書籍『心病む夫と生きていく方法』を手に取ってくださったあなたへ。 私の体験が少しでもお役にたてばと思っています
夫は、会社員で海外営業の管理職として多忙を極めた47 歳のとき双極性障害を発症。試行錯誤を繰り返しながら役立ったことは。
海外営業の管理職として多忙を極めた47 歳のとき双極性障害を発症した夫。以来、家族で病と向き合ってきました
『心病む夫と生きていく方法』〜統合失調症、双極性障害、うつ病… 9人の妻が語りつくした結婚、子育て、仕事、つらさ、そして未来〜(蔭山正子・編著、ペンコム・刊)で体験を紹介させていただいた「にき あんな」さん。
夫は海外営業の管理職として多忙を極めた47 歳のとき双極性障害を発症。以来、家族で病と向き合ってきました。今は、『病気を抱え 副作用の強い薬を飲みつつ、ギリギリまで働いてくれた夫は、「同志」かもしれない』と振り返ります。
そんな、あんなさんより、つらい立場の皆さんにとって少しでもお役に立てたらと、今の思いをお寄せいただきました。
書籍『心病む夫と生きていく方法』を手に取ってくださったあなたへ。 私の体験が少しでもお役にたてばと思っています
ネット、スマホがない時代、何もわからないまま、夫の精神疾患と25年向き合ってきました。
そして、その後、娘も違う心の疾患になり14年。
一人で二人をみる!できるのか。
途方にくれた時期もありましたが、現実は待ってはくれません。
この本を手に取ってくださったあなたに、私の体験が少しでもお役にたてばと思っています。
私の場合、役立ったこと
●病気を知る、情報を得る
つかみにくい心の症状に、できるだけよりそい、 しっかりみつめました。
医師と話す機会をもち、症状、薬を学んでいきました。
25年前は、医学の専門書を読み、知識、情報を得ることしかできませんでしたが、今は、ネットでの相談など情報もとても増えました。
自分に合う「何か」を探せれば安心につながると思います。
●頼れる人や場所を持って前向きに
日常、家事のちょっとしたことなども、近くに頼れる所があるだけで、楽になります。
同居でない他の家族にも話し、少しでもわかってもらえればつながりもできます。
簡単にはできない事が多いですが、精神疾患は完治する病もありますので前向きに。
前向き、という言葉は、言うのは簡単ですが難しい。
それでも、少しでも穏やかな毎日が、当事者、ケア側も送れるよう、前へ進む気持ちをもっていきたいです。
●経済面
経済面も大きな課題です。
行政の支援を受ける、例えば私の場合、障害年金取得は、細かい記録をとっていたので、それをもとに私が書いて申請しました。
思っていた級より上の認定が受けられ、助かりましたし、当時、とても励みになりました。
●自分自身を大切に
話せる友人がいれば話す、 趣味を続けていくなど、ケアする側も自分のことを考え、 一人になる時間をもち、少しでもリラックスし、一人の世界を持つ。
自分自身も大事にすることが、長いケア、サポートへつながります。
長年、試行錯誤を繰り返しながら生きてきました。
今は、心の疾患を持ちながら仕事をしている娘のことが心配ですが、少しでも前へ進む気持ちをもっていきたいです。
にきあんなさん(『心病む夫と生きていく方法』より)
病気を抱え 副作用の強い薬を飲みつつ、ギリギリまで働いてくれた夫は、「同志」かもしれない
夫は、会社員で海外営業の管理職として多忙を極めた47 歳のとき双極性障害を発症。服薬しながらも多忙な仕事は変わらず、病状は悪化していった。「上がる」ときの多幸感が特徴で、怖いもの知らず。その姿は映画「ハルク」のようだった。
2年後、もはや薬で抑えることができなくなり、精神科の閉鎖病棟へ入院。退院後、復職するも、55 歳で早期退職。
一方、長女は、3歳で指定難病のネフローゼを発症。6年生で再発。完治しその後、希望の大学に入学し就職が決まるも、今度はうつ病を発症。現在は、うつと向き合いながら事務職を続けている。
妻は、夫の「上がる」状態を注意深く見極めながら、一方で難病の子どもの看護や学校のこと、家のことを一手に担ってきた。
「今思い起こせば本当によく乗り越えられたと思います」と振り返る。今日を無事に生き、穏やかに、よく眠り過ごす。それが願いです、と話していたのだが…。
夫71 歳、妻66 歳、長女 34 歳の3 人家族。(年齢は、2020 年1 月現在)
『心病む夫と生きていく方法』
・著者:蔭山正子
・発売日:2020年11月2日
・定価:本体1,500円(税別)
・判型:四六判(横127mm×縦188mm×幅17mm)
・ページ数:216ページ
・ISBN:978-4-295-40474-3
・発行:株式会社ペンコム
・発売:株式会社インプレス
出版社ペンコム
兵庫県明石市の出版社ペンコムは、インプレスのパートナー出版社。本や広報紙、ウェブなど「ペン」をツールに、まちやひとを応援する会社です。 著者さんと共に、一人でも多くの人に「ああ、この本に出会えて良かった」と感じてもらえるような1冊を送り出していきたいと考えています。
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