アジア最大の食品専門技術展「食品開発展2019」 果物の新たな加工技術に関する研究成果を発表

2019-09-30 15:00

近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)食品安全工学科教授の尾﨑 嘉彦が、令和元年(2019年)10月2日(水)~4日(金)、東京ビッグサイトにて開催される「食品開発展2019」にて、果実類の「酵素剥皮技術」に関する研究成果を発表します。

【本件のポイント】
●アジア最大の食品専門技術展「食品開発展2019」で研究成果を発表
●これまでよりも香りや食感に優れた果物の加工品を製造するための新技術について発表
●新たな技術で加工された果物サンプルの展示および試食提供を実施

【本件の内容】
食品開発展は、食品分野の研究・開発、品質保証、製造技術者向けの専門展示会です。
2019年は食品分野の3大テーマである「健康、美味しさ、安全・品質」に関するアジア最大の技術展として開催されます。
近畿大学を含む5大学、3県立研究機関、2民間機関で構成される果樹需要喚起コンソーシアムは、平成28年(2016年)から5年計画で、果物の加工品の製造工程に「酵素剥皮技術」や「新たな加熱殺菌技術」を適用し、これまでよりも香りや食感に優れた加工品を消費者に提供するための技術開発を進めています。本プロジェクトでは、これまでよりも熱のかかり方が少ない技術を採用することで、香りや食感に優れた果物の加工品を作り出すことに成功しています。今回は、将来この技術を利用する可能性がある食品産業の技術者を対象に、技術の概要を公表するとともに、実際に新たなプロセスで試作した桃の加工品の試食を行います。

【開催内容】
日時:令和元年(2019年)10月2日(水)~4日(金)10:00~17:00
場所:東京ビッグサイト 西1・2ホール&アトリウム
   (東京都江東区有明3-11-1、ゆりかもめ「東京ビッグサイト駅」下車徒歩約3分)
対象:食品関連の研究者・企業関係者
主催:UBMジャパン株式会社(informa markets)
後援:厚生労働省、東京都、日本貿易振興機構、農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門(予定)

<ブース展示>
日時:10月2日(水)~4日(金)10:00~17:00
場所:FiT(Food Ingredient for Taste)ブース 1-359
果樹需要喚起コンソーシアムの中で、近畿大学が取り組む酵素法による剥皮性の品種間差の原因解明に関する成果をはじめとし、コンソーシアム参加各機関の開発した新たな加工技術の概要をポスター等で発表します。また、「酵素剥皮技術」で皮を剥いた果物(桃、ぶどう)を農研機構が開発した加熱殺菌技術「水中短波帯加熱」で殺菌したサンプルを展示します。また、桃については試食提供も実施します。

<セミナー>
日 時:10月4日(金)12:00~12:20(20分間)
場 所:西1ホール C会場
発表者:近畿大学生物理工学部食品安全工学科 教授 尾﨑 嘉彦
    農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 先端食品加工技術ユニット長 植村 邦彦
コンソーシアムで取り組む研究開発の概要と、核となる「酵素剥皮技術」と「加熱殺菌技術」の2つの要素技の内容について、近畿大学などの担当研究者が発表します。

【新たな果実加工工程の核となる2つの要素技術について】
果実類の「酵素剥皮技術」は、酵素を用いて果物の皮を取り除く加工技術です。細胞間の接着物質であるペクチンを分解することにより細胞同士を分離させる方法であり、ナイフ等の物理的なカット加工に比べて、剥皮面での果肉細胞の損傷が少ないと言われています。また、加熱・加温を要する従来の薬剤等による化学的な剥皮方法では困難であった香り(フレーバー)や食感の維持が可能といった優れた特徴を有しています。近畿大学生物理工学部食品安全工学科教授の尾﨑 嘉彦が長年取り組んできた技術で、今回のプロジェクトでは、これを桃やぶどうの剥皮加工に応用することに近畿大学や(一社)長野県農村工業研究所や静岡県農林技術センター等が取り組んでいます。
「加熱殺菌技術(水中短波帯加熱技術)」は、農研機構が開発したもので、加圧容器を用いた水中での短波帯加熱により、対象物および周囲の水を121°C以上に加熱する技術です。従来のレトルト加熱(蒸気や加圧熱水を利用することで湯煎加熱上限の100度以上で加熱する方法)に比べて、昇温時間を1/4以下に短縮可能で、加熱対象物中心部の温度が高温となるといった特徴があります。

【関連リンク】
生物理工学部 食品安全工学科 教授 尾﨑 嘉彦(オザキ ヨシヒコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/132-ozaki-yoshihiko.html

酵素剥離技術で皮を剥いた桃
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