令和6年度 第3回生物理工学部公開講座を開催 「骨や関節は大丈夫ですか?:生体組織の損傷を修復する工学技術」 「もう一つの臓器・腸内細菌フローラ」
近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)は、令和6年(2024年)9月7日(土)、新宮市文化複合施設 丹鶴ホールにて、令和6年度(2024年度)第3回近畿大学生物理工学部公開講座「BOST Science Café」(後援:和歌山県教育委員会・新宮市教育委員会)を開催します。
【講演内容】
プログラム(1)「骨や関節は大丈夫ですか?:生体組織の損傷を修復する工学技術」
講師:生物理工学部医用工学科 教授 山本衛(やまもとえい)
内容:骨が壊れ易くなる骨粗鬆症、関節の動きを困難にする変形性関節症、スポーツアクシデント時に発生する腱や靱帯の断裂など、骨や関節に生じる疾患や外傷は誰にでも起こり得る極めて頻度の高い障害であり、生命活動に不可欠な運動機能を著しく妨げます。「歩くと関節が痛い」、「高齢者が転倒して骨折した」、「人工関節を埋め込む手術をした」などの話を耳にしたことがある方も多いと思います。このような骨や関節の病気に対する診断や治療、ならびにリハビリテーション手法には、最先端の工学技術が応用されることで、開発や改良が行われてきたものが少なくありません。本講演では、骨や関節の損傷とそれらの修復手法について、生体力学の観点から検討された研究成果を紹介します。
プログラム(2)「もう一つの臓器・腸内細菌フローラ」
講師:生物理工学部食品安全工学科 教授 芦田久(あしだひさし)
内容:私たちの大腸と小腸には、約1,000種類、数10兆個もの腸内細菌が生息しており、それぞれの個人特有の「腸内細菌フローラ」を形成しています。腸内細菌フローラが私たちの健康や病気に深く関わっていることが明らかにされてきており、腸内細菌フローラは「もう一つの臓器」と呼ばれたりもします。ビフィズス菌は、腸内細菌フローラの中で体に良い善玉菌の代表であり、私たちヒトはビフィズス菌と相利共生関係にあると言えます。ビフィズス菌がどのようにしてヒト腸内に定着できるようになったのか、私たちの研究内容を中心にご紹介します。また、和歌山県の食品成分による腸内細菌フローラの改善効果などについてもお話します。
【開催概要】
日時 :令和6年(2024年)9月7日(土)13:00~16:00(12:30受付開始)
開催方法:対面、オンライン
場所 :新宮市文化複合施設 丹鶴ホール(文化ホール)
(和歌山県新宮市下本町2丁目2番1号、
JR紀勢本線「新宮駅」より徒歩約10分)
対象 :一般の方、中高生(定員144人、申込先着順、入場無料)
申込方法:WEBサイトから事前申込み https://kouza.wbs.co.jp/
※対面は、定員に空きがあれば当日開始時間まで参加を受け付けます。
※オンライン希望者には、申込完了後に参加URLをメールで送付します。
後援 :和歌山県教育委員会、新宮市教育委員会
お問合せ:和歌山放送内 近畿大学生物理工学部公開講座係 TEL(073)428-1431
【開催の背景】
近畿大学生物理工学部は、「人間」「医療」「食」「生活」「環境」「福祉」をテーマに、理学・農学・工学・医学を融合させた、先進的で多彩な教育と研究を行っています。ここで得られた成果を広く一般の方々にご理解いただくため、平成11年度(1999年度)から公開講座を始めました。
生涯学習の機会とする方から、科学に興味をもつ子どもまで、幅広い年齢層の方々にご参加いただいており、これまでの受講者数は3万人を超えています。今年度も各地の教育委員会後援のもとで開催します。
【講師プロフィール】
山本衛(やまもとえい)
所属 :生物理工学部医用工学科 教授
学位 :博士(工学)
専門分野 :生体力学
研究テーマ:骨や腱などの筋骨格系組織を対象に、生命体を力学的に取り扱う学問領域であるバイオメカニクス分野の研究に従事しています。生体組織の優れた機能を力学的観点から解明することが目的です。
芦田久(あしだひさし)
所属 :生物理工学部食品安全工学科 教授
学位 :博士(農学)
専門分野 :微生物学、生化学
研究テーマ:腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌の糖鎖を介した増殖・定着メカニズムと、宿主の免疫系や健康への影響について、また、さまざまな発酵食品や農産物の食品生理機能について研究しています。
【関連リンク】
生物理工学部 医用工学科 教授 山本衛(ヤマモトエイ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1201-yamamoto-ei.html
生物理工学部 食品安全工学科 教授 芦田久(アシダヒサシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1054-ashida-hisashi.html