サツマイモを使ったメタンガスエネルギー実験教室 福島県川俣町立富田小学校にて

2018-07-05 15:30

近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成30年(2018年)7月9日(月)、福島県川俣町の富田小学校にて、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)生物工学科生産環境システム工学研究室教授 鈴木高広が、実用化に取組むサツマイモのメタン発酵実習やそのガスによる調理実験を行います。

【本件のポイント】
●“オール近大”川俣町復興支援プロジェクトとして、イモを使ったエネルギー実験
●ペットボトルでイモのメタン発酵実験をし、そのガスを使った目玉焼き調理を体験
●町と大学との包括連携協定に基づき、町の復興、発展に向けた協力体制を強化

【本件の概要】
東日本大震災以降、近畿大学は「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」として、原発事故により一部が計画的避難区域に指定された川俣町の早期復興に総力を挙げて支援してきました。川俣町は復興に向けて努力を続けており、調査の結果、土壌汚染に問題がないことは証明されていますが、いまだ根強い風評被害に苦しんでいます。近畿大学は川俣町が風評被害を克服するための活動の一環として、まずは町の保育園、幼稚園、小学校にて、土壌汚染の心配がないサツマイモ栽培および収穫事業、そしてイモを発酵させることで発生するイモメタンガスを使ったエネルギー実験を実施し、町の子どもたちの豊かな体験を応援します。

■日時:平成30年(2018年)7月9日(月)9:25~10:20
■場所:川俣町立富田小学校(福島県伊達郡川俣町鶴沢林山18)TEL(024)565-2184
■対象:富田小学校2年生の児童12名
■内容:イモメタンガス発酵・調理・発電の実験
    (イモを使い、ペットボトルでメタン発酵実験を実施。イモから作ったガスで目玉焼きを作り、ガス発電機で電気を起こします。)

【本件の背景】
「ポット鉢栽培法」※で生産された作物は、汚染された土壌を一切使用せず栽培するため、放射能汚染を避け、安心して食用に利用することができます。平成25年(2013年)から続けている本活動は、福島県川俣町復興支援として取り組んでいる“オール近大”川俣町復興支援プロジェクトとして、町の子どもたちがイモの栽培を通して未来への夢と希望を育てることを応援するものです。震災後初めての収穫は子どもたちに大好評で、以降も毎年改善を重ね、今では大きなイモが収穫できるようになりました。また、児童がイモを使ったエネルギー実験を体験することにより新たなイモの活用法の普及につなげます。
川俣町は平成29年(2017年)3月に避難指示が解除されたことを受け、さらなる復興と発展に向けて動き始めました。近畿大学は、平成29年(2017年)5月16日に締結した川俣町との包括連携協定に基づき、さらに密接に連携・協力し、地域社会の発展、教育・研究の振興及び人材の育成を目指します。

※「ポット鉢栽培法」は、生物理工学部教授の鈴木高広が考案した、ポリエチレン製で軽量のポットを使用した底面から給水して土壌の乾燥を防ぐ栽培法で、微生物や有機物が豊富な根の周辺土壌がポットの範囲に制限されることと十分な水分補給により、従来の5~10倍の収穫率でサツマイモを安定的かつ大量に生産できます。

【“オール近大”川俣復興支援プロジェクト 活動内容】
近畿大学が、14学部48学科を擁する総合大学としての研究力を生かし、東日本大震災に伴う原発事故により一部が計画的避難区域に指定された川俣町の早期復興を、大学の総力を挙げて支援するために立ち上げたプロジェクトです。
近畿大学教員が提案した復興支援を1.農業・産業・町づくり振興支援、2.除染推進支援、3.健康・心身ケア支援、4.放射線・放射能測定支援のグループに分け、川俣町民の意向を取り入れつつ、平成25年(2013年)5月から本格的に始動しました。
なお、近畿大学は福島県川俣町から「震災復興アドバイザー」を委嘱されており、平成29年(2017年)5月16日には包括連携協定を締結しています。

メタンガスエネルギー実験の様子
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