する方法を提案。環境省の事業として、本技術の実証実験を川俣町で実施しました。

産業振興:ビニールハウスで特産品栽培
川俣町にビニールハウスを設置して風評被害を払拭し、町の特産品になり得る農作物の試験栽培を実施。現在は、ポリエステル培地を使ったアンスリウムの栽培マニュアルを提供し、本学教員による技術協力のもと、地元農家による栽培、出荷を行っています。

心身ケア:ガラスバッジによる放射線量測定
原子力発電所の事故による放射線から子どもたちの安全安心を守るため、町内の幼稚園児、保育園児、小学生、中学生全員を対象に、個人の放射線量を測定する積算線量計(ガラスバッジ)を配布。3カ月ごとに子どもたち一人ひとりが日常生活で受けた放射線量を測定し、結果を保護者へお知らせするとともに、放射線健康不安に関する相談会を実施してきました。

その他の活動(一部抜粋)
・放射線健康不安に関する相談会実施
・町内の小学校・幼稚園において、野外でのサツマイモ空中栽培実習
・山木屋地区避難先住宅へ農作物の空中栽培棚贈呈
・町内の小学校・幼稚園・保育園の生徒、児童と共に、復興支援モニュメント作成
・特産品のパッケージデザイン提案
・汚染水から放射性物質を取り除く技術の開発
・藻類を使った土壌から放射性セシウムを除去する技術の研究

【関連リンク】
“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト
http://www.kindai.ac.jp/rd/social-activity/earthquake-east-japan/all-kindai.html

近畿大学学長 塩﨑均(左)と川俣町長 佐藤金正(右)
近畿大学学長 塩﨑均(左)と川俣町長 佐藤金正(右)

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