和歌山県新宮市と近畿大学が包括連携協定を締結 医師不足に悩む新宮市立医療センターへ近畿大学病院から医師を派遣
和歌山県新宮市と学校法人近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和4年(2022年)2月16日(水)に包括連携協定を締結しました。医学から芸術まで幅広い分野を網羅する総合大学を中心に、幼稚園から大学院までのネットワークを持つ学校法人近畿大学の知見を生かし、防災・減災、まちづくりなどさまざまな分野で人的・知的資源の交流と活用を推進し、地方創生に取り組みます。
【本件のポイント】
●医師不足となっている新宮市立医療センターへ近畿大学病院から医師を派遣
●防災・減災、まちづくりなどさまざまな分野で、人的・知的資源の交流と活用を推進
●包括連携協定によって、学校法人近畿大学の強みを生かした地方創生に取り組む
【本件の内容】
学校法人近畿大学にとって新宮市は、創設者・世耕弘一の生誕の地であり、附属新宮高等学校・中学校と水産研究所新宮実験場が所在する、たいへん縁の深い地域です。そのため、両者はこれまでも地域活動や人材育成など、産官学の連携によってさまざまな取り組みを行ってきました。今回の包括連携協定締結によって、両者の連携をさらに拡大・深化させます。ついては、その取り組みの第一弾として、医師不足となっている新宮市立医療センターへ近畿大学病院から医師の派遣を予定しています。その他にも、防災・減災、まちづくりなどさまざまな分野で人的・知的資源の交流と活用を推進し、地方創生に取り組みます。
<本協定による連携事項>
(1)医療・健康・福祉・スポーツ・育児に関すること
(2)防災・減災に関すること
(3)教育および人材育成に関すること
(4)まちづくりに関すること
(5)生涯学習に関すること
(6)学術研究に関すること
(7)国際交流に関すること
(8)施設の利用に関すること
(9)その他前条の目的に沿い両者が必要と認める事項
【連携事業の具体案】
上記9件のうち、まずは、(1)医療・健康、(2)防災・減災、(3)教育・人材育成、(4)まちづくりの4分野について、先行して取り組んでまいります。
特に、医師不足で分娩を停止している新宮市立医療センターへの支援を最優先として、近畿大学病院から産婦人科医(非常勤)を定期的に派遣するとともに、近畿大学病院の産婦人科医1名が退職して新宮市立医療センターの常勤医として勤務する予定です。
また、同じく(1)医療・健康に関する取り組みとして、和歌山県地域医療医師確保修学資金制度(地域医療枠)で入学した近畿大学医学部の学生(参考:令和3年度在籍者15名)に対し、在学中から地域医療や新宮市の魅力を学ぶ機会を提供します。さらに、近畿大学医学部・病院が、新宮市民や地域の医療関連施設等に向けた健康増進に関わる教育・啓発活動に協力することも検討しています。
(2)防災・減災に関する取り組みとしては、近畿大学附属新宮高等学校・中学校において、近隣住民が参加する避難訓練の実施や、新宮市と連携しての非常時の食料や備品の備蓄を検討します。
さらに、(3)教育・人材育成に関する取り組みとして、新宮市の農林水産業体験を活用した人材育成や、(4)まちづくりに関する取り組みとして、IoTを活用したスマート農業による農林水産業振興も計画中です。
これ以外の連携事項についても、これから双方で協議を重ね、学校法人近畿大学の強みを生かした連携をさらに深めていきたいと考えています。
【関連リンク】
近畿大学
https://www.kindai.ac.jp/
近畿大学附属新宮高等学校・中学校
https://www.shingu.kindai.ac.jp/