ススキ畑を作って茅葺き古民家を守る! 学生が挑む「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」

近畿大学工学部(広島県東広島市)と広島大学(広島県東広島市)の学生を含む約50人が、平成29年(2017年)12月10日(日)、東広島市志和町にて、地域の茅葺(かやぶ)き屋根の保存・再生のため茅葺き屋根の原料となるススキ畑(茅場(かやば))を作る取組みを開始します。

【本件のポイント】
●東広島市に残る貴重な茅葺き古民家の保存・修繕に取り組む地方創生プロジェクト
●学生が茅葺き屋根の原料となるススキ畑作りを開始
●学生は地域に貢献すると同時に、職人から日本の伝統工法を実地で学ぶ

【本件の概要】
東広島市は茅葺き屋根の古民家が多く現存する全国的にも希少な地域ですが、職人や茅の不足により、古民家は年々減少しています。そこで、近畿大学工学部建築学科 准教授 市川尚紀は、平成21年度(2009年度)から、地域に残る茅葺き屋根の古民家の保存・再生を目的に、学生と共に「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」に取り組んできました。
今回、修繕に必要な茅の確保を目的として、ススキ畑を作る活動を開始します。初回となる今回は近畿大学および広島大学の学生を含む約50人で、ススキの刈り取り作業を行います。今後はススキの種を植え、収穫したススキを使用して茅葺き古民家の修繕作業を行うことを計画しています。
この活動は、広島大学大学院工学研究科 助教 杉川幸太がクラウドファンディングで作り上げた地域住民の集う図書室「かやぶき屋根のちいさな図書室 ほたる荘」と、伝統の職人技を継承する広島茅葺屋根工事店と協力して実施することで、地域住民と学生の交流を図ると同時に、広島県内でも数人と言われる貴重な茅葺き職人の伝統の建築技術を両大学の学生が実践的に学ぶ機会とします。

■日時:平成29年(2017年)12月10日(日)10:00~15:00
■場所:広島県東広島市志和町別府(西志和農園向かい)

【本件の背景「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」とは】
広島県東広島市は、多くの茅葺き古民家の屋根がトタンや瓦で覆われることなく茅が露出した状態で残っている全国的にも希少な地域です。しかし、伝統の茅葺き屋根の価値があまり認識されず、現在残されている民家も茅葺きの技術継承者不足、原料となる茅(東広島市の場合はススキ)の不足、茅葺きにかかる労力、コストなどの問題から消滅の一途を辿っています。
そこで、市川と学生は、地域に残る茅葺き古民家の保存・再生、茅葺き技術の継承を目的に「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」と称し、平成21年度(2009年度)からNPO法人西中国茅葺き保存研究会、茅葺き職人、地域住民と共に茅葺き民家を整備・修繕する活動を始めました。これまでの活動として、平成24年(2012年)から約4年かけて東広島市豊栄町にある民家の屋根の葺き替えに取り組んだ他、平成28年(2016年)には世羅郡世羅町から長崎県の五島列島へ茅葺き古民家の移築を行いました。
今後は東広島市にある他の茅葺きの建築物の修繕にも取り組む予定で、そのために必要な茅の確保を目的に共同の茅場作りを開始します。

【かやぶき屋根のちいさな図書室“ほたる荘”】
平成29年(2017年)4月に開設された、築約100年の茅葺き古民家を利用した私設図書室
■代 表:杉川 幸太(広島大学大学院工学研究科 助教)
■住 所:広島県東広島市志和町志和堀469
■開室日:毎週木曜・金曜・土曜10~15時
■サイトURL:http://hotaruso.com/

【関連リンク】
工学部建築学科 准教授 市川 尚紀(イチカワ タカノリ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/1138-ichikawa-takanori.html

過去の茅刈り作業の様子
過去の茅刈り作業の様子

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