目指すは第二のマグロ完全養殖!キハダの稚魚を世界で初めて海面の生簀へ 近畿大学水産研究所

近畿大学水産研究所大島実験場(和歌山県東牟婁郡串本町)場長で教授の澤田 好史らの研究グループは、科学技術振興機構(JST)、国際協力機構(JICA)の支援を受けて、パナマ共和国水産資源庁(ARAP)および全米熱帯マグロ類委員会(IATTC)と共同で、キハダ養殖の研究を行っています。このたび、これまで陸上の水槽で育てていたキハダの稚魚(全長6-8cm)を、世界で初めて海面の生簀へ移す取り組みを行います。

【本件のポイント】
● 近畿大学がJSTとJICAの支援を受けて、パナマ共和国水産資源庁および全米熱帯マグロ類委員会と共同で行っている、キハダの養殖研究成果
● 世界で初めて人工で育てたキハダの稚魚を海上生簀に移す
● クロマグロに続き、世界初となる完全養殖を目指す

【本件の概要】
本件は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の一環として実施されており、キハダの完全養殖を目指し、平成23年(2011年)よりパナマにて研究が進められてきました。期間5年の最終年度を迎える今年、これまでのノウハウを用い、陸上の水槽で育成してきたキハダ稚魚をついに海上の生簀に移します。

また今後については、2週間ほど海上生簀で飼育した後、一部は陸上へ再度輸送して大型水槽で飼育を継続し、2年後の完全養殖を目指します。残りについては、標識を付けて放流する予定です。

本プロジェクト5年間の研究成果につきましては、今回の沖出しおよび陸上水槽への再輸送、標識を付けての放流の結果を含め、改めてご報告をさせて頂ければと思っております。

【参考資料】
●地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS:サトレップス)について
SATREPS(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している、地球規模課題解決と将来的な社会実装に向けて日本と開発途上国の研究者が共同研究と両国の若い人材の育成を行う3~5年間の研究プログラムです。

●全米熱帯マグロ類委員会について
東部太平洋海域におけるカツオ・マグロ類の保存及び管理を目的として昭和25年(1950年)に設立された地域漁業管理機関。対象魚種(カツオ、キハダ等)の調査研究、勧告等の保存管理措置を行う機能を有し、キハダに関しては、東部太平洋海域の総漁獲量規制の勧告を行っています。

パナマで飼育されているキハダの稚魚
パナマで飼育されているキハダの稚魚

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